キリンビール

キリンビールは1907年の創業以来、「お客様本位」、「品質本位」の基本姿勢に基づき、いつの時代もお客様に新しい価値を提供するさまざまなチャレンジを行ってきました。「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」など、お客様にご支持いただける価値・商品を創造し続けるとともに、クラフトビールのような新たな価値をお客様へ提案することで「ビールカテゴリーの魅力化」を推進します。このような活動を通し、お客様に寄り添いながら身近な存在として豊かで幸せな未来を創造します。

2023年6月5日

  • 2023年も引き続き「強固なブランド体系の構築」と 「新たな成長エンジンの育成」を軸に企業価値を最大化する

  • 2023年も引き続き「強固なブランド体系の構築」と 「新たな成長エンジンの育成」を軸に企業価値を最大化する

  • 図:2027年までに事業利益率25.0%を達成する(2021年:18.3 %)

3つの幹に基づく戦略を実行し、中長期的な成長を目指します。

1つ目は、既存事業におけるブランド育成です。酒税改正を見据え、投資の選択と集中を行い、強固なブランド体系を構築していきます。

2つ目は、今後の利益成長を加速させる新たな成長エンジンの取り組みの強化です。成長ポテンシャルがあるクラフトビール市場において、あらゆるチャネル接点を活用したクラフトビールの商品やサービスの展開を行っていきます。

3つ目は、収益構造改革です。コロナ禍や酒税改正などさまざまな外部環境の変化に適した組織体制や生産・物流体制を構築し、生産性の向上を目指します。

2022年振り返り

  • 2022年はウィズコロナの⽣活が定着し、ビール市場は飲⾷店での消費回復もあり⼤きく伸⻑しました。その中で当社は「強固なブランド体系の構築」と「新たな成⻑エンジンの育成」の2つの戦略を軸に、企業価値の最⼤化を⽬指しました。
  • ビールカテゴリーでは「一番搾り」、「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」ブランドがけん引し、前年⽐約104%と2年連続の対前年プラスで着地しました。

2023年取り組み

  • 10⽉の酒税改正で⾼まると予測されるビール需要に応え、強固なブランド構築のために「一番搾り」を2年ぶりにリニューアルします。さらにクラフトビール事業ではお客様接点を統合した包括的なアプローチを実施し、新たな成⻑エンジンとして育成します。
  • 「一番搾り」ブランドとクラフトビールの2領域へ投資を集中し、さらなる成⻑を⽬指します。
  • クラフトビールは4つのポイント(①認知‧理解 ②体験 ③接点 ④品質)を統合した包括的なアプローチを実施することで、クラフトビールならではの体験を創出します。その取り組みをけん引するブランドとして、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」をリニューアルし、育成に注⼒していきます。
  • ノンアルコールカテゴリーでは、ビールが飲めないときの代替ではなく、飲み物として好きだから⽇常的にも飲むものとしてシーンを波及させていきます。そのために「キリン グリーンズフリー」の販売強化や機能性表⽰⾷品である「キリン カラダフリー」などニーズに応じたブランドポートフォリオでお客様の求める価値を提供していきます。
  • RTDカテゴリーは基幹ブランドである「キリン 氷結®」を軸にしながら、「麒麟特製」や「キリン 本搾りTMチューハイ」を通じて多様なニーズに応えていくことで、強固なブランド体系を構築します。
  • コロナ禍の影響による家飲み需要の⾼まりもあり、お客様はRTDにも付加価値を求めたり、⾷中酒としてすっきり爽快な味を求める傾向があります。昨年から拡⼤を続ける「氷結®無糖」にも引き続き注⼒し、拡⼤するニーズへ応えていきます。

クラフトビールカテゴリー創造への取り組み

  • 図:お客様接点を統合した包括的なアプローチを実施し、クラフトビールならではの体験を創出する

  • 図:お客様接点を統合した包括的なアプローチを実施し、クラフトビールならではの体験を創出する

  • キリンビール 事業創造部 主査 牧原 達郎 キリンビール 事業創造部 主査 久保 育子

  • キリンビール 事業創造部 主査 牧原 達郎 キリンビール 事業創造部 主査 久保 育子

クラフトビールカテゴリーの拡⼤に向けて、お客様に多様なクラフトビールの世界を知っていただくために、2022年も国内のクラフトブルワリーと連携した取り組みを展開しました。まず、会員制⽣ビールサービスの「ホームタップ」ではクラフトビールならではの選べる楽しさをお客様に訴求するため、ラインアップの拡充を図りました。ヤッホーブルーイング社の「よなよなエール」、「インドの⻘⿁」、Far Yeast Brewing社の「東京ホワイト」など提携するクラフトブルワリー商品を販売し、⼤変好評いただきました。また、全国のクラフトブルワリーの品質向上に向けて、キリンビールとしての品質⽀援の取り組みも開始しました。キリングループが培ってきた醸造に関するノウハウを⽣かし、品質分析や品質向上に向けた技術や知⾒を伝える仕組みを構築し、業界全体のさらなる品質向上を図ることで、この先もビールが社会にとって魅力的で価値のある存在であることに貢献することを⽬指しました。

さらに2022年は、「SPRING VALLEY シルクエール<⽩>」発売に伴い「ビールの新たな楽しみ⽅」の提案を⽬指し、スプリングバレーブルワリー東京を拠点に「おいしさ感動体験会」を開催したところ、2⽇間で713⼈のお客様に参加いただき、6割以上がSNSに感想を投稿するなど、クラフトビールの体験に関して⼤きな反響をいただきました。私たちは、「SPRING VALLEY」ブランドを中⼼としたクラフトビールへの取り組みを強化し、ビールにまだ魅⼒を感じていないお客様にも「ビールって、こんなにおいしいものなんだ」という感動体験を創出していきます。

ブランドとしては好調に推移する一方で、カテゴリーとしてクラフトビールの認知率に関してはまだまだポテンシャルがあると考えています。2023年は4つのポイントを中心に、お客様接点を統合した包括的なアプローチを実施し、クラフトビールならではの体験を強化していきます。クラフトビールの魅⼒をお伝えするため、「SPRING VALLEY」ブランド初の限定品「SPRING VALLEY サマークラフトエール<⾹>」を契機とした価値提案に⼒を⼊れます。さらに、クラフトビールカテゴリーの魅⼒を伝える新TVCMの放映やクラフトブルワリーとの協働イベント「クラフトビールフェスティバル」の実施、全国の「タップ・マルシェ」を取り扱いいただいている飲食店と展開する「コラボショップ」などあらゆるお客様接点を生かし、この先もずっと愛される“ビールの未来”に向けて、クラフトビールカテゴリー創造に本気で取り組んでいきます。