2011年8月11日

キリン食生活文化研究所 レポートVol.30
2010年世界主要国のビール生産量

〜世界のビール総生産量は過去最高記録を更新、成長の中心はアジア・南米に〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 三宅占二)のキリン食生活文化研究所では、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2010年の世界主要国および各地域のビール生産量をまとめました。この調査は1974年分から統計開始しています。

トピックス
世界の総生産量は、約1億8,562万kl (前年比2.2%増) で、26年連続で過去最高記録を更新。
地域別では、アジア (前年比5.4%増、構成比33.3%) が2年連続でトップ。中南米(前年比5.1%増、構成比16.5%)と共に生産量増加のけん引役となった。
国別では、ブラジル(前年比18.0%増)がロシア(前年比6.2%減)を抜き、初の3位。上位25カ国では、ベトナム(前年比15.2%増)、ナイジェリア(前年比10.0%増)、フィリピン(前年比7.5%増)も高い増加率となった。

 2010年の世界ビール総生産量は、前年より約392万kl増 (前年比2.2%増) の約1億8,562万klとなりました。東京ドームをジョッキに見立てると、約150杯分 (東京ドーム1杯分は約124万kl) に相当します。世界のビール総生産量は、1985年以降26年連続で増加を続けていることになります。
 対前年増加率は2.2%増で、2008年の0.7%増、2009年の0.8%増と比較すると、高い増加率となりました。

1.地域別生産量(表1)
 地域別では、昨年同様ヨーロッパと北米を除く全ての地域で、対前年で増加しました。
 アジア(前年比5.4%増)は、中国(前年比6.3%増)を中心にベトナム(前年比15.2%増)、フィリピン(前年比7.5%増)が貢献したことにより、2年連続でトップ。
 中南米(前年比5.1%増)はブラジル(前年比18.0%増)が貢献し、3位という結果でした。
 アジアは10年以上連続、中南米は8年連続で生産量が増加する一方、ヨーロッパ(2.4%減)、北米(1.2%減)は3年連続で減少しています。
 アフリカ(7.2%増)は上位国の南アフリカ(2.8%増)、ナイジェリア(10.0%増)などが貢献し、1,000万klを超えました。
2.国別生産量(表2)
 ブラジル(18.0%増)は好調な国内経済の影響を受け、過去10年で最大の増加率となり、ロシア(前年比6.2%減)を抜いて初の3位となりました。中国は前年比6.3%増となり、9年連続でトップ。
 上位25カ国では、ベトナム(前年比15.2%増)、ナイジェリア(前年比10.0%増)、フィリピン(前年比7.5%増)などが高い増加率となりました。ベトナム、ナイジェリアは10年連続で増加しており、フィリピンは5年ぶりに25位圏内にランクインしました。
 日本は、夏場の猛暑効果があったものの、生活防衛意識の高まりや上半期の天候不順の影響を受け、前年比2.4%減となりました。
3.10年前との比較(表3)
 2010年の世界ビール生産量を10年前と比較すると、増加量は約4,636万kl(33.3%増)となりました。
 上位10カ国でみると、オランダとポーランドが入れ替わった以外、顔ぶれに変更はありませんが、11位から25位の間では、ウクライナが26位から11位、ベトナムが30位から13位、ナイジェリアが34位から21位と、3カ国が入れ替わっています。
  • 注:日本の生産量については、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計
  • 出典:各国ビール協会などへのアンケート調査 (当社が実施したもの)
    The Barth Report Hops 2010/2011 (BARTH-HAAS GROUP)

(表1)2010年 地域別ビール生産量

■地域別ビール生産量と増加率・構成比

  • 日本の生産量に関しては、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計
  • 四捨五入のため、合計値が一致しない場合がある

■2010年地域別ビール生産量構成比

【解説】

  • ヨーロッパと北米を除く全ての地域で増加。
  • 2年連続トップのアジアは、中国(6.3%増)、ベトナム(15.2%増)、フィリピン(7.5%増)が貢献し、前年比5.4%増となった。構成比は対前年で1ポイントの増加。
  • ヨーロッパは、ロシア(6.2%減)、ドイツ(2.4%減)、イギリス(3.2%減)など主要国の減少により、前年比2.4%の減少となった。
  • 中南米はブラジル(18.0%増)が貢献し、前年比5.1%増となった。
  • アフリカは(7.2%増)は南アフリカ(2.8%増)、ナイジェリア(10.0%増)などが貢献し、1,000万klを突破。

(表2)2010年国別ビール生産量

  • 日本の生産量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計
  • 四捨五入のため、合計値が一致しない場合がある

【解説】

  • ブラジルは前年比18.0%増と、過去10年で最大の増加率となり、ロシアを抜いて初の3位となった。好調な国内経済と個人所得の増加により飲用層が拡大、それに対応する形で国内生産が増加した。今後も継続して成長が見込まれる。
  • 中国(前年比6.3%増)は9年連続でトップ。生産量も世界の約4分の1を占めるまでに成長した。
  • 近年大幅に生産量を伸ばしてきたロシアだが、増税などの影響を受けて前年比6.2%の減少、4位という結果となった。
  • ベトナムは経済成長に伴う個人所得の増加などにより、前年比15.2%増。上位25カ国では、ブラジルに次いで高い増加率となった。
  • 日本は、昨年と同様の7位。夏場の猛暑効果があったものの、生活防衛意識の高まりや、上半期の天候不順の影響を受け、前年比2.4%の減少となった。

(表3)2010年国別ビール生産量〜10年前との比較〜

  • 日本の生産量に関しては、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計

【解説】

  • 2010年のビール生産量を10年前と比較すると、約4,636万klの増加(33.3%増)となった。増加量が最も多いのは中国で約2,278万kl、ロシアの約508万kl、ブラジルの約428万klと続く。
  • 上位10カ国では、オランダとポーランドが入れ替わった以外、顔ぶれに変更はないが、11位から25位の間では、ウクライナが26位から11位、ベトナムが30位から13位、ナイジェリアが34位から21位と、3カ国が入れ替わっている。

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