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KIRIN News Release

<参考資料>ホップに含まれる成分「β-ユーデスモール」飲用による自律神経調節作用を確認~飲用によりリラックス効果、グループ商品に展開中~

  • 研究開発
  • 2013年4月11日
  • キリン株式会社

キリン株式会社(社長 磯崎功典)の 健康技術研究所(所長 井上勝訓)と株式会社ANBAS(社長 大阪大学名誉教授 永井克也)は、ホップに含まれる成分β(ベータ)-ユーデスモールの飲用が自律神経活動を調節し、精神的ストレスにより生じる交感神経の過剰な興奮を抑制することで、リラックスやくつろぎ感をもたらす可能性を明らかにしました。この研究成果は、日本農芸化学会2013年度大会で3月27日に発表し、トピックス賞を受賞しました。β-ユーデスモールに関する研究では昨年もトピックス賞を受賞しており※1、2年連続の受賞となります。

ビール醸造に用いるホップは、芳香成分がビールの香味構造において重要な役割を果たしています。従来から、芳香成分における自律神経調節作用は知られていますが、その多くは比較的揮発性の高い成分によるもので、香りを嗅いだときの効果として報告されてきました。一方で、揮発性が低く、鼻から香りとして感じにくい芳香成分の機能性に関しては不明な点が多く残されていました。キリン社が伝統的に使用しているホップであるヘルスブルッカー種ホップ※2には、この低揮発性の芳香成分の一種であるβ-ユーデスモール※3が特徴的に多く含まれます。そこで、このβ-ユーデスモールに着目して試験を行い、「飲用したとき」の自律神経調節作用を確認しました。

  • ※2ハーバル・スパイシーな香りが特長の伝統的なアロマホップ
  • ※3ヒノキ様の爽やかな香りを持つ成分

まず、ラットにβ-ユーデスモールを経口胃内投与し、代表的な自律神経の活動変化を測定しました。その結果、身体の休息時に働く自律神経(副交感神経)である胃迷走神経の活動を有意に上昇させた一方で、活動時に働く自律神経(交感神経)である副腎交感神経の活動は有意に低下させました。この結果は、多くのホップ品種に共通して含まれる代表的な芳香成分のリナロールよりも高い効果でした。さらにヒト試験では、単純計算ストレス負荷による唾液中交感神経活動マーカーの有意な上昇が、β-ユーデスモール含有飲料水の飲用によって抑制されることも確認しました。

これらのことから、ヘルスブルッカー種ホップに特徴的に含まれるβ-ユーデスモールの飲用は、自律神経活動を調節し、精神的ストレス負荷による交感神経の過剰な興奮を抑制することで、リラックスやくつろぎ感をもたらす可能性があることが明らかになりました。β-ユーデスモールは、飲料をはじめとするキリングループ各社商品へ応用されており、今後の展開にも期待できます。

キリングループは「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。

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