[食領域]

キリングループ工場でユビテックの安全見守りサービス「Work Mate」の実証実験を開始

~スマートウォッチ※1で熱中症を含む従業員の安全・健康状態を検知~

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  • 研究・技術

2021年8月19日

キリンビール株式会社

キリンビール株式会社(社長 布施孝之、以下 キリンビール)と株式会社ユビテック(社長 大内雅雄、以下 ユビテック)は、キリンビール工場とキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所で、ユビテックが提供する従業員の安全見守りサービス「Work Mate(ワークメイト)」を活用した実証実験を7月から開始します。本実証実験では、キリンビール工場の従業員がスマートウォッチを着用し、「Work Mate」がスマートウォッチを通じて従業員の脈拍などを収集・分析することで、熱中症をはじめとした従業員の安全・健康状態を検知します。
※1 Apple Watch、Tic Watch

1.実証実験の背景と目的

キリングループでは、健康経営の実現の一環として従業員の安全・衛生の確保を最優先とした職場環境の整備に努めています。キリングループとユビテックは、2019年に先行してキリンビバレッジ滋賀工場にて、全従業員を対象に「Work Mate」の実証実験を実施し、従業員の転倒・転落の検知および健康管理など一定の効果を得られました。この結果を踏まえて、今回キリンビールを対象に「Work Mate」を導入して実証実験を行います。
キリンビールでは、製造現場作業における労災事故の早期発見・未然予防の実現を目指し、これまで従業員の転倒防止などの安全・衛生を重視した体制づくりをしてきました。一方で、猛暑日の増加にともなう熱中症による救急搬送者数が年々増加傾向※2にあるように、工場現場における熱中症リスクも高まっています。今回、熱中症予兆の検知機能が付加された「Work Mate」を活用することで、従業員の安全性のみならず、健康状態を“見守り”の対象に加えて実証実験を行います。
※2 平成22年以降毎年5万人程度で推移していたところ、平成30年には9万5千人超(5月~9月)、令和元年には7万1千人超(5月~9月)、令和2年には6万4千人超(6月~9月)の搬送者数が報告されている(消防庁報告より)

2.実証実験の内容

スマートウォッチを従業員が着用し、「Work Mate」で従業員の脈拍などデータの収集・分析をすることで、作業現場における安全管理の有効性、正常性、利便性の検証を実施します。
(1)実施場所※3:
キリンビール取手工場・横浜工場・神戸工場、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所
※3 7月1日時点での実証実験対象場所であり、今後増える可能性がある
(2)実施期間:
2021年7月~2021年10月
(3)実施方法:
1工場あたり6名が業務時間内にスマートウォッチを着用し、効果検証を行う
(4)実証実験システム構成:

  • <システム構成イメージ>

(5)検証項目:

検証項目 検証内容
1.転倒検知の検証 ・業務中に発生した転倒検知を確認する
・誤検知発生時のキャンセルが適切にできるか確認する
2.健康検知の検証 ・業務中に発生した熱中症予兆検知を確認する
・業務中に発生した体調不良(体調レベル、疲労レベル、身体負荷)検知を確認する
3.操作性の検証 ・画面の見やすさ、操作の容易性を確認する
・充電のしやすさ、業務中利用への利便性を確認する
・残業含めた業務時間での動作を確認する

3.「Work Mate」の特徴・機能

※「熱中症予兆検知」について
・実証で得たバイタルデータから熱中症の「予兆」を検知するアルゴリズムをユビテックが独自開発
・日々のバイタルデータの個人特性をAI学習して、精度が進化し続けていく
・回復状態も検知し、現場での適切な休憩および現場復帰を促す

4.今後の展開

昨今、少子高齢化にともない国内の労働人口の減少が社会課題となる中、職場環境の改善と従業員の安全・健康を守ることは急務となっています。今回の実証実験で、従業員の安全・健康状態の管理・検知に効果が認められた場合、キリンビールは各工場での展開を、ユビテックはさらなる外販を目指します。
キリンビールとユビテックは、今後も安全安心な職場環境の構築に貢献することで、社会課題の解決を目指します。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。

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