キリングループ環境ビジョン2050

目指すは「ポジティブインパクト」

お客様をはじめ広くステークホルダーと協働し、自然と人にポジティブな影響を創出することで、こころ豊かな社会と地球を次世代につなげます

キリングループは従来の環境ビジョンを見直し、社会と企業のレジリエンス強化へ向けた新たな長期戦略として「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、2020年2月に発表以降、達成に向けて取り組みを進めています。キリングループでは、2013年から社会価値と企業価値を両立させて企業が本業ビジネスを通じて社会課題を解決していく「CSV」を経営戦略の中心に据えています。同時に、地球環境の課題解決に先駆けとなって取り組むために、2050年を見据えた長期戦略「キリングループ長期環境ビジョン」を策定し、その実現に向けて事業を展開してきました。しかし、パリ協定締結を起点にSBTiやTCFDなどの国際的なイニシアチブが数多く立ち上がり、プラスチックによる海洋汚染が世界的な問題として議論されるなど、環境に対する世界の動向は想定以上の速度で変化してきました。企業が行う環境に対する取り組みについても、自社で完結するものから、社会全体へポジティブな影響を与えられるものへと進化することが期待されてきています。
このような社会の要請にこたえるために、キリングループは新しい環境ビジョンの制定が必要であると判断しました。キリンが目指すのは、ネガティブインパクトを最小化しニュートラルにすることにとどまらず、自社の枠組みを超えて社会にポジティブなインパクトを与えることです。わたしたちはこの新しいビジョンのもと、バリューチェーンから社会全体に対象を拡大し、これからの世代を担う若者をはじめとする社会とともに、こころ豊かな地球を次世代につなげていきます。

実現するための取り組み

生物資源
持続可能な生物資源を利用している社会

持続可能な原料農産物の育種・展開および調達を行います

  • FSC、RSPO、レインフォレスト・アライアンスなどの認証スキームに合致した原料農産物を調達します
  • 地球温暖化に適応した原料農産物を育種し、原料生産地に展開します
  • 製品廃棄の削減や再資源化を推進し、生産活動によって発生するフードウェイストをゼロにします

農園に寄り添い原料生産地を持続可能にします

  • レインフォレスト・アライアンスなど持続可能な認証の取得支援を拡大し、生産地域における環境課題などを解決します
  • 持続可能な農業による豊かな生物多様性への貢献を調査・研究し、原料生産地に展開します

水資源
持続可能な水資源を利用している社会

原料として使用する水を持続可能な状態にします

  • グループ拠点における水使用量の削減を継続します
  • 日本国内の水源の森活動をさらに推進します

事業拠点の流域特性に応じた水の課題を解決します

  • サプライチェーンの強化・効率化により水災害時のリスクを最小化します
  • 原料生産地で水源地保全活動および水を大切にする教育を実施し、バリューチェーンにおける水の課題を解決します
容器包装
容器包装を持続可能に循環している社会

持続可能な容器包装を開発し普及します

  • リサイクル材やバイオマスなどを使用した、持続可能な容器包装にします
  • 新容器・サービスの開発を目指します

容器包装の持続可能な資源循環システムを構築します

  • 日本国内のリサイクルシステム構築を牽引します
  • 事業展開地域の資源回収やリサイクルインフラ整備に貢献します
気候変動
気候変動を克服している社会

バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量をネットゼロにします

  • 早期にRE100を達成するとともに、自社の使用エネルギーを100%再生可能エネルギー起源にします
  • バリューチェーン全体の炭素排出量をネットゼロにします

脱炭素社会構築に向けリードしていきます

  • お客様をはじめとしたステークホルダーと共に、脱炭素社会に寄与するビジネスモデルを構築します
  • 気候変動を緩和する研究を助成し、責任ある再生可能エネルギーを社会に広げます

重要な環境課題への対応戦略

キリングループは、「キリングループ環境ビジョン2050」の達成を目指し、強みである研究開発力とエンジニアリング力の活用を柱として独自の環境戦略を展開しています。戦略の策定や取り組みにおいては、バリューチェーンに関わるステークホルダーはもとより、社会の声を広く拝聴し、実行にあたってもNGOや地域の方々、次世代とともに、アウトカムを意識した活動を展開しています。

動画ライブラリー

キリングループの環境への取り組みを動画とスライドでご覧いただけます。

おいしいワイン造りに欠かせない自然環境 ~自然との共生~
シャトー・メルシャン 椀子ワイナリーの豊かな自然について紹介しています。
AUG 2020

日本ワインの挑戦 メルシャンの3つの共生 ~自然との共生・地域との共生・未来との共生~
メルシャンが取り組む、自然・地域・未来と共生するワインづくりの姿を紹介しています。
MAY 2020

