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[食領域]

<参考資料>芋焼酎「浅黄(うすき)うさぎ」の原料であるオレンジ系さつまいも
「ハマコマチ」の特徴香成分含有量に影響する栽培日数について確認

  • 研究・技術

2015年10月7日

メルシャン株式会社

メルシャン株式会社(社長 横山清)は、7月7日(火)に発売した新しいタイプの本格芋焼酎「浅黄(うすき)うさぎ」の原料であるオレンジ系さつまいも「ハマコマチ」について、苗を植えてから収穫するまでの日数が特徴香成分含有量に影響することを確認し、栽培210日前後で収穫すると特徴香成分が最大となることが分かりました。当社はこの研究内容を10月6日(火)および7日(水)に行われる「平成27年 日本醸造学会大会」にて発表します。

当社の本格焼酎製造蔵である八代不知火蔵では、焼酎の魅力を広げる新しい芋焼酎の開発を目指し、2012年に「八代不知火蔵芋焼酎プロジェクト」を始動しました。
“芋に触れ、芋を知る”という考えのもと、まずはじめに八代工場敷地内に小規模畑を開園しました。ブドウ栽培で培った経験を元に、定期的に芋を掘り出し、その成長度合いや成分組成の確認を行いながら、当社の求める品質に合致した収穫時期の見極めと麹原料の組み合わせの工夫により、柑橘香などの新たな香味特徴を持った商品を開発したのが「浅黄うさぎ」です。

メルシャン株式会社は、ワイン事業スローガン「ワインのおいしい未来をつくる。」のもと、ワインのある豊かな時間を通じて、人と人とのつながりを楽しんでいただけるよう、様々な提案を続けていきます。

  • 研究の概要
    • 「ハマコマチ」を含むオレンジ系さつまいも4品種を、熊本県の八代不知火蔵内試験圃場にて昨年5月上旬に植え付けして、栽培102日以降隔週で228日まで収穫。また、鹿児島県でも昨年4月中旬に植え付けした「ハマコマチ」を栽培約210日で収穫。各収穫品は凍結乾燥後にβカロテン※1量およびリナリル前駆体※2量を測定比較しました。
    • また、各収穫期の「ハマコマチ」を使用した玄米黒麹仕込み芋焼酎試作品を造り、焼酎中のβイオノン量とリナロール量を測定しました。
    • ※1 βカロテンとは、ニンジンの橙色成分として知られる赤橙色色素で、醗酵により特徴香成分であるβ-イオノンに変換される。
      生成されたβイオノンは、スミレの花のような芳香をもつことが知られている。
    • ※2 リナリル前駆体とは、醗酵中に麹菌の酵素作用により特徴香成分であるリナロールに変換される。生成されたリナロールは、ホップやマスカット、ベルガモットなどの主要香気成分として知られている。
  • 結果・考察
    • 「ハマコマチ」の特徴香成分含有量を最大とするには、栽培日数210日前後での収穫使用が最も適切であることが分かりました。
  • 「浅黄(うすき)うさぎ」について
  • (中味の特長について)
    • オレンジ系さつまいもの「ハマコマチ」を使用し、収穫時期の調整や麹原料の組み合わせにより、ネーブルオレンジなどの柑橘類やマンゴーのようなトロピカルな香りと甘い口当たりに仕上げました。
    • アルコール度数は20%と従来の本格焼酎よりやや低めで、注ぐだけで飲めるRTS(Ready to serve)のような感覚で楽しめる、女性でも飲みやすい味覚設計にしました。
  • (商品名の由来とパッケージについて)
    • 「浅黄」とは、日本の伝統色で赤みが薄い黄色の呼称で、芋の果肉のオレンジ色を表現しています。また、オレンジ系さつまいもにはニンジンと同様にβカロテンが多く含まれることから※3、ニンジンでイメージされる「うさぎ」も名称に用いました。
    • ラベルには「浅黄」の色を全面に配し、たわわに実る芋の中に見え隠れする「うさぎ」を描くことで、月夜に静かに楽しみたくなる、やわらかな味わいを想起させています。また、ボトルには女性でも注ぎやすい細い胴径の600mlガラス瓶を使用し、シンプルでスタイリッシュな雰囲気のデザインに仕上げました。
    • ※3 「ハマコマチ」100g中に含まれるβカロテンの量はニンジンの約2倍

発表の概要

1.発表演題名
芋焼酎の特徴香含有量に影響するサツマイモ品種ハマコマチの栽培日数について
2.学会名
平成27年 日本醸造学会大会
3.発表日
2015年10月7日(水)
4.発表場所
北とぴあ つつじホール
5.発表者
メルシャン株式会社

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