お客様主語のマーケティング力

2023年6月5日

キリングループは、イノベーションを実現するマーケティング組織能力を高めるべく、事業会社を基点に「お客様主語のマーケティング」を推進しています。

キリングループにおけるマーケティング機能

キリングループ全体でのお客様主語のマーケティング能力強化はまだ道半ばであり、さらなる向上に向けた機会を以下の通り設定し、取り組みを進めています。

  • CSV経営の根幹となる「お客様理解力」について、グループ全体でさらに高いレベルへ引き上げ
  • 新事業領域におけるマーケティング・ケイパビリティの創造
  • 将来を見据えた、グループ視点の人財育成と活用
  • 事業会社個別の課題解決支援と、事業会社を超えた連携の創出

これらの機会を着実に獲得し、グループの成長につなげていくためにマーケティング・セントラルチームを編成し、グループ本社としての機能を強化してきました。グループのマーケティングの横串機能を担い、お客様主語のマーケティング力を高めるとともに、環境変化に応じた迅速な判断と実行力で、変革を推進しています。

  • 図:お客様主語のマーケティングのさらなる進化による企業価値向上

  • 図:お客様主語のマーケティングのさらなる進化による企業価値向上

グループ横断の人財育成のさらなる強化と活用

新領域であるヘルスサイエンス事業においては、人財育成も重要な課題です。健康に対するお客様理解を深める専門プログラムやコンピテンシー開発に加え、積極的な外部専門人財登用により、強いマーケティング組織づくりに急ピッチで取り組んでいます。また、グループ会社でヘルスサイエンス事業に取り組む協和発酵バイオやファンケルなどとの人的交流や人財活用を進めるなど、健康分野の知見を事業パフォーマンス向上につなげています。今後も、将来を見据えた人財育成と戦略的な人財活用による成長加速を図ります。

ヘルスサイエンス事業に取り組む意義や思いを伝えるコミュニケーション

さまざまな環境変化に伴い価値観も変わる中で、ものやサービスの価値を超えた、企業の志や姿勢に共感していただくことが、ますます重要になっています。当社グループが人々の健康に貢献するヘルスサイエンス事業に取り組む意義を知っていただくためのコミュニケーションを、広告やWebサイト、SNSなどを通じて強化していきます。社会とお客様の毎日に寄り添うパートナーとして認識していただくことで、企業ブランド価値向上につなげていきます。

今後もマーケティングセントラル機能の強化を通じ、「事業会社の成長・連携の強化」「マーケティング・ケイパビリティ向上の加速」「グループ横断の人財育成のさらなる強化と活用」に向けた活動を進めていきます。

取り組み事例

ヘルスサイエンス領域におけるマーケティングの進化

2022年春に、キリンホールディングスにグループ全体のマーケティングを統括するセントラル機能を設置。CSV経営の根幹となる「お客様理解力」をグループ全体でさらに高いレベルに引き上げるなど、マーケティング組織能力を進化させ続けています。

  • キリンホールディングス マーケティング戦略部 山本啓太

  • キリンホールディングス マーケティング戦略部 山本啓太

お客様にとって一貫性のあるマーケティング活動

グループを挙げて注力するヘルスサイエンス領域では、セントラルチームが直接支援することで横串機能を発揮し、マーケティングの一貫性をつくり上げています。グループの取り組みが一つとなり、お客様基点の価値創造に向け取り組んでいます。

これにより、これまで事業会社ごとにばらばらになりがちだった活動を、お客様基点で設定した共通のマーケティング課題に取り組むことが可能になっています。

  • 図:グループが一つになりお客様基点で価値をつくる

  • 図:グループが一つになりお客様基点で価値をつくる

ビールや清涼飲料などの食領域の事業では、既に市場が存在していることもあり、いわゆるマスマーケティングが可能でしたが、ヘルスサイエンス事業では、例えば「免疫」市場はまだ顕在化しているとはいえません。だからこそニーズをつくり出すことが必要であり、そのためには各事業会社が別々に動くのではなく、グループが一体となって価値創造に取り組む必要があります。当社グループでは、全体を統合するホリスティックプランを策定・運用しています。2022年の秋冬シーズンには、カテゴリーや事業会社を超え、お客様接点を包括的にデザインしたマーケティングプランを初めて策定し運用しました。

具体的には、キリンホールディングスのヘルスサイエンス事業部による「免疫ケア」啓発のためのコミュニケーションと、キリンビバレッジや小岩井乳業による商品コミュニケーションの時期・内容を連動させることで、広告やPRからスーパーマーケットやドラッグストアの店頭まで一貫したマーケティング活動を実施しました。また、免疫市場の最盛期である冬の感染流行期以外にも機会があると考えており、グループ一体で春季・夏季など時節を捉えたニーズ創造に取り組んでいます。

また、免疫ケア市場を創造し発展させていくためには、中長期視点の戦略が不可欠です。単年ではなく複数年先を見据えた商品開発パイプライン拡充により、さらなる商品ポートフォリオ充実に取り組んでいます。

  • ホリスティックプラン

マーケティング・ケイパビリティ向上の加速

新たな事業領域で必要な専門性獲得を支援し、新規事業の成功に必要な組織能力を迅速に高めるため、セントラルチームが事業に深く入り込み、実践的なコンサルテーションを行うことで成長速度を上げています。

キリンビバレッジが展開する「おいしい免疫ケア」は主にチルド売場で展開する商品として開発しましたが、同社にはチルドカテゴリーに対する知見は十分ではありませんでした。そこでセントラルチームによるプログラムを通じ、チルドカテゴリーや売場の情報を営業戦略や店頭展開、商談の質向上に生かすことで、必要な知見や組織能力の獲得に取り組み、事業会社でもつべきマーケティング・ケイパビリティの開発を進めました。

関連情報