トップメッセージ

トップメッセージ

  • キリンホールディングス株式会社
    代表取締役社長
    磯崎 功典

キリングループ環境ビジョン2050のもと、
社会全体にポジティブインパクトを

新しい令和の時代を迎え、日本での大規模な台風被害やオーストラリアでの森林火災、さらには新型コロナウイルスのアウトブレイクなど、世界を取り巻く情勢は一層不透明感を増しています。私は、このような不透明・不確実な時代だからこそ、ぶれたり迷ったりすることなく、しっかりとした「軸」を持ってグループ経営を進めることが大切だと考えています。その確かな「軸」となるのが、2013年から取り組んできたCSV経営です。今年度からは、財務目標だけでなく非財務目標としてCSVコミットメントの進捗・達成度を役員報酬の評価項目に加え、CSV経営を組織に一層浸透させていきます。
環境問題でいえば、パリ協定を起点に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」などの国際的なイニシアティブが数多く立ち上がり、また、プラスチックによる海洋汚染が世界的な問題として議論されるなど、グローバルに取り組みが進んでいます。さらに、企業の環境施策も、自社で完結できるものから、社外のステークホルダーとともに取り進めるものへと発展してきています。
こうしたなか、キリングループでは従来の環境ビジョンを見直し、社会と企業のレジリエンス強化へ向けた新たな長期戦略「キリングループ環境ビジョン2050」を策定しました。このビジョンのもと、自社拠点で生じるネガティブインパクトを抑制するだけでなく、社会全体にポジティブなインパクトを生み出すことで、これからの世代を担う若者をはじめとする社会とともに、こころ豊かな地球を次世代につなげていきたいと考えています。
キリングループは、発酵・バイオ技術やモノづくり・エンジニアリングの「強み」を活かし、環境、食と健康、地域などの社会課題の解決に取り組んでまいります。

担当役員メッセージ

  • キリンホールディングス株式会社
    常務執行役員
    (CSV戦略担当、
    グループ環境総括責任者)
    溝内 良輔

自社の枠組みを超え、環境課題を解決します

本年は新型コロナウイルスの感染拡大で、日本では緊急事態宣言、海外でもロックダウンと、経済活動は甚大な影響を被っています。一方その間、喫緊の課題といわれながら必ずしも世界が一体となって取り組めてきたとはいえなかった温室効果ガスの排出量が減少し、世界中の大都市に澄んだ青空が戻っているのを目にしますと、自然からの何らかのメッセージではないかと感じる人も多いのではないでしょうか。
IPCCの1.5℃特別報告書では、地球温暖化は既に相当進んでおり、対策が進まない場合のネガティブインパクトは甚大だと示されています。キリングループが実施したシナリオ分析でも、重要な原料である農産物と水資源に大きな影響があることが明らかになっています。
一方、シナリオ分析では、気候変動の緩和策や適応策を強化することで、ネガティブな影響を低減し、事業機会を獲得できる可能性も見えてきています。
本年新たに策定した「キリングループ環境ビジョン2050」は、このような状況の中で社会と企業のレジリエンスを強化する長期戦略です。その一番重要なメッセージは「ポジティブインパクト」です。ネガティブインパクトをなくすにとどまらず、自社の枠組みを超えて社会にポジティブなインパクトを生み出し、次の世代をも巻き込んで環境課題を解決していきます。
昨年は「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の環境大臣賞金賞など、キリングループの取り組みはたくさんの高い評価をいただくことができました。このような栄誉に恥じないよう、またそれに満足することなく、これからも自然環境の保全と事業の持続的成長を両立させるCSV経営でリーダーシップを発揮していきます。
オーストラリアでは、グループ会社のライオンは今年カーボンニュートラル認証を取得し、2025年までには電気を再生可能エネルギー100%にすることを目標に掲げています。グループ全体でも2050年までのバリューチェーン全体でのカーボン・ネットゼロを目指し、RE100やSBT1.5℃に早急に対応したいと考えています。本年6月にはグリーン・リカバリーへの賛同宣言にも署名しました。容器包装は、2050年までにリサイクル材とバイオマスで100%持続可能なものにしていきます。生物資源では、レインフォレスト・アライアンスの認証取得支援をベトナムの コーヒー農園にも拡大します。
キリングループがシンボルとして掲げる聖獣の“麒麟”は、虫を踏まず、草を折らない、自然を守る生きものです。私たちは、“麒麟”のように豊かな自然を次世代に残していけるように、これからも挑戦を続けてまいります。