キリングループAIポリシー

キリングループ※1(以下、「当グループ」)は、「自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します」という経営理念を掲げ、CSV※2を経営の根幹に据え、社会と共に持続的な成長を目指して活動しています。
当グループにおける持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するためには、AI※3による共創力を強化し、従業員一人ひとりの生産性を向上させ、価値創造に繋がる時間を生み出すことで、社会インパクトの大きいCSVを創出することが必要です。
当グループは、多彩な資産を自由自在に生かし合いながら、世界のCSV先進企業として世の中をリードし世界で一番信頼される企業となることを目指します。この目標の達成及びAIの利活用に際して生じる重大な課題やリスクに対して、各国・地域法規制を遵守し、責任ある姿勢でAIの利活用に取り組むために、本ポリシーを策定します。

●「キリングループ AIポリシー」の適用範囲
当グループの全役員及び従業員等※4

●「キリングループ AIポリシー」の位置づけ
当グループの事業活動におけるAIの利活用や研究開発を行う際の指針

●「キリングループ AIポリシー」の要旨
1.AI倫理原則の実践
2.「キリングループ AIポリシー」の改廃

  • ※1
    キリングループとは、キリンホールディングス株式会社及びキリンホールディングス直下の連結子会社及びその構成会社を指します。
  • ※2
    CSVとは、Creating Shared Valueの略で、社会課題への取り組みによる「社会的価値の創造」と「経済的価値の創造」の両立により、企業価値向上を実現することを指します。
  • ※3
    AIとは、学習データを用いた機械学習等に基づき入力データに応じた出力を人間の思考プロセスと同じような形で生成するプログラム、あるいは情報処理・技術を指します。
  • ※4
    全役員・従業員等とは、取締役、執行役員及び監査役、社員、契約社員、パート、アルバイト、派遣社員、その他雇用形態を問わずキリングループで業務に従事する全ての者を指します。

1. AI倫理原則※5の実践

AIを利活用する際には各国・地域法規制の遵守に加え、当グループの各種方針・ポリシー及び社会規範に適合していることを確認し、当該原則への準拠を判断基準として事業活動を行うことに努めます。

原則1 「人間中心の原則」
当グループは、「すべての人間が生まれながらにして、自由であり、かつ尊厳と権利について平等である」と考えています。そのため、AIを利活用した製品・サービスの開発・提供・利用において人権を侵すことがないようキリングループ人権方針※6を遵守します。また、AIは人々の能力を拡張するものだと捉え、AIの利活用を通じた新たな価値創造を通じ、人々のウェルビーイングの向上に貢献していきます。

原則2 「安全性の原則」
当グループは、AIを利活用した製品・サービスの安全性を第一に考え、適切なリスク分析・検証を行うことで、AIの開発・提供・利用を通じて利用者やその関係者の生命・身体・財産(知的財産を含む)、精神及び環境等に危害を及ぼすことがないように努めます。

原則3 「公平性の原則」
当グループは、キリングループ人権方針に則り、多様なステークホルダーの人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等への偏見や差別といった不公正な影響を発生・助長させないよう、AIを利活用した製品・サービスの開発・提供・利用を行います。

原則4 「プライバシー保護の原則」
当グループは、AIを利活用した製品・サービスの開発・提供・利用のために収集・活用するデータに内在する個人情報を適切に扱い、プライバシーを含む権利を保護するよう、AIの開発・提供・利用に努めます。個人情報の取り扱いに際しては、各国・地域法規制及び当グループのプライバシーデータ保護ポリシー※7及び関連社内法規を遵守し、適正な管理・運用に配慮します。

原則5 「セキュリティ確保の原則」
当グループは、サイバー攻撃をはじめとする不正アクセス等による情報漏洩、不正操作によるAIの振る舞いに意図せぬ変更または停止が生じることがないよう、AIの開発・提供・利用においてセキュリティ確保に努めます。セキュリティ確保に際しては、各国・地域法規制及び当グループの関連社内法規を遵守します。

原則6 「透明性・アカウンタビリティの原則」
当グループは、AIを利活用した製品・サービスの開発・提供・利用にあたり、AIの信頼性に関する検証可能性を持ちつつ、ステークホルダー※8に対してAIの利活用目的や学習方法、AIによる判断の根拠等の情報提供を必要かつ技術的に可能な範囲で行い、誠実かつ適切なコミュニケーションを実施することで透明性・アカウンタビリティの確保に努めます。

原則7 「教育・リテラシーの原則」
当グループは、AIの正しい理解、AIの利活用を通じた新たな価値創造を推進するため、AIの特性やリスクを適切に理解し、AIを利活用して新たな挑戦に取り組むことができる人財を育成していきます。そのため、当グループにおける従業員に対して、AIに関する教育やトレーニングを積極的に行ってまいります。

原則8 「イノベーションの原則」
当グループは、「CSV先進企業として世界をもっと元気にしている」存在を目指し、当グループ内におけるAIとの共創を推進するとともに、外部との積極的な共創に努めることでイノベーション促進や社会全体の発展に貢献していきます。

2. 「キリングループ AIポリシー」の改廃

本ポリシーは年1回以上定期的に見直しを行います。AIに関する各国・各地域の指針・法令、人々の生活スタイルや環境の変化、業界における事例の蓄積、テクノロジーそのものの発展、またお客様をはじめとした様々なステークホルダーとの対話により重要な変化が生じた場合は随時見直しを行い、担当執行役員の決裁をもって改廃します。