人財力(人的資本)

キリングループの人財戦略

経営戦略と人財戦略の連動

キリングループでは、人間の無限の可能性を信じる「人間性の尊重」という考え方を基本理念とし、従業員一人一人が、新たな価値創造に向かって挑戦し、活き活きと働くことで、仕事を通じて成長し続ける環境を提供していきます。人財を価値創造、競争優位の源泉と位置付け、人財に投資していくことで、「人財が育ち、人財で勝つ会社」を目指します。人財戦略は、足元の経営戦略の実行性を高めていくことと同時に、人財のケイパビリティは将来にわたる企業価値を高める重要な要素となり、経営戦略の可能性を広げます。そのキーとなるのは「専門性」と「多様性」です。従業員それぞれが、専門性を高めるとともに、食(酒類・飲料)からヘルスサイエンス・医領域にわたる多様で盤石な事業ポートフォリオの中で多様な事業経験と多様な視点を養う環境を提供し、「専門性」と「多様性」を兼ね備えた人財を育成します。

また、多様な価値観を受容する組織文化を形成し、組織やチームを超えた共創を通じて、CSV経営を推進し、グループの持続的成長と企業価値向上を実現していきます。

課題と取り組み

人財戦略を価値創造につなげる「P&Cストーリー」

人財戦略の課題や重要度の高い取り組みは、国・地域、事業によって異なる場合もありますが、人財戦略を価値創造につなげていく方向性は共通しています。「キリングループらしい人財戦略」を推進すべく、グループの価値創造モデルに沿って、人的資本(多様な人財と挑戦する風土)が価値創造につながるグループ共通の「P&Cストーリー」を策定しました。P&Cストーリーは、Well-Being、Growth、DE&I、KABEGOEの4つのキーファクターで形成しています。P&Cストーリーを通じて、「専門性」と「多様性」を兼ね備えたKABEGOEをする人財と組織文化を形成していきます。

キリングループP&Cストーリー

Well-being
健康で活き活きと働き、CSV経営への共感を通じて自らの仕事へのやりがいを生み出し、
Growth
自律的なキャリアに向けて、主体的に専門性を高め、多様な経験を得て価値観を豊かにし、
DE&I
自分とは異なる多様な価値観を受け入れる意識と、仲間と共創するマインドを持ち、
KABEGOE
何事にも興味を持って行動し、新たなアイデアや価値を仲間とともに創造する

課題と取り組み

KV2027の実現、その先のグループの持続的な成長に向けては、従業員一人一人が自分の仕事が会社のCSV経営につながっていることを理解し、業務を通じた主体的な創意工夫・価値創造の実践をすること、そういった組織文化が根付くことが重要と捉えています。そのために、将来の環境変化、今後の経営戦略も見据えた現状とのギャップから、戦略を実現する実行力向上(短期視点)と、将来の経営戦略を狭めないための人財戦略を常にアジャイルに変化させ続けること(中長期視点)の両面で、P&Cストーリーに沿って、ありたい姿と重点課題を設定しています。

重点課題

  • Well-Being:健康で活き活きとやりがいを持ち仕事に向き合う従業員の創出
  • Growth:「専門性」×「多様性」による人財力、リーダーの強化
  • Growth:グループ経営人財=グローバルで活躍できる人財の育成・獲得
  • DE&I:多様性を受容する組織への変革
  • KABEGOE:失敗も学びに変えてKABEGOEをした事例が賞賛される組織文化の形成

2024年の成果と今後の取り組み

開示指標と独自性項目

Well-Beingから始まり、Growth、DE&I、KABEGOEまでの「P&Cストーリー」に沿った各重点課題に対する指標を設定し、独自性項目として開示しています。

社内外の環境変化が加速する中で、ヘルスサイエンス領域でのいっそうの成長加速、領域にまたがる事業展開の強みを生かすなどの新たな経営課題も踏まえ、2024年は、これまでの独自性項目にグローバルで活躍できるグループ経営人財の育成に対する指標として「グループ経営人財育成における投資額増率」を加えています。人財戦略を価値創造につなげていくために、今後もステークホルダーとの対話を通じて、人的資本経営を継続的に進化させていきます。

事例

ヘルスサイエンス事業戦略の実現に向けた人財強化の取り組み加速

ヘルスサイエンス事業戦略のビジョン「アジア・パシフィック最大級のヘルスサイエンスカンパニー」の実現に向けて、2022年4月〜2025年3月までに事業企画、マーケティング、基礎研究、品質保証、知財の各専門機能にて、ヘルスサイエンス領域に携わった経験を持つ人財を計38人キャリア採用し、さらに2025年末までに29人を採用予定です。特にグローバルビジネス経験豊富な部門長クラスのリーダーを獲得したことで、今後のグローバルでの事業展開の加速につなげます。グループ内の人財配置では、人財交流による組織能力のシナジーを図っていきます。ファンケルとのシナジー創出に向けては、経営企画、海外事業、マーケティング・営業、品質保証を中心に双方の人財交流を約30人規模へ拡大しています。

また、今後のグローバルでの事業拡大に必須となる各国の法規制対応やお客様理解に向けては、ブラックモアズ(Blackmores)が持つ知見を最大限活用するためにも、同社の専門家との協業を進めています。

  • マーケティング・営業・SCM・財務・人事・R&Dなど企業価値向上を実現していきます。