トップメッセージ

2024年3月28日

キリンホールディングス株式会社
代表取締役社長 COO
最高執行責任者

南方みなかた 健志たけし

キリンホールディングス株式会社代表取締役社長 COOの南方健志です。
キリングループは、100年以上前から継承してきた資産である発酵・バイオテクノロジーを中心とした技術力と、長い歴史の中で受け継がれてきた品質・安全、お客様価値を創出するマーケティング力、そしてそれらを徹底する誠実さにより、お客様によろこびをお届けしてきました。
そして今、その資産をさらに活用し、社会課題を戦略の中心に据えて社会価値・経済価値を生み出し、グローバルで存在意義が認められる「世界のCSV先進企業」を目指しています。

私はキリンビールの生産部門取手工場に入社して以降、様々な現場で組織・会社を跨いで業務に取り組んできました。例えば「キリン一番搾り生ビール」の開発の際に、「二番搾り」を使用しないという前例のない新製法を、工場の現場でメンバーと試行錯誤しながら導入に関わったこと、また、東南アジアの海外子会社駐在時に、エネルギーみなぎる現地社員とワンチームで事業を成長させ喜びを分かち合ったことなどの経験は、今でも忘れがたく、私の大きな糧となっています。

2018年からはヘルスサイエンス事業に携わりました。キリンが発酵・バイオテクノロジーを応用し医薬事業に参入して40年以上かけて成長させてきたように、ヘルスサイエンス事業を当グループ「第3の柱」として育成することに強い使命感をもち、取り組んできました。

どの事業においても、「ものづくりの楽しさ」を大切にしてきました。新しいチャレンジを通じてお客様によろこんでいただくことが、メーカーの一員としての生きがいであり、私たちの原点であると考えています。

直面する課題に一つ一つ向き合い、真摯に対応するという現場を重視した経営スタイルが自分の強みです。泥臭いと言われるかもしれませんが、今後もこのスタイルは変えず、ステークホルダーのみなさまと対話を深めながら、課題に対応しグループの成長を実現していきます。

社会を取り巻く環境が大きく変化する中、経営戦略実行に求められる人財も変化しています。当グループにおいても事業ポートフォリオの転換により、新たな柱であるヘルスサイエンス事業はもちろん、食領域、医領域の既存事業でも、ビジネスの転換や新領域へのチャレンジが必須です。だからこそ、私たち一人ひとりが専門性を高め、各領域のプロフェッショナルとして強みを発揮する必要があります。私たちそれぞれの力を高めることでブランド投資の質が向上し、企業の成長につながります。「人財」こそ、価値創造・競争優位の源泉と改めて認識し、その価値を最大限引き出すことが私の使命です。

さて、厳しい経営環境が続いた2023年度に、グループとして過去最高益を達成できたことは、事業ポートフォリオ経営の成果が表れた年と言えます。しかし、世界のCSV先進企業となるためには、一段と高いレベルで実行力とスピードを上げる必要があります。2024年度は、ブランドと人財への投資を一層強化し、食や医の既存事業とヘルスサイエンスの新規事業の両立を果たし、グループとして利益ある成長を目指します。

ステークホルダーのみなさまからの期待に応えられるよう、当グループの先頭に立ち、全力を尽くします。今後とも、ご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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