~「第239回 American Chemical Society(アメリカ化学会)」で発表~ |
メルシャン株式会社(本社:東京、社長:植木 宏)は、ワインと魚介の組み合わせにおける「生臭み」は「におい」であり、ワイン中の「鉄」が関与することを解明しました。
この結果により、ワイン中の「鉄」が魚介料理に作用して発生する「生臭み」は、鼻で感じている、つまり「におい」に起因していることが明らかになりました。 またこの発見は、魚介料理に油脂を使用すると、「生臭み」成分が口中で拡散するのを抑制するため「生臭み」を感じなくなるという、2009年に発表した研究結果(2009年8月26日ニュースリリースNO.09044参照)を裏付けるものともなりました。 2001年に開始した「ワインと魚介の組み合わせで発生する生臭み」に関する研究は、現在もメカニズムの解明に向けて継続していますが、これまで発表した研究成果は、業界や国を越えて注目を集めています。 研究内容の一部をまとめ2009年に発表した論文「Iron is an essential cause of fishy aftertaste formation in wine and seafood pairing」は、「American Chemical Society(アメリカ化学会)」が発行する学会誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載、さらに同学会が発行する34の学術誌などの中で、インパクトのある研究が毎週紹介され、2000部発行されているニュースリリース「ACS Press Pac(2009年10月21日号)」でも取り上げられました。 さらに分野を越えて、イギリスの経済誌「The Economist」(2009年10月31日-11月6日号)にも紹介されました。 国内においても、研究の一部を2009年「日本ブドウ・ワイン学会」にて発表し、「大会発表賞」を受賞(2009年11月26日ニュースリリースNO.09055参照)しています。 また、「甲州」ブドウからつくられるワインには統計的に「鉄」が少ないという調査報告があり、刺身や寿司など素材を活かす「和食と甲州ワイン」との相性の提案にも活かしたいと考えています。 当社は、今後もこの研究をさらに進化させ、科学的根拠に基づいた、より明確で具体的な「ワインと料理のマリアージュ」の提案に活用し、お客様に“ワインのある豊かで潤いのある幸せな時間”を紹介していくことで、ワイン市場、食文化発展に貢献していきます。 【発表の概要】
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以 上
2010年3月15日(リリースNO.10012)
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