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KIRIN News Release


2012年 キリンビバレッジ事業方針

2012年1月16日

 キリンビバレッジ株式会社(社長 前田仁)は、2012年度の事業方針を策定しました。本年は、「再成長に向けて加速する3ヵ年」と位置付けた2010年度中期経営計画の総仕上げの年として、環境変化への対応も見据え、収益構造改革を継続推進しながら、「成長による収益拡大」の実現を目指します。

《2011年の概況》
 国内清涼飲料市場は、2010年の猛暑の反動やデフレによる消費者マインドの低下と節約志向の影響がありましたが、震災後の「水」の需要増もあり、前年比100%程度で着地した模様です。
 当社では、収益構造改革を継続しながら「商品力強化」と「営業力強化」に取り組みました。震災により当初の計画の変更を余儀なくされ、国内飲料トータル(単社ベース)販売実績は前年比99%の1億7,024万ケースとなりましたが、「午後の紅茶」と「ファイア」では重点的にブランド強化を図りました。「午後の紅茶」では、2010年から発売している「午後の紅茶 エスプレッソティー」シリーズの拡充や「午後の紅茶 おいしい無糖」の投入など、紅茶の飲用シーンを広げる提案を継続して行い、2010年に続き2年連続で過去最高の販売数量となる4,544万ケースを記録しました。「ファイア」では、ペットボトルコーヒー「ファイア ネオ」を新たに発売し、若年層や女性を中心にご好評頂き、前年比101%となりました。震災後に「水」の需要が高まり、「アルカリイオンの水」は前年比113%、「ボルヴィック」は前年比100%で着地しました。また、節電による暑い夏の水分・塩分補給商品として「世界のKitchenから ソルティ・ライチ」が当初計画の2倍となる販売数量を突破し、現代人の健康課題をサポートするお茶として投入した新ブランド「からだ想い茶」の第1弾「からだ想い茶 ぽっぽ茶」の販売も好調に推移しました。

《2012年の取り組み》
 2012年は、復興に向けた継続的な取り組みが必要とされながら、世界的な経済不透明感や円高、消費マインドの低迷などにより、清涼飲料市場は前年並もしくは微減で着地すると予想しています。このような状況で当社は、これまで以上にお客様本位の原点に立ち、「商品力強化」と「営業力強化」の取り組みを推進し、「収益構造改革」を継続しながら、成長による収益拡大の実現を目指します。
 「商品力強化」の取り組みとして、「午後の紅茶」を中心に基盤ブランドのさらなる強化と新しい領域の創造、チャネル別商品戦略の強化を進めます。基盤ブランドの強化として、「カテゴリーNo.1ブランド」のさらなる拡大と創出を目指します。新しい領域の創造としては、嗜好やライフスタイルの変化により多様化しているお客様の価値観やニーズにお応えする商品を提案していきます。昨年から取り組んでいるチャネル別商品戦略では、お客様やお得意先の声を活かし、チャネルのニーズに合った商品を拡充することで競争力を強化します。
 「営業力強化」の取り組みとして、ブランドを育て、お客様への価値の提供につながる「価値営業」をさらに推進し、量販、CVS、自動販売機のそれぞれのチャネルでの販売と収益の拡大を目指します。
 また、「食の安全・安心」への取り組みとして、品質保証体制を強化し、ホームページに「WEB品質保証室」を開設するなど、品質本位・お客様本位をさらに推進します。


《飲料事業の取り組み》
(1)ブランド戦略
 お客様の飲用ベネフィットから発想した新しい飲用シーン・飲用スタイルの提案を継続します。また、カテゴリーの枠を越えた商品や環境・健康を意識した商品の開発など、従来の概念に捉われない新たな商品開発や、技術イノベーションによる中身開発・容器開発も行ないます。

 「午後の紅茶」を中心に、「カテゴリーNo.1ブランド」のさらなる拡大と創出を目指す新提案を行ないます。また、カテゴリーを越えた新しい価値を持つ商品の投入などによって、既存市場を攻略し、低迷している無糖茶カテゴリーの活性化に積極的にチャレンジしていきます。チャネル別に異なるお客様に向けた商品開発・マーケティング活動を実践することで競争力を強化し、ブランドの育成と強化を図ります。

●「キリン 午後の紅茶」
 紅茶飲料No.1ブランド※「午後の紅茶」は、昨年に引き続き、紅茶飲料の飲用シーン拡大を推進し、圧倒的No.1ポジションの確立を目指します。特に「午後の紅茶」の成長を牽引している「おいしい無糖」、「エスプレッソティー」については存在価値を高めるために、飲用価値を明確化する提案を行ないます。飲料の2大カテゴリーである「無糖茶飲料」、「コーヒー飲料」に紅茶の飲用シーンを拡大することで、紅茶カテゴリーの成長を図ります。
※食品マーケティング研究所調べ(2011年見込み)

●「キリン ファイア」
 「ファイア」は、“革新し続けるコーヒーブランド”としてレギュラーコーヒー品質を追求し、さらなる品質の向上と革新的な提案を引き続き行ないます。2011年から取り組んでいる、缶とペットボトルの両軸戦略を今年も継続し、缶コーヒー「挽きたて」シリーズ、ペットボトルコーヒー「ネオ」シリーズを中心に、ターゲットやニーズに合わせた商品を提案し、「ファイア」ブランドの更なる強化を図ります。

●「キリン 生茶」
 「生茶」は、現代緑茶としてお客様に支持されてきたおいしさ・品質をさらに追求していきます。競合とは異なる「生茶」ならではの特長であるみずみずしいおいしさ、青々しい香りとお茶の甘みやうまみを生かした新たな楽しみを提案していきます。