キリンの環境への取り組み(スリランカ紅茶農園・インタビュー編)
支援先の紅茶農園のマネージャたちへのインタビューを紹介します。
APR, 2019

キリンの環境への取り組み(やさしいパッケージ篇)
パッケージから見たキリングループの環境の取り組みについて動画で紹介しています。
FEB, 2018

上田市椀子(マリコ)ヴィンヤード生態系調査
上田市で実施している「上田市椀子(マリコ)ヴィンヤード生態系調査」について動画で紹介しています。
DEC, 2016

遠野市ホップ畑生きもの調査
遠野市で実施している「遠野市ホップ畑生きもの調査」について動画で紹介しています。
NOV, 2016

キリンの強み

キリン中央研究所

キリン中央研究所は、ヘルスサイエンスを中心とした研究を行っています。多彩な強み技術を異分野技術と掛け合わせることでオープンイノベーションを推進し、あたらしい事業やサービスの芽を創り出しています。
「植物大量増殖技術」が代表的な研究成果である「原料栽培・生産」技術、熟成ホップに体脂肪低減効果があることやカマンベールチーズから記憶機能改善効果がある成分を発見した「健康機能性物質探索・評価」技術、大腸菌やカビなどの微生物を利用して医薬品原料や生理活性物質などを発酵生産する「機能性物質生産」技術、結晶スポンジ法と呼ばれる構造解析や、機器分析、情報解析の組み合わせによりサンプル中に含まれるターゲットの成分を特定したり、その詳細な構造を決定したりする「高度成分分析」技術などに強みを持っています。
免疫機能で昨年初めて機能性表示食品として消費者庁に届出受理されたプラズマ乳酸菌も、キリン中央研究所の成果です。

パッケージイノベーション研究所

パッケージイノベーション研究所は、キリングループの酒類・飲料事業のパッケージングライン・包装容器関連の技術の開発・評価を行っています。世界の酒類飲料メーカーとしては例を見ない規模で、自社で包装容器の開発などを行っている研究所です。
びん・缶・PETボトル・段ボールなどの紙包装など、長年蓄積してきた技術をベースに、AI技術や感性工学などを取り入れることで、製品化に必要な技術支援を行うほか、新しい容器包装によって、お客様・社会が豊かになる技術シーズを創出しています。
研究所内には、ビールをガラスびんやアルミ缶に充填する機械や、びんにラベルを貼り付ける機械があり、小さな工場に匹敵する設備が揃っています。
プラスチック問題の解決にも挑戦しています。PETボトルに代表されるプラスチック容器を、安定的にリサイクルできるようにする技術開発に取り組んでいます。通常、プラスチックはリサイクルを繰り返すと不純物が混じり品質が劣化するため、リサイクル回数には限度があります。キリンでは、PETボトルの化学分解、精製、再重合を行う高純度のリサイクル、「ケミカルリサイクル」の技術開発に取り組み、「プラスチックが循環し続ける社会」の実現を目指します。

キリングループのエンジニアリング

メーカーとして製造設備は必須基盤であり、確かな品質の商品を高効率に生産可能で環境や働く人に優しい製造設備を迅速に実現するエンジニアリング力は重要です。キリングループでは、各事業会社内にエンジニアリング組織を配置して製造プロセス・生産技術・保全技術を熟知したエンジニアが製造設備を確実に支えるとともに、グループ内にビール・飲料・医薬品等の工場建設を専門とする総合エンジニアリング会社であるキリンエンジニアリングを保有して、国内外グループ各社のみならずグループ外の企業に対してもの大規模な製造設備新増設・改造業務を展開しています。このエンジニアリング組織力は、キリングループの強みであり、食から医にわたるグループ各事業領域の環境対策を支えています。

ネットワーク力

キリングループは、レインフォレスト・アライアンスやWWFジャパン、FSCジャパン、アースウォッチ・ジャパンなどの国際NGO、持続可能な紙利用のためのコンソーシアムやレインフォレスト・アライアンスコンソーシアムなどの企業とNGOによるコンソーシアム、キリン・スクール・チャレンジや全国ユース環境ネットワーク、一般社団法人 地球温暖化防止全国ネットなどとの共同での次世代エンゲージメントなど、様々なネットワークを主体的に創設しながら社会課題の解決に向けて取り組みを進めています。
紅茶の主力生産地であるスリランカ、長野県上田市をはじめとしたメルシャンの自社管理畑周辺のある地域、日本産ホップの生産地である遠野市など、現地に足を運び、地域のマルチステークホルダ皆さんとのエンゲージメントしながら、課題の把握と解決方法の検討・実施を進めています。