コミュニケーションのリスク
アルハラは人権侵害行為
アルハラとは、アルコール・ハラスメントの略で、飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害を指します。
飲酒の強要
上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むことです。

イッキ飲ませ
場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせることです。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すことで、早飲みも「イッキ」と同じです。

意図的な酔いつぶし
相手がお酒に弱いのを知っていて、酔いつぶすことを意図して無茶な飲み方をさせることです。
飲酒の強要やあおりは命をも脅かす危険な行為であり、急性アルコール中毒になれば「過失傷害罪」、死亡すれば「過失致死罪」に問われます。
また、酔いつぶれた仲間に必要な保護をせずに死に至らしめた場合、「保護責任者遺棄致死罪」に問われることもあります。
飲めない人、飲まない人への配慮を欠くこと
本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、などです。
酔ったうえでの迷惑行為
酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為です。
出典
イッキ飲み防止連絡協議会「アルハラの定義5項目」「イッキ飲み法律学」
ついうっかりは許されない
お酒を飲み、感覚が麻痺すると大声になりがちです。自分ではいつもと変わらないと思っていても、周りの人は迷惑と感じることもあります。また、お酒を飲んで気が緩んでしまい、業務上の機密情報や、誹謗中傷やウワサ話など、軽率に話してしまう可能性もあります。帰りの電車やタクシーの中でもハメをはずさずに、社会人としてふさわしい行動をとっているか、常に意識しましょう。

「酔っているから」「酔った勢い」でしてしまった迷惑行為は、ノリで許されるものではなく、誰かを知らずに傷つけてしまうこともあります。被害にあわせない、被害を未然に防ぐためにも、正しくスマートにお酒と付き合いましょう。
お酒を飲んでもルールは守る
適量は一人ひとり異なります。お酒の飲めない体質の人には無理にすすめてはいけません。
お酒の席だからといって、お酒を言い訳にしてルールを守らず、羽目を外しすぎた行為は、一緒に飲んでいる人たちの気分を害することもあります。社会人としてふさわしい行動をとるよう心がけましょう。
例えば、イッキ飲みなどで大量のアルコールを一時に摂取すると、血中のアルコール濃度が急激に上昇し、急性アルコール中毒を起こす恐れがあります。場を盛り上げようとして、自らイッキ飲みをしたり、相手に強要することは絶対にやめましょう。酔って暴言を吐いたりからむなどの迷惑行為も禁止です。
また、お酒やお酌の強要や女性へのボディタッチなどはハラスメントにあたります。妊娠中や授乳期間中の女性には、赤ちゃんに悪影響を及ぼすため、お酒をすすめてはいけません。

無理にすすめられたときは
お酒を飲まない人、飲みたくない人、体質的に飲めない人などがお酒の席に参加する機会もあるはずです。
お酒を「飲む」、「飲まない」は個人の選択ですから、無理にすすめられた場合は、あいまいに濁すことなく、「私は飲みません」「今日は飲みたい気分ではありません」「お酒が飲めない体質です」「お酒が弱いので飲めません」と断る勇気を持ちましょう。
お酒を飲めないこと、飲まないことは、悪いことでも空気が読めないことでもありません。