キリングループ環境ビジョン2050

ポジティブインパクトで、豊かな地球を

気候危機、生物多様性の喪失の進行、プラスチックによる海洋汚染など地球規模の環境問題の深刻化を背景に、社会は大きな転換点を迎えています。キリングループのように水や農産物など自然の恵みに依存する産業は環境問題の影響を受けやすく、この課題の克服に向けていち早く着手する必要があります。キリングループが2017年から行っているTCFD提言に基づくシナリオ分析で、気候変動がもたらす農産物や水資源への影響の甚大さを把握しました。自然資本への影響を抑えて持続可能な地球を次世代にわたすには、ネガティブインパクトを最小化し、ニュートラル化するだけでは足りないことが判明しました。また企業の環境施策も、自社で完結するものから、社会全体へポジティブな影響を与えられるものへと進化することが期待されてきています。このような社会の要請に応えるために、複合的に発生し相互に関連する環境課題(生物資源・水資源・容器包装・気候変動)にholisticに取り組む「統合的」アプローチの考え方をさらに発展させたものが、2020年に取締役会で審議・決議し、刷新した「キリングループ環境ビジョン2050」と、新たに加えた「ポジティブインパクト」アプローチです。私たちはこの環境ビジョンの下、これからを担う若者と共に、こころ豊かな地球を次世代に繋げていきます。

キリングループ環境ビジョン2050。ポジティブインパクトで、豊かな地球をお客様をはじめ広くステークホルダーと協業し、自然と人にポジティブな影響を創出することで、こころ豊かな社会と地球を次世代につなげます。一緒につくりたい2050年の社会。容器包装 容器包装を持続可能に循環している社会。気候変動 気候変動を克服している社会。生物資源 持続可能な生物資源を利用している社会。水資源 持続可能な水資源を利用している社会。重要メッセージ。ポジティブインパクト。自社で完結する取り組みの枠を超え、取り組みそのものとその波及範囲を社会全体へ拡大し、これからの世代を担う若者をはじめとする社会とともに未来を築いていく。アプローチ。統合的(holistic)。環境のマテリアリティーである生物資源、水資源、容器包装、気候変動は相互に関連し個別対応ではトレードオフが発生するため統合的に解決する。実現するための取り組み。生物資源。持続可能な生物資源を利用している社会。持続可能な原料農産物の育種・展開および調達を行います。FSC、RSPO、レインフォレスト・アライアンスなどの認証スキームに合致した原料農産物を調達します。地球温暖化に適応した原料農産物を育種し、原料生産地に展開します。製品廃棄の削減や再資源化を推進し、生産活動によって発生するフードウェイストをゼロにします。農園に寄り添い原料生産地を持続可能にします。レインフォレスト・アライアンスなど持続可能な認証の取得支援を拡大し、生産地域における環境課題などを解決します。持続可能な農業による豊かな生物多様性への貢献を調査・研究し、原料生産地に展開します。水資源。持続可能な水資源を利用している社会。原料として使用する水を持続可能な状態にします。グループ拠点における水使用量の削減を継続します。日本国内の水源の森活動をさらに推進します。事業拠点の流域特性に応じた水の課題を解決します。サプライチェーンの強化・効率化により水災害時のリスクを最小化します。原料生産地で水源地保全活動および水を大切にする教育を実施し、バリューチェーンにおける水の課題を解決します。容器包装。容器包装を持続可能に循環している社会。持続可能な容器包装を開発し普及します。リサイクル材やバイオマスなどを使用した、持続可能な容器包装にします。新容器・サービスの開発を目指します。容器包装の持続可能な資源循環システムを構築します。日本国内のリサイクルシステム構築を牽引します。事業展開地域の資源回収やリサイクルインフラ整備に貢献します。気候変動。気候変動を克服している社会。バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量をネットゼロにします。早期にRE100を達成するとともに、自社の使用エネルギーを100%再生可能エネルギー起源にします。バリューチェーン全体の炭素排出量をネットゼロにします。脱炭素社会構築に向けリードしていきます。お客様をはじめとしたステークホルダーと共に、脱炭素社会に寄与するビジネスモデルを構築します。気候変動を緩和する研究を助成し、責任ある再生可能エネルギーを社会に広げます。