2009年2月20日

サンミゲル社のビール事業会社株式取得について

 キリンホールディングス株式会社(社長 加藤壹康)は、サンミゲル社(フィリピン・マニラ、CEO エデュアルド・コアンコ・ジュニア 以下SMC社)の国内ビール事業会社であるサンミゲルビール株式会社(フィリピン・マニラ、会長 ラモン・アング 以下SMB社)の株式購入契約を、2009年2月20日締結しました。この投資により当社のアジア・オセアニアでの酒類事業をさらに大きく展開させます。

 当社は、SMB社株式6,665,023,690株(発行済株式総数の43.249%※1)を、SMC社保有分から相対取引で取得し、買付価格は1株につき8.841ペソ(約17円※2)、買付けに要する資金は、約589.3億ペソ(約1,120億円※2)です。買付けは2度に分けて実施され、全ての買付けが完了するのは5月末を予定しています。
 あわせてSMC社以外のSMB社株主からも別途公開買付けを実施し、買付けに応募された全ての株式をSMC社と同価格にて購入します。公開買付けの詳細は、決定次第改めて発表します。
 両取引を合わせると、当社が取得可能なSMB社株式の合計は、最大で7,551,134,690株(発行済株式総数の49%)となります。

  • ※1 2008年12月末現在株式数に基づく
  • ※2 1ペソ=1.9円(2009年2月18日現在)

 加えて今回の契約と同時に当社は、SMC社が保有する海外のビール事業会社の株式をSMB社が取得するために、3社間で優先的に交渉する権利を獲得しました。SMC社が海外のビール事業会社売却公表後6カ月間の優先交渉期間を得たことになります。今後、SMC社から正式な発表があり次第、具体的な検討を開始する予定です。

 当社は、長期経営構想KV2015で、アジア・オセアニアのリーディングカンパニーを目指すことを目標として掲げており、同地域において収益性を重視した事業戦略を推進しています。
 SMB社は、フィリピンのビール市場において約95%のシェアを有しており、また、その母体であるSMC社は、早い時期から中国、ベトナム、インドネシア、タイなどで事業拠点を展開しています。今回の資本参加により、生産・販売の両面におけるアジア・オセアニア市場での事業基盤の確立を目指すとともに、酒類事業におけるグループシナジー創出をより一層推進します。

 キリングループは「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。

サンミゲルビール社株式取得に関する概要

1. 取得方法 サンミゲル社とキリンホールディングス社間の相対取引
2. 取得時期 4月と5月の2回に分割して購入。5月末に全取引完了予定。
3. 取得予定株式総数 6,665,023,690株(発行済株式総数の43.249%※1
4. 取得金額 1株につき8.841ペソ(約17円※2
計 約589.3億ペソ(約1,120億円※2

※1 2008年12月末現在株式数に基づく ※2 1ペソ=1.9円(2009年2月18日現在)

サンミゲルビール社 概要

1. 社名 サンミゲルビール社(San Miguel Brewery, Inc)
2. 本社所在地 フィリピン マニラ
3. 会長 ラモン・アング(Ramon S. Ang)
4. 純資産および
総資産
約153億ペソ(約291億円※1) 2007年末時点
約226億ペソ(約429億円※1) 2007年末時点
5. 売上高 約488億ペソ(約927億円※1) 2008年12月期
  営業利益 約156億ペソ(約296億円※1) 2008年12月期
  当期純利益 約100億ペソ(約190億円※1) 2008年12月期
  • ※1ペソ=1.9円(2009年2月18日現在) ※サンミゲルビール社の決算期は12月
6. 従業員数 約2,823人 2007年末時点
7. 事業内容 フィリピン国内のビールの製造・販売
8. 主要ブランド サンミゲル ペール・ピルゼン、サンミグライト、レッドホース、ゴールドイーグル
9. 事業拠点 計5工場(全てフィリピン国内)

サンミゲル社 概要

1. 社名 サンミゲル社(San Miguel Corporation)
2. 本社所在地 フィリピン マニラ
3. CEO エデュアルド・コアンコ・ジュニア(Eduardo M. Cojuangco, Jr.)
4. 純資産および
総資産
約1,461億ペソ(約2,776億円※1) 2007年末時点
約2,881億ペソ(約5,474億円※1) 2007年末時点
5. 売上高 約1,549億ペソ(約2,943億円※1) 2007年12月期
  営業利益 約120億ペソ(約228億円※1) 2007年12月期
  経常利益 約128億ペソ(約243億円※1) 2007年12月期
  当期純利益 約84億ペソ(約160億円※1) 2007年12月期     

※1ペソ=1.9円(2009年2月18日現在) ※サンミゲル社の決算期は12月

6. 従業員数 約19,000人(SMB社従業員含む) 2007年末時点
7. 事業内容 飲料事業:ビール、洋酒、清涼飲料の製造・販売(44%)
食品事業:乳製品の製造・販売、食肉の加工販売(44%)
パッケージング事業:製缶事業、プラスチック事業、ガラス事業(12%)
(   )内は全売上高に占める割合(2007年末時点)
8. 沿革
1890年:会社設立
1922年:清涼飲料事業に参入
1938年:パッケージング事業を開始
1948年:香港に工場建設(初の海外進出)
1981年:コカ・コーラ社とニュージーランド乳製品公社との合弁会社設立
1987年:ラ・トンデナ社を設立し、洋酒事業に参入
1991年:山村硝子社との合弁会社設立
2000年:オーストラリアのビール会社「ボーグ(J.Boag&Son)社」を買収
2001年:食肉加工会社「ピュアフーズ(Purefoods)社」を買収
コカ・コーラ・フィリピンを買戻しコスモスボトリングを買収
2002年:キリンビール社(現・キリンホールディングス社)15.55%出資
2004年:豪州No.1果汁飲料会社ベリー「(Berri)社」買収(51%)
2005年:キリン社追加出資(1月・4月、現在の出資比率19.91% /08年9月末)
2005年:ナショナルフーズ社買収
2007年:コカ・コーラ・フィリピン株式売却
2007年:デルモンテ・パシフィック株式売却
2007年:ナショナルフーズ社株式をキリンホールディングス社へ売却
2008年:ボーグ(J.Boag&Son)社株式をライオンネイサン社へ売却
2008年:SMC社の国内ビール事業をフィリピン証券取引所に上場(5.75%)