2011年12月21日

キリン食生活文化研究所 レポートVol.33
2010年世界主要国のビール消費量

〜消費量は25年連続増加。アジアは引き続き好調、中南米・アフリカも消費を牽引〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 三宅占二)のキリン食生活文化研究所では、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2010年の世界主要国、地域および各国民一人当たりのビール消費量をまとめました。この調査は1975年分から統計開始しています。

トピックス
世界の総消費量は、約1億8,269万kl。前年比は2.4%増と25年連続の増加。東京ドームをジョッキに見立てると、約147杯分に相当。
国別では、中国(前年比5.9%増)が8年連続で世界No.1。上位25カ国では、ナイジェリア(前年比17.2%増)、インド(前年比17.0%増)、ブラジル(前年比16.0%増)なども高い増加率となった。
地域別では、アジア(前年比5.3%増)が33.6%の構成比を占め、10年以上増加を続けている。また中南米(前年比6.5%増)やアフリカ(前年比10.1%増)も全体の消費を牽引し、中南米は直近5年間で最大の増加率となった。

 2010年の世界のビール総消費量は、前年より約433万kl(大びん633ml換算で約68.4億本)増え、約1億8,269万kl(前年比2.4%増、大びん換算で約2,886億本)で、25年連続の増加を記録しました。東京ドームをジョッキに見立てると、約147杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当し、前年から約3.5杯分増加となりました。

1.国別ビール消費量(表1)
 国別では、中国が2003年から8年連続で1位となりました。上位12カ国までは昨年より順位に変動はなく、日本(前年比2.8%減)は7位。また増加率では、上位25カ国のうちナイジェリア(前年比17.2%増)、インド(前年比17.0%増)、ブラジル(前年比16.0%増)がトップ3となりました。
2.地域別ビール消費量(表2)
 地域別では、アジア(前年比5.3%増)が10年以上増加を続けています。中南米(前年比6.5%増)とアフリカ(前年比10.1%増)も全体の消費を牽引しました。
 中南米はブラジル(前年比16.0%増)、アフリカは南アフリカ(前年比4.7%増)、ナイジェリア(前年比17.2%増)など地域内の上位国が貢献。
 ヨーロッパは、上位25カ国ではウクライナ(前年比5.5%増)以外は全てマイナスとなり、前年比2.4%減となりました。
3.国別一人当たりビール消費量(表3)
 チェコが18年連続で1位となりましたが、大びん換算で21.1本の減少となりました。上位35カ国のうち、昨年より消費量の伸びた国は8カ国でした。日本の一人当たり消費量はアジアで最も多い45.4Lで38位、大びん換算で71.7本(前年比2.4本減)という結果でした。
 また過去10年で見ると、連続して一人当たり消費量を伸ばしている国は中国のみでした。
  • 注:日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計。
  • 注:前年(2009年)の値は、今回の調査時点で変更されている場合、新しい値を使用。
  • 出典:各国ビール協会などへのアンケート調査(当社が実施したもの)
    The World Beer Market: The 2011 Survey (ERC Group)
    The Barth Report Hops 2010/2011 (BARTH-HAAS GROUP)

(表1)2010年 国別ビール消費量

【解説】

  • 世界の総消費量は、約1億8,269万kl。世界的に経済成長が好調とは言えないものの、前年比は2.4%増と25年連続の増加。
  • 中国(前年比5.9%増)は、2003年から8年連続で1位。人口増加や経済成長に伴う生活水準の向上などにより、都市部を中心に飲用層は拡大している。
  • ブラジルは、一部天候が振るわなかったものの、経済成長による所得の増加や人口の拡大、またサッカーワールドカップというビッグイベントの影響もあり、前年比16.0%増と大幅に増加した。
  • インド(前年比17.0%増)は、一人当たりの消費量は少ないものの、経済成長に加え販売店の増加や物流網の整備、また海外企業の進出などにより、近年消費量が伸びている。
  • ロシアは、低迷する経済情勢や増税などの影響を受け、前年比6.2%の減少。BRICs諸国の中では唯一マイナスとなった。
  • 日本は、順位に変動は無いものの、少子高齢化、嗜好の多様化などの影響により、2.8%の減少となった。

(表2)2010年 地域別ビール消費量

  • 日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計

【解説】

  • 地域別では、アジア(前年比5.3%増)が10年以上増加を続け、構成比を33.6%に拡大。ヨーロッパは前年比2.4%減、北米は前年比1.4%減となる一方、中南米は前年比6.5%増、アフリカは前年比10.1%増となり、新興国を中心に消費が増加している。
  • アジアは、昨年に引き続き中国(前年比5.9%増)やベトナム(前年比15.0%増)、インド(前年比17.0%増)などが牽引。アジアで前年比がマイナスとなったのは日本(前年比2.8%減)、タイ(前年比2.7%減)の2カ国のみであった。
  • ヨーロッパは、上位25カ国ではウクライナ(前年比5.5%増)以外は全てマイナスとなり、前年比2.4%減。特にヨーロッパ内で最大の消費国であるロシア(前年比6.2%減)は98年以来増加を続けてきたが、09年、10年と2年連続で減少している。
  • 中南米は、メキシコ(前年比2.0%減)、ベネズエラ(前年比2.0%減)など上位国が減少したものの、ブラジル(前年比16.0%増)が大きく消費を伸ばし、前年比6.5%増となった。

(表3)2010年 国別一人当たりビール消費量

  • 日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計

【解説】

  • チェコは18年連続で1位となったが、昨年と比較すると大びん換算で21.1本の減少と、大幅なマイナスとなった。
  • 上位35カ国では、昨年より消費が伸びた国は8カ国で、昨年の7カ国を上回った。
  • 過去10年で見ると、連続して一人当たり消費量を伸ばしている国は中国のみで、10年前の2001年と比較すると1.8倍に増えている。

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