3.4 容器包装の取り組み持続可能なPETボトル

再生PET樹脂100%使用の「R100ペットボトル」拡大

キリングループでは、2019年に制定した「プラスチックポリシー」に従って再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」の採用を順次拡大し、2019年6月から切替えた「キリン 生茶デカフェ」430mlのほか、2021年3月には全国のコンビニエンスストアで発売する「キリン 生茶」と「キリン 生茶 ほうじ煎茶」(各600ml)にも展開しています。これらのパッケージには再生PET素材100%のボトルであることを示すR100のラベル表示をつけています。

プラスチックポリシー

プラスチックはその利便性からさまざまな製品や容器包装等に使用されています。その種類や用途は多岐にわたり、使用された樹脂の種類によって回収率やリサイクル率が異なり、すべてが効率的に循環しているとは言い難い状態です。環境中に捨てられたプラスチックごみが最終的に海に流れ、海洋汚染や生態系に影響を及ぼしている可能性が国際的にも指摘されています。
キリンホールディングスは、2019年2月にこの課題の解決に向けた取り組み方針「キリングループ プラスチックポリシー」を策定しました。この中で、PETボトルの資源循環を推進するために、日本国内のPETボトルにおけるリサイクル樹脂の割合を2027年までに50%に高めること、石油資源からの脱却に向けた非可食性植物由来のPET樹脂の導入の検討も進めていくことを宣言しました。
2020年2月に発表した「キリングループ環境ビジョン2050」の中では、2050年までに「容器包装を持続可能に循環している社会」の実現を目指すことを宣言し、リサイクル材やバイオマスなどを使用した持続可能な容器包装100%化に向けても取り組みを進めることとしています。

持続可能なPETボトルの使用

キリンビバレッジでは、再生PET素材をPETボトル原料として使用する「メカニカルリサイクル」を推進しています。この手法では、洗浄のあと真空に近い状態の高温下で処理を行うことで、樹脂の内部に留まっている不純物を揮発させながら除去するほか、リサイクル工程中に低下した分子量をボトル成形に適したレベルに回復させることができます。
2014年2月から「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」のパッケージの一部から開始し、2019年には再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」を「キリン 生茶デカフェ」すべてに、21年からは、全国のコンビニエンスストア限定で「キリン 生茶」と「キリン 生茶 ほうじ煎茶」(各600ml)にも展開しています。このボトルは、一般的な石油由来PET素材に比べて石油由来樹脂使用量を90%、CO2排出量を50~60%削減することができます。
「キリン 生茶デカフェ」R100ペットボトルは、「2019日本パッケージングコンテスト」で「ジャパンスター(日本包装技術協会会長賞)」を、「ワールドスターコンテスト 2020」のビバレッジ部門において「ワールドスター賞」を受賞しています。

  • 図:石油由来樹脂使用量 製造時のCO2排出量

プラスチックが循環し続ける社会を目指して

2020年12月に、キリンは三菱ケミカル株式会社とケミカルリサイクルによるPETボトルの再資源化に向けた技術検討と実用化を目指す共同プロジェクトを開始しました。
リサイクルのために回収される使用済みPETボトルの一部には異物などが混在しています。現在行っているメカニカルリサイクルではリサイクル樹脂から取り除くことの難しい混在成分があり、繰り返し再生することで樹脂の品質が低下すると言われています。ケミカルリサイクルでは、使用済みPETボトルを選別、粉砕、洗浄して汚れや異物を取り除いた上で、解重合(化学分解処理)を行い、PETの中間原料まで分解、精製したものを再びPETに重合(合成)するため、純度が高いPET原料に再生することができます。このため、使用済みPETボトル以外のPET製品もPETボトルとして再生が可能となります。今後、実用化を目指した技術開発を検討するとともに、PETボトル以外のPET製品を回収する仕組みも構築していきます。
2021年3月には、参加企業とともにグローバルな視点で世界を取り巻くプラスチック廃棄物問題の解決に取り組むために、世界的なプラスチック廃棄物問題解決に取り組む国際的非営利団体「Alliance to End Plastic Waste」に参加しました。
キリングループは、プラスチックが抱える本質的な課題を把握し、さまざまなステークホルダーとともに「プラスチックが循環し続ける社会」の実現を目指していきます。