[食領域]
「ASEV 日本ブドウ・ワイン学会 2016年大会」にて論文賞を受賞
~「ワインの胡椒様香気成分ロタンドンに関する研究」について~
- 研究・技術
2016年11月25日
メルシャン株式会社
メルシャン株式会社(社長 横山清)は、キリン株式会社(社長 磯崎功典)のワイン技術研究所と共同で研究した「ワインの胡椒様香気成分ロタンドンに関する研究」に関する2つの論文ついて、「ASEV※ 日本ブドウ・ワイン学会2016年大会」にて論文賞を受賞しました。当社はこの論文内容について11月25日(金)および26日(土)に行われる「ASEV日本ブドウ・ワイン学会2016年大会」にて受賞講演します。
- ※ American Society For Enology & Viticulture
- 発表表題
- ワインの胡椒様香気成分ロタンドンに関する研究
- 研究の概要
- ワインに含まれる胡椒様香気成分ロタンドンの新たな定量法を確立し、また、本化合物を生合成する酵素の遺伝子(CYP71BE5)を世界で初めて発見することで、その機能を解明しました。本化合物はフランスのローヌ地方を原産地とするブドウ品種、シラーから醸造されたワインで初めて発見され、シラーワインの特徴香の1つとされています。同じシラーワインのなかでもテロワールの違いによってその含有量に差があることが知られています。
- また、日本で栽培されたシラー(マリコヴィンヤード、長野県)にも多く含まれていることが確認されました。本発見は、なぜ他の品種と比べてシラーがスパイシーな特徴をもつのか、なぜテロワールによってスパイス香の強さが異なるのかを解明するための手掛かりとなります。
- 受賞論文タイトルについて
- Analysis of rotundone in Japanese Syrah grapes and wines using Stir Bar Sorptive Extraction(SBSE)with heart-cutting two-dimensional GC-MS
- Cytochrome P450 CYP71BE5 from grapevine(Vitis vinifera)catalyzes the formation of the spicy aroma compound,(-)-rotundone
- 「ASEV 日本ブドウ・ワイン学会(ASEV JAPAN)と論文賞について
- 「ASEV 日本ブドウ・ワイン学会」は、ブドウやワインに関する研究と技術の発展を目指し1984 年に創設されました。研究発表会、シンポジウム、総会の開催、日本ブドウ・ワイン学会誌の発行、セミナーの開催、諸外国との積極的な国際交流などの活動に加え、アメリカ合衆国デイビス市に本部のあるアメリカブドウ・ワイン学会(ASEV)の日本支部として活動しています。
- 論文賞は、ASEVあるいはASEV JAPANの学会誌に掲載され、日本における今後のワイン産業の発展に貢献することが期待される論文に対して授与されるものです。
- 受賞者
- キリン株式会社 R&D本部ワイン技術研究所 高瀬 秀樹
メルシャン株式会社は、ワイン事業スローガン「ワインのおいしい未来をつくる。」のもと、ワインのある豊かな時間を通じて、人と人とのつながりを楽しんでいただけるよう、さまざまな提案を続けていきます。
発表の概要
- 1.発表演題名
- 「ワインの胡椒様香気成分ロタンドンに関する研究」
- 2.学会名
- ASEV 日本ブドウ・ワイン学会 2016年大会
- 3.発表日
- 2016年11月25日(金)~26日(土)
- 4.発表会場
- 山梨大学甲府キャンパス(山梨県甲府市)
- 5.発表者
- キリン株式会社 R&D本部ワイン技術研究所 高瀬 秀樹