[食領域]
~キリングループ独自技術の「ホップアロマ製法※」活用で、自然なホップ香気を持つプリン体オフのビール系飲料の開発につながる成果~
2019年9月19日
キリンホールディングス株式会社
キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典、以下キリンHD)の酒類技術研究所(所長 井戸田裕二)は、キリングループ独自技術「ホップアロマ製法」の活用により、世界で初めて「ホップによるプリン体低減効果」を発見しました。本研究成果は、「第71回日本生物工学会」にて、9月17日(火)に発表しました。
本研究成果により、これまで以上にビールに近い自然な香味のプリン体オフのビール系飲料を楽しめるようになると期待されます。
研究背景
これまでキリンビールでは、プリン体の含量が少ない原料を選抜し、酵母のプリン体生成を抑える発酵法等を用いることで、プリン体ゼロとおいしさを両立したビール系飲料を開発してきました。キリンHD酒類技術研究所は、さらなるおいしさを追求すべく、新しい製法の開発に着手しました。
研究内容
ビール系飲料において、ビールらしい自然な香りや飲みごたえには原料である「ホップ」や「麦汁」は重要な役割を果たしています。しかし、これらの原料を増量するとプリン体も増加してしまうため、味づくりにおける課題となっていました。そこでキリンHDの酒類技術研究所では「ホップ」に関する様々な研究を行い、「ホップ」自身にプリン体の1種である「アデノシン」を「アデニン」に分解する活性があることを見出しました。
「アデニン」はビール原料の1つであるビール酵母によって消費されるため、「ホップ」の分解活性を利用すればプリン体を低減することが期待できます。しかし、通常のビール製法では「ホップ」は煮沸工程で高温にさらされるため、「アデノシン」分解活性を失ってしまいます。そこで、この活性を維持するため、すでに既存商品に活用されている「ホップアロマ製法」を用いて、低温で実施される発酵工程で「ホップ」を添加したところ、プリン体の低減を実現することができました。
研究成果
「ホップ」にプリン体の1種である「アデノシン」を「アデニン」に分解する活性があることを世界で初めて発見し、キリングループ独自技術である「ホップアロマ製法」を活用してプリン体の低減を実現しました。
これらの知見を生かすことで、これまで以上にビールに近い自然なホップ香気をプリン体オフのビール系飲料において楽しむことができるようになると期待されます。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
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