●「キリン アルカリイオンの水」「ボルヴィック」
 「キリン アルカリイオンの水」は、「家族のからだにやさしい水」という独自価値をベースに、おいしい天然水をそのままアルカリイオン化したやさしい味わいを訴求し、家族の健康に最適な水分補給を提案していきます。また、震災による消費者ニーズの変化に対応したコミュニケーションを展開し、ブランド価値を強化していきます。
 輸入ミネラルウォーターNo.1ブランド※「ボルヴィック」は、商品価値に加えて自然保護や社会貢献のメッセージを発信し、ミネラルウォーター市場の拡大を目指します。また、フレーバーウォーター「ボルヴィック フルーツキス」の展開や、今年で6年目を迎える社会貢献活動「1L for 10Lプログラム」の継続実施などを通じて、「ボルヴィック」ブランドの強化を図ります。  
※食品マーケティング研究所調べ(2011年見込み)

●「キリンレモン」「大人のキリンレモン」
 「キリンレモン」「大人のキリンレモン」は、ターゲットを明確にして、それぞれの飲用シーンやニーズを捉えた商品開発やマーケティングを行ない、ブランド価値をさらに向上させます。

●「小岩井」
 「小岩井」は、「おいしさ」と「高品質」を追求し、「小岩井 純水果汁」、「小岩井 ミルクとコーヒー」を中心にブランド価値のさらなる向上を目指します。「小岩井 純水果汁」では、「こどものこころ豊かな成長を応援する」を活動テーマにしている「小岩井 純水果汁 こども文庫プロジェクト」を継続し、親と子の絆づくりを応援します。

●「からだ想い茶」
 「からだ想い茶」は、現代人の健康課題に着目し、手軽にサポートする健康茶ブランドという新しい価値を持つ無糖茶として、市場への浸透・定着を図ります。第1弾として好評発売中の「からだ想い茶 ぽっぽ茶」に続き、2月には、“すぅーっと”した清涼感が広がる健康ブレンド紅茶「からだ想い茶 すぅーっと茶」を新発売し、現代人の健康課題をサポートしていきます。

●「世界のKitchenから」
 「世界のKitchenから」は、熱中対策飲料として、定着チャンスのある「ソルティ・ライチ」をブランドの柱として継続育成して定番化を目指します。日本人の暮らしに“世界のお母さんの知恵”がおいしさと健やかさを与えてくれるブランドとして、年間を通して新たな価値のある商品の提案を継続していきます。

●「トロピカーナ」
 100%果汁飲料No.1ブランド※「トロピカーナ」は、果実そのままのおいしさにこだわり、100%果汁カテゴリーの価値向上に軸を置き、シーンや気分などに合わせて選べる楽しい商品を提案していきます。
※食品マーケティング研究所調べ(2011年見込み)

(2)営業戦略
 営業活動においては、ブランドを軸とした営業活動を徹底し、お客様が実際に商品に触れ、情報を受け取る店頭に営業活動を集中させます。また、引き続きグループ会社との連携を強化してシナジーを最大限に発揮した活動を展開し、市場リサーチ力を活用した価値提案営業をさらに推進していきます。
 量販チャネルでは、営業体制を見直して店頭活動を強化し、CVSチャネルでは、定番商品の育成とラインアップ拡充に取り組みます。自動販売機チャネルでは価値提案営業を進化させ、お客様視点に立った最適コラムの提案や、お客様接点拡大につながる設置先の獲得・稼働増を目指します。

(3)海外事業
 海外飲料事業では、キリングループ海外事業のグローバル展開に合わせて、清涼飲料の開発や生産、人材、ノウハウの支援を積極的に行ないます。
 タイ、ベトナムにおいては、引き続き収益改善に取り組みながら、現地パートナーとの連携を強め、市場規模拡大を推進します。中国においては、キリンホールデイングスと中国華潤創業との合弁会社である、華潤麒麟飲料(大中華)有限公司への支援を行ないます。


《社会との共生・CSR(社会的責任)の推進》
 事業を通じた社会課題の解決に取り組み、お客様の笑顔と社会の絆を育みます。震災後に関心が高まっている “食の安全・安心”の要望に応えるべく、品質保証体制のさらなる強化に努めるとともに、コンプライアンスの徹底や内部統制の体制も強化します。社会とのコミュニケーションとして、ホームページ内に「WEB品質保証室」を立ち上げ、より積極的な情報提供を推進していきます。

 キリングループ全体で推進している「低炭素企業グループの実現」に加え、「資源循環への取り組み」を進めます。容器にはメカニカルリサイクルペット原料と植物由来ペット原料を日本で初めて組み合わせた環境配慮型ペットボトルを2012年夏以降に導入し、資源循環による環境負荷の低減を目指します。また、包装資材・物流体制など、あらゆるバリューチェーンにおいて推進している「環境」をテーマとしたイノベーションを継続していきます。
 自動販売機事業では、新規採用の缶・PET自動販売機において、従来機に比べて消費電力量を削減できる「LED照明」、「ヒートポンプ機」を全台※に導入し、地球温暖化係数が限りなく「0」に近い「ノンフロン冷媒機」の採用を90%以上に導入することを目指します。
※技術的に導入が難しい薄型機/小型機を除く

 キリングループの取り組みである「復興応援 キリン絆プロジェクト」では、子供の笑顔づくり支援の一環として農業系高校生への奨学金支給を引き続き主軸となって進めます。また「JFA・キリンスマイルフィールド」などサッカーを通じた子供の夢実現もサポートしていきます。

 当社では、これらのお客様や社会からの信頼と期待に応え、持続可能な社会の実現に向けて、これらの様々な活動に取り組んでいきます。

 キリングループは「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。


【お問い合わせ先】
キリンビバレッジ お客様相談室 フリーダイヤル:0120-595-955
【キリンホームページ】
https://www.kirin.co.jp/