[ヘルスサイエンス領域]

独自素材「L.ラクティス プラズマ」が新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルスの増殖を抑制する研究成果をタイの国際学会で発表

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  • 研究・技術

2025年11月4日

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志、以下キリン)のヘルスサイエンス研究所(所長 村島弘一郎)は、マレーシアのマラヤ大学・熱帯感染症研究教育センター(TIDREC、Senior Professor Sazaly AbuBakar主任教授)との共同研究で、独自素材「L.ラクティス プラズマ」がインフルエンザウイルス(H1N1)や新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖を抑制することを新たに明らかにしました。本研究成果は、タイのバンコクで開催された第20回アジア太平洋臨床微生物学・感染症会議(APCCMI)(2025年11月2日(日)~4日(火))で発表しました。
当社はこれまでの研究において、L.ラクティス プラズマによる免疫細胞の刺激が、蚊が媒介する熱帯感染症の病原ウイルスとして知られるデングウイルス(DENV)、チクングニアウイルス(CHIKV)、ジカウイルス(ZIKV)※1、乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因ウイルスとして知られるロタウイルス※2の増殖を抑制することを報告しています。今回の成果と併せることで、L.ラクティス プラズマが少なくとも6種類のウイルスに対して効果を示す可能性が確認されたことになります。
今回の知見は、L.ラクティス プラズマが複数の呼吸器ウイルスに対して感染予防効果を発揮する可能性を裏付けるものです。世界的なパンデミックを経て、ウイルスの流行時期の変動や複数のウイルスの同時流行といった状況が顕在化しており、新たな予防の重要性はますます高まっています。当社は今後も免疫研究を深化させ、科学的根拠に基づいた「免疫ケア」※3の価値を創出することで、人々の健康と安心に貢献してまいります。
※1 Low ZX, et al, Microorganisms 12(11):2304, 2024.
※2 Jounai K, et al, Int Immunopharmacol 56:205-211, 2018.
※3 規則正しい生活・バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動など免疫を意識した健康的な生活習慣を行うこと

研究成果

L.ラクティス プラズマで刺激した健常者由来の免疫細胞の培養上清を段階的に希釈し、インフルエンザウイルス(H1N1)と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した細胞に添加したところ濃度依存的な抗ウイルス効果が確認されました。

  • 図1 インフルエンザウイルス(H1N1)

  • 図2 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)

得られた示唆

L.ラクティスプラズマは、免疫細胞の司令塔pDCを活性化し IFN-αを誘導することが知られています。本研究成果により、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどの呼吸器ウイルス全般の増殖を抑制することで、ウイルス種に依らない幅広い感染予防効果を発揮する可能性が示唆されました。

今後の展望

今後、日本、及び国際的に感染症の課題となっているその他のウイルスに対しても、L.ラクティス プラズマの効果を検証し、その可能性をさらに明らかにしてまいります。

キリングループは自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、心豊かな社会に貢献します。

参考データ

2024年に公開された論文(The Antiviral Effects of Heat-Killed Lactococcus lactis Strain Plasma Against Dengue, Chikungunya, and Zika Viruses in Humans by Upregulating the IFN-α Signaling Pathway.Microorganisms. 12(11):2304, 2024.)において、L.ラクティス プラズマによる免疫細胞の刺激が、蚊が媒介する熱帯感染症の病原ウイルスとして知られるデングウイルス(DENV)、チクングニアウイルス(CHIKV)、ジカウイルス(ZIKV)に対する抗ウイルス効果が確認されています。

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