トップメッセージ

キリングループは、1907年の創立以来、祖業のビール事業を通じて100年以上にわたって「発酵・バイオテクノロジー」を磨き続けてきました。現在では酒類・飲料、医薬、ヘルスサイエンスの事業を展開しています。
変化の激しい時代において、企業として存続し、持続的成長を実現していくため、社会が抱える課題をグループの強みで解決し、経済的価値を創出する「Creating Shared Value(CSV)」を経営の柱に据えています。長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」では、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」というビジョンを掲げ、企業価値の最大化を目指しています。
酒類・飲料事業では、創業当時から受け継いできた「お客様本位」「品質本位」の考えのもと、商品のブランド力を高め、人と社会につながるよろこびを届けています。ビール事業で培った発酵・バイオテクノロジーを基盤に参入した医薬事業では、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、病気と向き合う人々に笑顔をもたらす“Life-changing(ライフチェンジング)”な価値創出にむけ取り組んでいます。ヘルスサイエンス事業では、発酵・バイオテクノロジーを軸としたキリンの技術力と、当社グループに加わったファンケル、豪州ブラックモアズの強みをかけ合わせてより多くのお客様に健康と笑顔をお届けし、アジア・パシフィック最大級のヘルスサイエンス・カンパニーとなることを目指します。
キリングループは、これらの事業を通じてお客様のさまざまなライフステージに寄り添い、「キリンがいてくれてよかった」と思っていただける、世界で一番信頼される企業になりたいと考えています。そのためには、社会にとって意義のある新たな価値を創造する人財・組織変革が必要であることから、特に4つの組織能力に磨きをかけていきます。
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1つ目は人財です。特に成長加速ステージであるヘルスサイエンス事業への人財投資を強化し、グローバルで勝てる組織へと進化させます。人事制度は、従業員のチャレンジやアクションファーストを推進する制度に変えていきます。一人一人が専門性を磨き、グローバルで戦える「強い個」と、多様性あふれる「強いチーム」を生み出すための投資を積極的に行います。
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2つ目は研究開発です。私たちには、高い技術力に基づくイノベーションを、過去から連綿と起こし続けてきた自負があります。しかし、それに甘んじることなく革新的技術を生む発想力や、実際のビジネスにつなげる力をさらに磨いていきます。
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3つ目は、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。これまで以上にデジタルを活用し、価値創造や生産性向上の成果創出を促進するため、「KIRIN Digital Vision 2035」を新たに策定しました。お客様や社会への貢献度をさらに高めるべく、経営トップとしてDXを牽引していきます。
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4つ目はマーケティングです。酒類・飲料事業を中心としたブランドビジネスにおけるナレッジやノウハウを、生活者起点にこだわって高次元に発展させると同時に、それらの強みをヘルスサイエンス事業にも展開していきます。生活者のニーズを深く捉えることで、お客様の期待を上回るイノベーションを次々に起こすグループに進化していきます。
キリングループは今後も経営と現場が一体となって、実行力に磨きをかけていきます。
社外のステークホルダーの皆様との対話を続けながら、共感や応援をいただけるような経営を進めてまいります。より一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長COO
最高執行責任者