2015年4月9日

2015年度「国連大学キリンフェローシップ」プログラムを支援
〜23期目を迎え、フェロー113名を受け入れサポート〜

　キリンホールディングス株式会社（社長 磯崎功典）は、キリングループが社会的課題の解決に取り組む共通のテーマである「食の安全・安心」および「健康」の一環として、アジアの抱える食糧問題の自主解決を目指した、食品科学研究員育成をサポートする「国連大学キリンフェローシップ」を本年も支援します。フェローは、それぞれの研究テーマについて1年間、茨城県つくば市にある食品総合研究所の指導のもと研究活動を行います。
　また、4月9日（木）に国際連合大学本部（東京都渋谷区）にて、2014年度フェローの研究成果発表会とプログラムの修了式を開催します。

　近年、アジア諸国は大きな経済発展を遂げていますが、一方で、慢性的な食糧・栄養不足などの多くの食糧問題を抱えています。このプログラムは、フェローたちが、食品科学分野における基礎研究・応用技術の研究を行い、習得した知識と技術を各々の国で普及させ、食糧問題の自主解決を図ることを支援し、ひいてはアジア諸国の振興・発展に貢献することを目的としています。当社は、「食と健康」を事業領域とするグループとして、1993年から継続的にこのプログラムを支援し、これまでアジア各国から毎年5名の研究員を受け入れています。23期目となる2015年度は、カンボジア、バングラデシュ、インドネシア、タイ、ベトナムの5カ国から新たなフェロー5名を受け入れ、累計で113名となります。

　「国連大学キリンフェローシップ」に参加する研究員は、アジアの各大学や研究機関の推薦を受けた優秀な代表者の中から、国際連合大学とその提携機関の一つである独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所により選出します。フェローたちは、同研究所で1年間の研修活動を行うほか、学会・国際シンポジウムなどへの参加を通じて見聞を広め、ネットワークを構築します。また、当社の研究所・工場ならびに国内の大学研究室などへの訪問を通じて、日本の文化や社会についての理解も深めていきます。1年間の研修活動を終えた後も、帰国後の研究開発に要するフォローアップ支援費を支給することで、日本とアジア諸国との学問領域を超えた長期にわたる交流に貢献します。

　キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。

「2015年度新フェロー」（2015年4月〜2016年4月予定）

エク　ソフィップ　＜カンボジア＞

所属

：カンボジア王立農業大学研究所　副学部長

研究テーマ

：カンボジアの発酵食品に関する微生物学的研究

ヤスミン　サビーナ　＜バングラデシュ＞

所属

：ダッカ大学　教授

研究テーマ

：遺伝子組換え作物の簡易・迅速検知手法の開発

ユリアナ　ナンシー　デビ　＜インドネシア＞

所属

：ボゴール農業大学　主任准教授

研究テーマ

：米糠由来の免疫調整機能を有する成分の同定

ウドムラティ　サンサニー　＜タイ＞

所属

：カセサート大学（IFRPD）　研究員

研究テーマ

：機能性食品成分を内包した単分散エマルションの作製と特性評価に関する研究

グエン　ティ　トゥエット　ニュン　＜ベトナム＞

所属

：バイオテクノロジー研究所　研究員

研究テーマ

：食品等の成分の生活習慣病改善効果に関する研究

「2014年度フェロー」（2014年4月〜2015年4月修了）

チュラン　リッチー　＜カンボジア＞

所属

：カンボジア王立農業大学研究所　講師兼研究員

研究テーマ

：カンボジアで生産される発酵食品に含まれる微生物学的危害因子の同定および制御

ラヒム　アブ　トラブ　＜バングラデシュ＞

所属

：ダッカ大学　栄養食品科学研究所（INFS）　教授

研究テーマ

：豆類や野菜類の脂質吸収抑制効果が期待される成分の解析

マナオイス　ロザリー　ヴァリェッホ　＜フィリピン＞

所属

：フィリピンライス研究所　主任研究員

研究テーマ

：野菜類と有色米の機能性に関する研究

スリヤム　スパワディー　＜タイ＞

所属

：ラジャマンガラ工科大学　講師

研究テーマ

：納豆菌のバクテリオファージ耐性に関する遺伝学的な研究

プシュパ　エス　マーシー　＜インド＞

所属

：国立中央食品技術研究所（CFTRI）　研究主幹

研究テーマ

：食品加工用糸状菌による食品副産物を用いたプロテアーゼ高生産