国連大学キリンフェローシップ卒業生

ディンさん(Ding Chang-He)中国出身

研究テーマ バイオエタノール製造に用いる酵母の特性解明

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稲わらやとうもろこしの芯を原料にしたバイオエタノールの研究をしています。新たな領域なので難しいことも少なくありませんが、環境にやさしく、サステナブルなエネルギーとして期待されているだけにやりがいを感じています。研究漬けの毎日ですが、研究室のサポートにも恵まれ、順調に成果を得つつあるため大変充実しています。

ラーマラクシュミさん(Ramalakshmi Kulathooran)インド出身

研究テーマ 低品質コーヒー豆の有効成分抽出のための調査・研究

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インドでもコーヒー豆が生産されていますが、品質が一定の水準に満たない豆がたくさん廃棄されています。これらの豆から、抗酸化作用等の有効成分だけ取り出すための調査・研究を行っています。将来的にはコーヒーに限らずほかの農産物にも、この研究で得られた結果を応用したいです。栽培された農作物をすべて無駄なく利用できるようにすることが私の夢です。

ニーパットさん(Nipat Limsangouan)タイ出身

研究テーマ エクストルージョン工程による高機能性穀物製品の開発

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タイではハーブを多用しますが、ハーブには抗酸化作用など様々な働きがあることがわかってきています。これらのハーブをベビーフードやシリアル等の穀物加工食品に添加することで、機能性と付加価値に富んだ製品開発につなげるための研究を行っています。日本では、タイのハーブの代わりにシソやエゴマ、人参の葉を利用します。初めての経験ばかりですが楽しんでいます。

チメッドレグゼンさん(Chimedregzen Narangerel)モンゴル出身

研究テーマ 乳製品の製造工程の高度化に関する研究

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モンゴルの伝統的な乳製品である“Eezgii”(エツゲ)を工業生産するための研究をしています。
Eezgiiはモンゴルでは子どもから大人まで親しまれている食品ですが、牛乳を鍋で煮て天日乾燥する方法で作られているため、品質が安定せず、衛生的にも問題がある場合があります。ここは設備が素晴らしく充実していますので、努力して良い成果を得て帰国したいです。

ジュエさん(Pham Ngoc Due)ベトナム出身

研究テーマ 米を原料にした高品質健康食品の製造に関する研究

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ベトナムはタイに次ぐ世界第二位の米輸出国ですが、ベトナム米は食味や品質面で競争力に劣ります。生産量と品質の向上を試みると同時に、高付加価値の加工製品の開発が求められています。来日以来、発芽玄米に含まれる注目の健康成分、GABAについて研究を重ねています。素晴らしい環境で、新たな挑戦のためのスタートを切ることができました。

5人の研究員に、日本での暮らしについて聞いてみました

Q
研究以外で、日本に来てからの思い出を教えてください。
A

普段はみんな研究に明け暮れていますが、来日してすぐ、東京ディズニーシーに連れて行ってもらいました。とても楽しい一日でした。日本にいる間に、京都へのショートトリップもあります。みんなで心待ちにしています!

Q
研究員同士の交流はありますか。
A

はい。全員国籍が違うので、いろんな文化を知ることができます。母国にいると、なかなかこのような機会はないので、貴重な体験を楽しんでいます。時々一緒にご飯を食べに行ったり、みんなでビーチに行ったこともあります!もちろん、研究者としても、それぞれに刺激を受け合っています。

Q
日本に来て不便なことはありますか。
A

特別困ったことはありませんが、研究に使う機器類の操作パネルのほとんどが日本語で、覚えるのに時間がかかりました。

Q
国連大学キリンフェローシップについての感想を聞かせてください。
A

ここでの研究は、途上国の発展に大きく貢献する可能性があります。素晴らしいプログラムなので、成果を母国でを役立てることはもちろんですが、ほかの研究者にも是非薦めたいです。欲を言えば、将来的にキリンと共同研究、開発ができたら嬉しいです。

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