長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」を策定

~食から医にわたる領域で価値創造し、世界のCSV先進企業へ~

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2019年02月14日

キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)は、“構造改革による、キリングループの再生”から新たな成長を目指し、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(以下、KV2027)」およびKV2027の実現に向けた最初の3カ年計画として「キリングループ2019年-2021年中期経営計画(以下、2019年中計)」を策定しました。

長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」

キリングループは、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」において、定量目標を全て達成し、基本方針として掲げた“構造改革による、キリングループの再生”を実現しました。一方、キリングループを取り巻く環境は、先行きの見通しがますます困難になってきており、国内外で経営に影響を及ぼす様々な社会課題が顕在化してきています。このような中、持続的な成長を実現するには、CSV※1経営の深化により社会的価値と経済的価値を創出し、社会と共に歩んでいくことが不可欠です。
こうした認識のもと、キリングループは、2027年までに「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指す長期経営構想KV2027を策定し、2019年からスタートしました。CSV経営のもと、「酒類メーカーとしての責任」を前提に、重点課題「健康」「地域社会・コミュニティ」「環境」に一層高いレベルで取り組みます。(詳細は、「長期非財務目標『キリングループCSVパーパス』を策定」リリース参照)
「食から医にわたる領域での価値創造」に向けては、既存事業の「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、2つの中間領域にあたる「医と食をつなぐ事業」を立ち上げます。「医と食をつなぐ事業」は、これまでキリングループが培ってきた組織能力や資産を生かし、キリングループの次世代の成長の柱として育成していきます。また、社会課題をグループの成長機会に変える「イノベーションを実現する組織能力」を強化し、持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオを構築していきます。

  1. Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造。

KV2027全体構造

  • KV2027全体構造

KV2027の実現に向け、お客様や社会からみたキリングループの存在意義をシンプルに表現するために、新しいコーポレートスローガン「よろこびがつなぐ世界へ」を制定しました。キリングループが提供する価値を「よろこび」に、「人」や「社会」をつないでいく意志を「つなぐ」に、そしてキリングループがめざす「世の中」「社会」にお客様と一緒に進んでいく意味を「世界へ」に込めています。

新コーポレートスローガン

  • KIRIN

「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」

2019年中計は、KV2027で掲げている「食から医にわたる領域での価値創造」の実現に向け、一層強固な事業基盤と新たな礎をつくる3カ年と位置付けます。「食領域」(酒類・飲料事業)のさらなる収益力強化と「医領域」(医薬事業)での飛躍的な成長により、盤石な成長の基盤を築きます。同時に、将来の成長機会・事業領域の拡大に向けて「医と食をつなぐ事業」を立ち上げ、育成します。

食から医にわたるキリングループの事業領域

  • 食から医にわたるキリングループの事業領域

KV2027と2019年中計の関係

基本方針

新たな成長を目指した、キリングループの基盤づくり

重要課題

  1. <成長の基盤> 既存事業の利益成長
  2. <将来の成長機会> 「医と食をつなぐ事業」の立ち上げ、育成
  3. <成長の原動力> イノベーションを実現する組織能力の強化

重要成果指標

財務目標※2

  • 平準化※3EPS(1株当たり利益)
    年平均成長率 5%以上
  • ROIC※4
    2021年度 10%以上
  1. 財務指標の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算における各年度の為替変動による影響等を除きます。
  2. その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整をしています。
  3. 利払前税引後利益 /(有利子負債の期首期末平均+資本合計の期首期末平均)

非財務目標

  • キリングループCSVコミットメント
    「長期非財務目標 『キリングループCSVパーパス』を策定」リリース参照
  • 企業ブランド価値※5
    2021年度 2,200百万米ドル以上
  • 従業員エンゲージメント
    2021年度 72%以上
  1. インターブランドジャパン社「ブランドランキング」におけるKIRINブランド価値評価を使用します。

重要課題への取組み

1. <成長の基盤> 既存事業の利益成長

「食領域」収益力のさらなる強化

(1) キリンビール社

「一番搾り」や昨年ヒットした「本麒麟」などの主力ブランドへ集中的に投資し、ブランドポートフォリオをさらに強固にします。日本産ホップの支援やタップ・マルシェ※6など、キリン独自の取り組みを通じたクラフトビールの拡大にも継続して注力し、ビールカテゴリーの魅力化・成長を目指します。また、消費税増税や嗜好の多様化による市場の変化に対応すべく、RTD※7カテゴリーのさらなる強化を図ります。

  1. キリンビールが開発した1台で複数種類のクラフトビールが提供できるディスペンサー。
  2. Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料。
(2) ライオン社酒類事業

豪州ビール市場における成長カテゴリーでブランド力を高めると同時に、クラフトコーヒーやKombucha等のノンアルコール飲料事業を展開していきます。

(3) キリンビバレッジ社

基盤ブランド「午後の紅茶」「生茶」「ファイア」への重点投資を継続します。また、基盤ブランドを含めた「無糖・健康領域」の強化による価値創造を成長ドライバーとして、利益創出を目指すとともに、海外キリングループなどと連携した事業機会や輸出拡大も検討していきます。

(4) ミャンマー・ブルワリー社

主力ブランド「ミャンマービール」「アンダマン ゴールド」を中心に、効果的なマーケティング投資により市場でのプレゼンスを高めます。同時に、マンダレー・ブルワリー社を含めたミャンマー全体での最適な生産・物流体制を構築し、ビール市場全体の拡大を上回る成長率の実現を目指します。

(5) クラフトビールなどの海外事業展開

酒類・飲料事業の成長に向け、クラフトビールを中心とした海外事業展開を加速させます。クラフトビールのブランド開発・育成に強みを持つライオン社が中心となり、高付加価値カテゴリーにおいて競争優位なビジネスモデルの構築を目指します。

「医領域」飛躍的な成長の実現

(6) 協和発酵キリン社

グローバル戦略品を成長ドライバーとし、「グローバル・スペシャリティファーマ」への飛躍を実現します。新たなグローバル組織体制への移行を推進し、キリングループの中期的な成長を牽引するとともに、新たなグローバル品の開発や新薬候補の充実にも取り組みます。

2. <将来の成長機会> 「医と食をつなぐ事業」の立ち上げ、育成

医と食の両面で強みを持つキリングループの高機能素材を活用した事業の展開強化と独自のビジネスモデル構築により、充足されていない健康課題の解決に貢献します。お客様一人一人に向けた商品・サービスを提供する事業を複数立ち上げ、将来におけるキリングループの新たな成長の柱として育成します。

3. <成長の原動力> イノベーションを実現する組織能力の強化

持続的成長を実現するため、「ブランド」「研究開発」「情報化」「人材・組織」などの無形資産への継続的投資を実行していきます。キリングループの技術力を結集・駆使し、常に社会課題を意識したマーケティング力を発揮することができる、イノベーションを実現する組織能力を強化していきます。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。

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