人財力(人的資本)

人財戦略 ー 人的資本の最大化 ー

P&Cストーリー
キリングループらしい価値創造のためのモデルストーリー

キリングループでは、従業員の無限の可能性を信じる「人間性の尊重」という考え方を人事の基本理念としています。この理念のもと、人財を価値創造、競争優位の源泉と位置付け継続的な投資を通じて、人財が育ち人財で勝つ会社を目指しています。

人財戦略における課題や重点取り組みは、国・地域や事業によって異なりますが、人的資本を価値創造につなげていく方向性は共通しています。「Innovate2035!」で掲げる世界のCSV先進企業の実現に向けたキリングループらしい人財戦略のモデルストーリーとしてP&Cストーリーを策定しています。

P&Cストーリーでは、グループ共通の価値観・行動指針である「KIRIN WAY」を全ての企業活動・価値創造の基盤とし、「Health & Engagement(安全な環境と心身の健康、活力あふれる前向きなマインド)」「Growth(主体的に専門性を高めるとともに、多様な経験を通じて能力・価値観を進化させる自律した個)」「DE&I(自律した個が集い、違いを力に変えて共創するインクルーシブな組織文化)」の三つを重要な要素として位置付けています。グループP&C部門が協働してこれら三つの要素を相互に強化・連鎖させることで、従業員が「キリングループで働くよろこび」を感じ、継続的なイノベーション創出につながる「Well-being for Innovation」を実現していきます。

人財戦略の全体像

① グループ全体での「KIRIN WAY」の定着

「Innovate2035!」の実現に向け、これまで大切にしてきた価値観と、イノベーションを次々と生み出すための行動の在り方を整理し、グループ従業員が大切にする「KIRIN WAY」を定めました。グローバルを含むグループ全事業会社・全従業員を対象とし、経営メッセージや人財施策と連動させすべての活動の基盤に位置づけることで、日々の意思決定や行動の中で「KIRIN WAY」が体現される状態を目指します。

② 従業員自身の心身の健康と活力の向上

安全な環境のもと、心身ともに健康で活き活きと、キリングループで働く意義を実感しながら前向きなマインドを持つことは、従業員が力を発揮し続けるために基盤となる要素です。

キリングループでは、2026年に「キリングループ健康宣言」を「キリングループ ウェルビーイング宣言(Kirin Group’s Well-being Statement)」として刷新し、心身の健康に加え社会的側面も含めてイノベーションの源泉となる従業員のWell-beingの向上を目指す姿勢を明確にしました。個々人の健康増進にとどまらず、組織全体のWell-beingを高める取り組みへと進化させるとともに、従業員の主体的な行動変容も促進していきます。さらに、CPOを議長とする「キリングループウェルビーイング会議」も発足し、世界の人々の健康・楽しさ・快適さに貢献するキリングループらしい取り組みをグループ一体となって推進していきます。

③ 人財マネジメントと変革の取組みによる自律した個の強化

キリンホールディングスでは2025年より一定の専門能力として強化すべきと判断した営業、マーケティング、R&D、SCM、デジタルICT等の12の機能で人財をマネジメントする機能軸タレントマネジメントを開始しました。高い専門性を発揮できる人財の獲得・育成・配置を通じて事業競争力を強化することを目指しています。2026年からは、キャリアチャレンジ制度の導入により、機能を越えた多様な経験の機会を拡大し、人財のさらなる高度化を図ります。その他の事業会社でも、事業や地域の状況に即した人財マネジメントにより事業の強化につなげていきます。中長期的には「深い専門性と多様な経験」を軸に、タレント起点とポジション起点の双方の考え方をハイブリッドに取り入れたグループを包括する仕組みを構築します。これによりグローバルに展開するユニークな事業ポートフォリオを強みとしたキリングループならではの人財マネジメントを実現します。

また、イノベーション創出に必要なマインドセットや行動変容を促すため、個人・チーム・仕組みを一体的に変革する取り組みを主に国内で進めています。「KIRIN WAY」に沿った個々の行動変容を促進するとともに、組織内のメンバーに加えAIや外部との連携を含めた共創を可能にするチームマネジメントへの進化、日々の挑戦を後押しする評価制度の見直しなどを通じて、自律した個が力を発揮し続けることを支援していきます。

④共創する組織文化の醸成による価値創造力の向上

「Innovate2035!」で目指す、社会に新たな生活習慣を生み出すようなイノベーションを創出するためには、自律した個の力が集い多様な視点でお客様理解を深めるとともに、一人ひとりの強みを活かして組織として価値を共創することが必要です。人間性を尊重する誠実な風土は、キリングループの高いエンゲージメントを支える強みである一方で、その風土の中で一人ひとりの挑戦に確実につなげていく点にはなお向上の余地があります。こうした課題を踏まえ、違いを力に変え挑戦が生まれ続ける組織への転換を図っていきます。働く上での障壁を取り除き誰もが活躍できる環境を整備するとともに、心理的安全性の高い組織づくりを推進していきます。各社の表彰制度も整備しており、代表的な取り組みとしてグループ全従業員を対象としたKIRIN Group Awardでは「KIRIN WAY」に沿った行動や成果を称賛することで、好事例の横展開を図っています。また、部門や国境を超えて従業員が交わり、共創を促進する場づくりも推進していきます。

⑤グループ経営人財の多様化によるガバナンスの強化

キリンホールディングスでは、ガバナンスの強化と意思決定の高度化に向け、多様な経験や高い専門性を持つ社内外役員でグループ経営体制を構築してきました。また、AI役員の活用など新たな取組みも進めています。

「Innovate2035!」の実現に向け、グローバルに展開する事業ポートフォリオのもとでガバナンスの重要性や意思決定の複雑性が増す中、グループ経営人財の強化がますます求められます。2026年には外国籍の常務執行役員を初めて登用し、異なる市場環境や文化への理解を経営に反映し、ガバナンスと事業推進の両面を強化していきます。

併せてグループ全体を対象としたサクセッションプランの運用を可能とする仕組みの構築に取り組んでおり、将来のグループ経営を担う人財の継続的な輩出につなげていきます。

重点非財務指標

グループ全体で達成を目指すKPIとして以下を重点非財務指標と設定しています。

LTIRは、安全な職場環境の状況を示す指標として位置づけています。拠点間のチェック体制の強化や好事例の展開等を通じて、より良い職場環境を実現します。女性経営職比率は、経営人財の多様化の第一歩としての指標です。絶対評価かつ加点主義に加え生産性も重視した評価制度、ワークライフバランスの向上や両立支援により、多様な人財が力を発揮できる公正な環境を整備し、メンタリング等で女性特有の課題にも対応していきます。

持続可能なエンゲージメントは、「Well-being for Innovation」の状況を測る最終成果指標として、P&Cの取り組みの総和により向上させていきます。