3.1 気候変動影響への対応再生可能エネルギー

太陽光発電

キリンビール、キリンビバレッジなどの工場では、見学設備などに太陽光発電設備を設置しています。2016年には、神奈川県の「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」の一環としてキリンビール横浜工場に薄膜太陽電池が設置されました。また、キリンビール横浜工場や協和発酵バイオ、信州ビバレッジでは、敷地や建物の屋根の一部を大規模太陽光発電設備事業会社に賃貸して、自社資産の有効活用と自然エネルギーの普及促進に貢献しています。

  • 横浜工場

    横浜工場

  • 協和発酵バイオ

    協和発酵バイオ

風力発電

キリングループでは、横浜市が進める「グリーン電力証書システム」を活用した横浜市風力発電事業に、2007年からY(ヨコハマ)−グリーンパートナーとして協賛し、自然エネルギー利用の促進を支援しています。この事業で発電された電力はこれまで、グループ本社のコミュニケーションスペース「ココニワ」エリア、「SPRING VALLEYBREWERY TOKYO」、WWF主催「アースアワー」などで利用されています。

再生可能エネルギー証書

協和発酵バイオは、2021年からタイ国のThai Kyowa Biotechnologiesに、「再生可能エネルギー証書(I-REC)」を導入しました。タイの医薬品・食品業界での導入は初の事例であり、工場で使用する電力の一部を再生可能エネルギー由来にすることにより、電力使用に伴うGHG排出量を約25%削減することができます(GHG排出量年間5,300tの削減)。粉ミルク向けのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の世界的な需要拡大を見据え、ラヨーン工場に製造設備を新設して2022年夏ごろに稼働させる予定であり、この再生可能エネルギー証書を導入することで、事業の成長と環境負荷の低減の両立を図っています。協和キリンの東京リサーチパークでは、東京都環境確保条例における「特定地球温暖化対策事業所」として第一計画期間および第二計画期間の義務削減量を超え達成した大幅な排出削減量(3,736t-CO2)について、「東京2020大会カーボンオフセット」のクレジットとして提供し、「東京ゼロカーボン4デイズ in 2020」の実現に協力しています。キリンビール神戸工場の化石燃料由来の熱消費量に相当する「グリーン熱証書」、およびシャトー・メルシャンの全電力使用量に相当する「グリーン電力証書」の導入もはじめています。

  • Thai Kyowa Biotechnologies

ニュージーランドのカーボン・ゼロ・ビール

2019年、ライオンのサステナブルビールブランド「The Fermentist」のKiwiPale Ale はニュージーランド初のカーボン・ゼロ認証ビールとなりました。2020年、ニュージーランドのオークランド郊外でライオン社が醸造しているビールSteinlagerも同様にカーボン・ゼロ認証を取得しました。Steinlagerは、ニュージーランドのビール市場全体の約10%を占める、ニュージーランド最大の輸出ビールです。認証を取得するために、ライオンはSteinlagerの製品ライフサイクル全体(ホップや大麦の栽培、ビールの醸造、包装や輸送に至るまで)のCO2排出量を削減することに注力しました。ここではビールのカーボンフットプリントを評価・削減し、削減できなかった残りのフットプリントをオフセットするというアプローチを採用しました。購入したオフセットは、ニュージーランド南島の東岸にあるバンクス半島のヒネワイ保護区で原生林の再生を支援するものです。

ライオンでの取り組み

ライオンは、2020年5月にオーストラリア初の大規模なカーボンニュートラル認証取得醸造会社になったことを発表しました。ライオンは2025年までにビールの醸造に必要な電力を100%再生可能エネルギーにすることを宣言しています。キリングループの「SBT1.5℃」目標達成に寄与するために、ライオンが直接排出するGHG排出量(スコープ1および2)の削減目標を、2030年までに2019年比で55%削減という高い目標に上方修正しました。ライオンの気候変動への対応では、直接排出量の削減、エネルギーの効率化、再生可能電力の使用という3つの重要な指標で進捗を評価しています。まず、天然ガスへの依存度を減らすために醸造所で排水の嫌気処理から得られるバイオガスの活用を進めています。2019年にクイーンズランド州ブリスベンの代表的なビールXXXXGoldの醸造所であるCastlemaine Perkins Breweryで太陽光発電システムの設置をしたのに加え、2020年にはビクトリア州にあるLittle Creatures Geelongでも太陽光発電システムを設置しました。定格出力は650kWで、同醸造所のCO2排出量を年間955t(使用電力によるCO2排出量の25%に相当)削減できる見込みです。エネルギー効率の高い設備への投資を継続するとともに、ニューサウスウェールズ州で実施している再生可能エネルギーをPPAモデルの活用で購入する契約を、他州でも利用できないかの検討を継続しています。