環境課題への統合的アプローチ
重要な環境課題への対応戦略
相互に関連する環境課題へ統合的にアプローチ
キリングループの統合的(holistic)なアプローチの背景にあるのは、「生への畏敬」というキリンの醸造哲学です。麦芽もホップも水も、ビールの原料は全てが自然の恵みであり、麦汁に含まれる糖をアルコールと炭酸に分解し、ビールの香味を決める酵母も微生物。おいしいビールを製造するには、“生”と向き合い続け、生命科学を究める必要がある、という考え方です。「生への畏敬」は、1952年にノーベル平和賞を受賞されたシュバイツァー博士の思想であり、「われは、生きんとする生命にとりかこまれた、生きんとする生命である」という、人々の多様性や自然環境を尊重する教えです。自社(経済的価値)と同様に周囲(社会的価値)に貢献するという、CSV経営のバックボーンにもなっています。
生命科学で培われた科学を重んじる組織風土は、パッケージングなど生命科学以外の分野を超えた研究開発力やエンジニアリング技術にもつながっています。GHG排出量削減目標で、国際的イニシアチブであるScience Based Targetsの「科学的根拠に基づく目標」として認定を受けたのも、Science Based TargetsNetworkが主催するコーポレートエンゲージメントプログラムに参加して自然資本の科学的な目標設定に貢献しようとしているのも、科学を重んじる組織風土に由来しています。NGOや他企業とのコンソーシアムや地域の方々との協働、さらにはグローバルなイニシアチブへの参画も、統合的アプローチの一環です。
環境経営におけるキリンの強み
キリングループにおける価値創造モデルのINPUTの基盤は、酒類を祖業とする企業としては類をみない独自の「確かな価値を生む技術力」であり、統合的(holistic)な環境課題の解決環境課題の解決を可能にする強みの源泉となっています。