マーケティング

キリングループのマーケティングの強み・特徴、全体方針
キリングループでは、各事業会社のマーケティング部門とキリンホールディングスのマーケティングセントラル機能※1が連携し、環境変化に応じた迅速な判断と実行力で、マーケティング組織能力を高めてきました。お客様主語のマーケティング能力のさらなる向上に向けた機会を以下の通り設定し、取り組みを進めています。
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※1①グループマーケティング能力の強化による成果創出、②キリンブランドの価値向上、③マーケティング人財マネジメントをミッションとしグループをけん引する機能。
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食・ヘルスサイエンス領域において、CSV経営の根幹となる「お客様理解力」をグループ全体でさらに高いレベルへ引き上げ
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「社会課題の解決に取り組むことで社会とともに成長する」というCSVの姿勢を企業ブランド、商品ブランドの両面で体現
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将来を見据え、グループ視点の人財育成・活用とナレッジの交流を促進
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マーケティングセントラル機能による事業会社個別の課題解決支援と、事業会社の枠を越えた連携を創出

課題と前年からの進捗
2022年にマーケティングセントラル機能を立ち上げ、3つの課題が見えてきました。
1つ目は、「お客様理解力」向上による、ビジネスの成果創出です。従来の企業都合で発想する「企業主語」のマーケティングではなく、全ての判断軸をお客様に置き、本当にお客様が求めていることに応えるマーケティングへの変革を続けています。
2つ目は、企業イメージを転換することです。ヘルスサイエンス領域の成長に貢献するため、当社グループが「お客様の健康に貢献する企業グループ」というイメージをさらに広く獲得することに取り組みました。
3つ目は、「社会課題の解決に取り組むことで社会とともに成長する」という当社グループのCSV姿勢を、商品ブランド・企業ブランドで体現することです。例えば、これまでもキリンビールでは日本産ホップを使用した「キリン一番搾り® とれたてホップ」を販売するなど、食領域事業会社ではさまざまなCSVの取り組みを行ってきましたが、グループ全体でCSVのイメージを獲得するにはまだ伸びしろがあると認識し、さらなるイメージ強化に取り組んできました。
戦略、取り組みの柱
1つ目の課題である「お客様理解力」の向上のために、マーケティングセントラル機能が主導し事業会社の枠を越えた※2体系的なマーケティング研修を通じた人財の育成を行っています。同時に、マーケティングセントラル機能から事業会社のマーケティング部へ、マーケティング人財の交流と知見共有も行っています。こうして育成・派遣されたお客様理解の深い人財が軸となり、各事業会社でブランド育成や戦略策定を実行できる体制を構築しています。ライオン(Lion)では、現地のお客様に対する理解に基づいてオーストラリアで「キリン 氷結®」ブランドを上市し、続いてニュージーランドでも展開を実現しました。
2つ目の課題であるキリングループの企業イメージの転換を実現するため、2023年から開始した企業ブランドコミュニケーションを強化して推進しています。第3弾の小児科医篇では、当社グループが長年研究を続けてきた「免疫」の大切さを、医療従事者の皆様に「免疫ケアセミナー」を通じて伝える様子を、動画やオウンドメディアで紹介。第4弾の幼稚園篇では、子どもたちや保護者の皆様に免疫習慣の大切さを伝え、免疫ケアに取り組む機会づくりを行う様子をテレビCMにして展開しました。これらの活動により、お客様調査における当社グループの健康イメージは年々上昇しており、企業イメージの転換が着実に進んでいます。
今後は、3つ目の課題である当社グループのCSV姿勢の体現に向けて、代表ブランド(「キリン 一番搾り®」「キリンビール 晴れ風」「キリン 氷結®」「キリン 午後の紅茶」「iMUSE」)とサッカーを活用した社会解決アクションにより一層取り組んでいきます。そして「酒類事業を営むキリングループとしての責任」を前提に、企業ブランド、商品ブランドの両面で「健康」「コミュニティ」「環境」という社会課題に取り組むことで、こころ豊かな社会を実現し、お客様の幸せな未来に貢献していきます。
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※2現在はキリンホールディングス、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン、小岩井乳業のマーケティング人財が対象。
事例
商品ブランド、企業ブランドの両面でCSVの姿勢を体現
「キリンビール 晴れ風」の売り上げの一部を寄付
当社グループのCSVの姿勢を体現するブランドとして、キリンビールは2024年4月に「キリンビール 晴れ風」を発売しました。「日本の風物詩を守り、そこに集まる人々の笑顔を未来につなげたい」という思いで、売り上げの一部を桜の保全活動や花火大会への支援金として寄付する「晴れ風ACTION」を実施。延べ1.9億人※3以上が参加し、自治体への寄付として1億3,000万円以上※4が集まりました。17年ぶりのスタンダードビールの新商品として、普段ビール類を飲んでいないお客様の獲得にも成功し、年初販売目標の130%を達成しました。
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※3「キリンビール 晴れ風」の購入本数を1人として換算した数と、晴れ風コインで寄付された枚数を含む
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※42024年12月31日時点
日本サッカー協会とのパートナーシップ
1978年から45年以上にわたり、日本サッカー協会(JFA)とパートナシップを築いてきました。従来取り組んできた日本代表の応援以外にも、人々の心と体の健やかさをサポートし、人と人がつながるこころ豊かな社会に貢献する活動を協働して展開しました。CSVコミットメントに掲げる「ウェルビーイングを育むつながりと信頼の創出」を実践する活動として、サッカーを通じて家族や仲間とのつながりを深める「キリンファミリーチャレンジカップ」、能登半島地震復興応援「ビッグスマイルフィールド」などを開催し、コミュニティにおける社会課題の解決に取り組むことで社会とともに成長する企業としてのイメージを高めました。
