[食領域]
<参考資料>「2016年度農芸化学技術賞を受賞」
~「ウイルス感染防御機能を持つLactococcus lactis JCM5805の発見と事業応用」において~
- 研究・技術
2016年2月18日
キリン株式会社
キリン株式会社(社長 磯崎功典)と小岩井乳業株式会社(社長 堀口英樹)は、「ウイルス感染防御機能を持つLactococcus lactis JCM5805の発見と事業応用」において、公益社団法人日本農芸化学会が主催する「2016年度農芸化学技術賞」を受賞しました。同賞は、農芸化学分野で注目すべき技術的業績、かつ実用的価値がある業績をあげた会員に授与される※1ものです。
今回の受賞は、ウイルス感染防御機能に焦点を絞った手法によるLactococcus lactis JCM5805(プラズマ乳酸菌)※2の発見や、ヒトにおける効果の検証などの一連の研究を高いレベルで行ったこと、さらにヨーグルトや清涼飲料、サプリメントといったさまざまな商品形態で事業応用を進め、研究成果をお客様に還元していることが評価されたものです。
- ※1 2016年3月27日、札幌市教育文化会館大ホールにて授賞式ならびに受賞記念講演を実施
- ※2 以後、プラズマ乳酸菌(JCM5805)と表記
受賞研究の内容
- 1.受賞研究
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- 「ウイルス感染防御機能を持つLactococcus lactis JCM5805の発見と事業応用」
- 2.受賞者名
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- キリン株式会社 基盤技術研究所 藤原 大介
- 小岩井乳業株式会社 技術開発センター 城内 健太
- キリン株式会社 酒類技術研究所 杉村 哲
- キリン株式会社 基盤技術研究所 藤井 敏雄
- 3.受賞研究内容
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- 季節性インフルエンザや新興感染症の拡大などウイルスに関連したリスクは飛躍的に増大しつつあります。一方、ウイルス感染防御機能を統括するプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)が見つかり、大きな注目を集めています。
- 研究グループは、pDCを活性化するような乳酸菌が見つかれば、有用なウイルス感染リスク低減技術になり得ると考え、探索を行った結果、プラズマ乳酸菌(JCM5805)を見出しました。
- また、その後の動物実験でプラズマ乳酸菌(JCM5805)摂取による効果を確認し、続くヒト試験では、冬季の健常者におけるプラズマ乳酸菌(JCM5805)摂取が、風邪・インフルエンザ様症状を有意に低下させることを確認しました。
今後も乳製品・清涼飲料をはじめ、さまざまな商品への応用と、さらなる機能の解明に取り組んでいきます。
キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。
プラズマ乳酸菌(JCM5805)のヒトにおける風邪・インフルエンザ様症状に対する効果
2013年に、被験者213名を2グループに分け、10週間プラズマ乳酸菌(JCM5805)含有ヨーグルト飲料を飲用していただき、医師による診断および自覚症状を調査しました。その結果、風邪・インフルエンザ様症状である咳、熱っぽさの項目がプラセボ飲料グループと比較して有意な低下を示しました。

風邪・インフルエンザ様自覚症状に対するプラズマ乳酸菌(JCM5805)含有ヨーグルト飲料摂取の効果
Br J Nutr 3: 1-7(2015)