多様な人財と挑戦する風土

イノベーションを創発し、
持続的成長を支える人財戦略

経営を取り巻く環境が変化し、人的資本経営がクローズアップされている今、キリングループの人財戦略も新しいステージに転換することが必要です。人財を資本と捉え、人財戦略をより深く経営に紐づけ、イノベーション創発や企業価値の持続的成長につなげていきます。

  • 常務執行役員 人事総務戦略担当 坪井 純子

    キリンホールディングス株式会社 常務執行役員
    人事総務戦略担当
    坪井 純子

    2005年キリンビバレッジ広報部長、2010年横浜赤レンガ代表取締役社長、2014年執行役員CSV本部ブランド戦略部長、常務執行役員兼ブランド戦略部長などを経て、2022年春より現職。(株式会社ファンケル社外取締役兼任)

人的資本経営の時代を迎えた人財戦略の新しいステージ

グローバル社会全体が大きな転換点を迎え、経営を取り巻く環境はこれまでにないレベルで変化しています。また新型コロナウイルス感染症拡大がもたらした生活環境の変化、さらには個人の価値観の多様化もあいまって、働き方をはじめ労働市場の環境も劇的に変化しています。
昨今、「人的資本経営」がクローズアップされています。人財は企業の最大の資産であり、競争力の源泉です。
キリングループは長期経営構想キリングループ・ビジョン2027(KV2027)を掲げ、「世界のCSV先進企業」を目指しています。この実現のためには、人財戦略も新しいステージに転換することが必要です。そこで改めて人財を資本と捉え、人財戦略をより深く経営に紐づけ、価値創造や企業の持続的成長につなげていきたいと考えています。
人財面では大胆なマネジメント改革と戦略的かつ持続的な人財投資、組織面では人財の力を最大限に引き出す組織開発を推進します。またこれらの基盤として、当社グループの人事の基本理念である「人間性の尊重」を起点に、ビジネスパートナーとの協働を含む社会全体での人権の尊重、ヘルスサイエンス事業を行う企業の責任でもある健康経営にも取り組みます。これらのあらゆる戦略の推進力となるのが多様性推進です。女性活躍はもちろん、属性に加え価値観の多様性を重視し、イノベーションを加速していきます。
そのためにも、目標設定・モニタリングを通じた進捗状況などの適切な情報開示によりグループ経営全体でガバナンス体制を強化し、ステークホルダーとの対話を通じて戦略を進化させていきます。

キリングループ人財戦略の現状と課題

当社グループはKV2027の実現のため、コアコンピタンスである「確かな価値を生む技術力」「お客様主語のマーケティング力」「価値創造を加速するICT」「多様な人財と挑戦する風土」の4つの組織能力について人財と組織の両面から取り組み、イノベーション創発の可能性を高めていきます。特にヘルスサイエンス事業の成長に向けたグループ横断の組織能力強化は喫緊の課題です。これまでの食領域中心から、食からヘルスサイエンス・医領域およびそのバリューチェーンを跨ぐ観点で、人財のケイパビリティの可視化や専門性を保有する外部人財の獲得、人財アロケーションを通じて戦略を実現する人財強化を加速させていきます。

また、お客様の生活環境の変化や価値観の多様化に対応し、イノベーションを通じて社会的価値と経済的価値を創出し続けるためには、コアコンピタンスである「多様な人財と挑戦する風土」の強化が不可欠です。多様な経験や価値観をもった一人一人の可能性を最大限に引き出し、挑戦できる組織風土を醸成することで、事業領域を超えたイノベーションを生み出し、CSV経営の実現につなげていきます。

人財と組織に関する各課題と具体的な取り組み(太字は非財務KPIとして設定)

  • キリンホールディングス株式会社を集計対象とする

キリングループならではの人財戦略の考え方

当社グループでは、経営戦略が人財戦略の方向性を規定すると同時に、人財のケイパビリティが経営戦略を策定する上での重要な要素となり、経営戦略の可能性を広げると考えています。

事業を取り巻く環境も厳しさを増す中、競争力の源泉である人財に対し、食領域からヘルスサイエンス領域・医領域にわたるユニークな事業ポートフォリオを通じて多様な事業経験を積むとともに、マーケティング、R&D、ICTといった専門性を高め、多様性と専門性を備えた人財を育成していきます。また、外部人財や障害者の採用、女性の活躍推進など、多様性を受容する組織風土の醸成と成長意欲のある人財の成長を支援する環境を整備することで、一人一人のチャレンジする意欲を高め、イノベーションにつながる機会を増やしていきます。

このように、多様な人財の掛け合わせによるイノベーションの創発や、ユニークな事業ポートフォリオにおける人財の育成は、「キリングループらしい」人財戦略と言えます。

また、人財戦略の基盤にあるのが、会社と従業員との関係を「仕事を介したイコールパートナー」と位置付けた「人事の基本理念」です。無限の可能性をもち、自ら成長・発展し続けようとする従業員一人一人の努力と個性を尊重することを普遍的な考え方としています。従業員にはキャリア形成や仕事のやりがいにおいて「自律した個」であることを求め、会社は「自律した個の尊重・支援」を約束しています。

キリングループの人権への取り組み

サプライチェーンに関する人権問題やコロナ禍での社会的弱者の人権など、国内外での人権課題が注目され、企業に対する社会からの要請も高まっています。このような状況の中、「世界のCSV先進企業」を目指す当社グループは、国内外の事業活動に関するさまざまな人権課題について、社内外ステークホルダーからの信頼を高め、安心いただけるよう、その取り組みを先進的なレベルにまで引き上げていきます。

「キリングループ人権方針」では、バリューチェーンの各プロセスにおける人権尊重の実践、あらゆる差別の禁止、ハラスメントの禁止、安全な労働環境の提供、最低賃金の確保、適正な労働時間管理を含む責任ある労働慣行、結社の自由と団体交渉権の尊重、そして人権デューデリジェンスの実施を掲げています。それぞれの国・事業での活動全般にわたって関係するさまざまな人権課題について理解を深め、ビジネスパートナーとも協働して取り組んでいきます。

参考:外部評価

  • LGBTQに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体「work with Pride」が2016年に策定した、企業などの団体におけるLGBTQへの取り組みに関する評価指標

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