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プラスの電荷を持つ新しい重合開始剤※1に関する研究成果2題が
第27回ポリマー材料フォーラムにて「優秀発表賞」を受賞!

  • 研究・技術

2019年2月1日

キリン株式会社

キリン株式会社(社長 磯崎功典)の基盤技術研究所(所長 出内桂二)は、プラスの電荷を持つ新しい重合開始剤に関する研究成果2題がともに、公益社団法人 高分子学会が主催する第27回ポリマー材料フォーラム※2において「優秀発表賞」を受賞しました。今回受賞した研究成果は、高分子学会のHPおよび会誌「高分子」2月号に掲載されます。

  • ※1 高分子の合成を開始する際に必要な化合物。重合反応の種類によって適切な開始剤の使い分けが必要となります。
  • ※2 2018年11月21日(水)~22日(木)に開催。

優秀発表賞受賞①

  • 受賞研究
    「新規イミダゾリウム系カチオン性ラジカル重合開始剤による細胞内移行性のある無毒性蛍光ナノゲル温度計の開発」
  • 研究の概要
    イミダゾリウム骨格を持つ新たなカチオン性ラジカル重合開始剤を設計・合成し、プラスに帯電した極小ポリマー粒子(カチオン性ナノゲル)の簡易合成法を開発した。この方法で合成したカチオン性ナノゲル温度計は、混ぜるだけで細胞内に入り、細胞内の温度を測定することができる。さらに、ナノゲル温度計は、細胞分裂や細胞分化も阻害せず、安定に保持され続ける特徴がある。
  • 受賞者
    キリン株式会社 R&D本部 基盤技術研究所 辻 俊一

優秀発表賞受賞②

  • 受賞研究
    「新規イミダゾリウム系カチオン性ラジカル重合開始剤による機能性ポリマーの創出」
  • 研究の概要
    当社が開発したイミダゾリウム骨格を持つ新たなカチオン性ラジカル重合開始剤を用いて合成した各種ポリマーに、優れた機能があることを明らかにした。合成したポリスチレンをフィルム状に加工、もしくはガラス表面へコーティングしたところ、その表面は黄色ブドウ球菌に対する強い抗菌性を示した。また、ポリメタクリル酸メチル粒子は、毛髪や皮膚へ強い吸着を示しつつ、かつ生体に対して極めて低刺激という特徴がある。
  • 受賞者
    キリン株式会社 R&D本部 基盤技術研究所 小泉 英樹

ポリマー材料フォーラムは、産学協同を目途とした材料に関する研究発表と交流のためのシンポジウムで、高分子材料の応用に関する最先端の研究を発表する場です。同賞は、研究の内容をはじめ、ポスターパネル表示の分かりやすさ、プレゼンテーションの良否、質疑応答の対応などが総合的に高く評価された演題に与えられます。
今回受賞の対象となった当社が開発したプラスの電荷を持つ新しい重合開始剤は、医薬や創薬はもちろん、それ以外の幅広い分野での活用可能性が期待されます。社会課題の1つである「健康」に対してグループで取り組んでいる当社は、新たな重合開始剤の活用方法および活用パートナーの探索を進めながら、さらなる研究開発を進めていきます。

キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。

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