お酒と感動

心の動きに寄り添うお酒

慶事や歓送迎会といった、多くの人が集う人生の節目はもちろん、日常でも人と人がふれあう場で飲まれることが多いお酒は、そこで生まれる数々の感動にも立ち会ってきました。

上司が励ましながら差し出してくれた一本、挙式前夜の娘がお酌してくれた一杯、仲間全員で門出を祝ってくれたときの乾杯。お酒はあくまで脇役ですが、お酒を介するからこそ、より伝わる気持ちもあるでしょう。

人々は、うれしいときも、悲しいときも、お酒を手に取ってきました。数ある食べ物、飲み物の中でも、お酒が映画や小説で印象的に描かれることが多いのは、感動はもちろん、喜びや苦しみ、楽しさ、悔しさなど、人々のあらゆる心の動きにお酒が寄り添ってきたからではないでしょうか。

お酒が印象的な映画

ビール編

『ALWAYS 三丁目の夕日』
昭和三十年代の東京の下町を舞台にしたヒューマンドラマ。度々登場するビールが当時の暮らしぶりや登場人物の気持ちを際立たせる

ワイン編

『サイドウェイ』
ワイン好きにはおなじみの、カリフォルニアのワイナリーをめぐるロードムービー。喜怒哀楽さまざまな感情にワインが寄り添う

ウイスキー編

『ハスラー』
プロビリヤードの勝負の世界を描いたポール・ニューマン主演映画。ウイスキーを介した大人の男女の駆け引きが秀逸

シャンパン編

『現金に手を出すな』
ジャン・ギャバン主演の名作フィルムノアール。バゲットしかないが、シャンパンは上等という食事シーンに、年老いたギャングの生き様が垣間見える