「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」改訂

~持続可能な生物資源を利用している社会の構築を目指して~

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2021年9月3日

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)は、生物資源に関する中長期的行動指針を示した「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」を7月に改訂しました。
当社は自然の恵みを原材料に、自然の力と知恵を活用して事業活動を行っており、生物多様性の保全は 重要な経営課題であると認識し、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を契機とした「キリングループ生物多様性保全宣言」の策定、原材料農産物のリスク評価の上で2013年に策定した「キリングループ持続可能な生物資源調達ガイドライン」「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」(2017年に改訂)の下で取り組みを進めてきました。
直近の生物資源に関する取り組み事例として、2020年末には、国内の飲料事業が使用する全ての紙容器でFSC®認証紙使用比率100%を達成しています。また、自然と作り手を守りながら、より持続可能な農法に取り組むと認められた農園に対して与えられるレインフォレスト・アライアンス認証(www.rainforest-alliance.org/lang/ja)取得を支援する取り組みでは、スリランカ全土の認証取得済み紅茶大農園の約3割に相当する93農園がキリンの支援で取得している実績を元に、本年8月に初めてスリランカの認証農園の茶葉を90%以上使用した「キリン 午後の紅茶 ストレートティー」250ml 紙パック(LLスリム)を発売するなどの成果を達成してきました。
この度、外部環境の変化や従来の行動指針の達成状況なども踏まえ、「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」を再度改訂しました。対象品目を追加し、対象事業地域を拡大して、さらに対応を加速させていきます。

「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」(2021年改訂版)

紅茶

キリンビバレッジ株式会社が使用する紅茶葉の主要な原料生産地であるスリランカで、紅茶農園の持続可能性向上を目指します。

・調達先のスリランカの紅茶農園のレインフォレスト・アライアンス認証取得を支援し、認証取得農園数を増やしていきます。※1
・レインフォレスト・アライアンス認証マーク付きの通年商品で認知度を向上させます。
・スリランカの紅茶農園にある水源地を保全します。

2020年に達成したキリンホールディングス株式会社、キリンビール株式会社、キリンビバレッジ株式会社、メルシャン株式会社でのFSC®認証紙または古紙の使用比率100%を継続し、海外を含めたグループ会社全体に拡大していきます。

・紙製容器包装※2は、2030年までに持続可能性に配慮したことが確認された紙※3を100%使用します。※4
・その他の紙は、持続可能性に配慮したことが確認された紙、または古紙を使用します。※5

パーム油

国内事業が1次原料および2次原料として使用しているパーム油について、RSPO認証証明取引を利用して100%対応します。

・1次原料はRSPOの認証クレジット※6を利用して対応します。2030年までにはRSPO認証パーム油※7の調達を開始し、順次切り替えていきます。
・2次原料は、RSPOの認証クレジットを利用して対応します。RSPO、サプライヤー、NGOおよびさまざまなステークホルダーと連携し、調達先がRSPO認証パーム油を原料として使用できるように取り組みを行っていきます。

コーヒー

キリンビバレッジ株式会社が使用するコーヒー豆の主要な原料生産地であるベトナムで、コーヒー農園の持続可能性向上を目指します。

・ベトナムのコーヒー農園のレインフォレスト・アライアンス認証取得を支援し、認証取得農園数を増やしていきます。
・ベトナムのコーヒー農園の保水能力を向上させます。

大豆

キリンビール株式会社が使用する大豆およびその加工品※8において、持続可能性の高い農園の大豆を使用していきます。

・調達先の大豆農園を特定します。
・特定した大豆農園の持続可能性を確認します。

FSC® C137754

※1:具体的な目標はCSV(Creating Shared Valueの略、お客様や社会と共有できる価値の創造)コミットメントで定めます。
※2:限定商品、少量品種、特殊な形状、輸入品、 法によって規制された商品等は除きます。
※3:FSC認証紙を優先し、困難な場合はFSC管理木材(コントロールウッド)、PEFC認証(持続可能性が確認された地域に限る)、キリングループ持続可能な生物資源調達ガイドラインに適合する紙の順とします。また認証等がない紙を使用する場合は、調達先へのアンケート等によって、持続可能性への配慮を確認します。
※4:対象事業会社は、キリンホールディングス株式会社、キリンビール株式会社、キリンビバレッジ株式会社、メルシャン株式会社、協和キリン株式会社、協和発酵バイオ株式会社、Lion Pty Ltd、小岩井乳業株式会社とします。対象となる容器の種類や達成年等はCSVコミットメントで定めます。
※5:対象事業会社は※4の対象事業会社に加えて、キリングループロジスティクス株式会社、キリンシティ株式会社、Interfood Shareholding Company、Myanmar Brewery Ltd、Four Roses Distillery, LLCとします。具体的な目標は各社で定めます。
※6: Book and Claim方式
※7:IP(Identity Preserved)、SG(Segregation)、MB(Mass Balance)のいずれかに適合するもの
※8:大豆タンパク

キリングループにとって農産物を中心とした生物資源は、最も重要で基本的な原材料であり、調達先農園や地域での環境や人権への配慮は欠かせません。さらに、TCFD※9提言を踏まえて実施しているシナリオ分析では、気候変動が原材料の農産物の収量や品質に大きな影響を与える可能性が確認されています。
※9:The Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略。

生物資源に関する、当社代表取締役社長 磯崎功典のコメントは下記の通りです。
「キリングループは、自然資本を起点としたビジネスを営む企業として、2010年に「キリングループ生物多様性保全宣言」を発表して以降、バリューチェーン上流の主に原料農産物に関わる環境や人権の問題に早くから課題認識をもって対応してきました。今年から来年にかけて開催される生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)においても、リーダーシップを発揮して持続可能な生物資源を利用している社会を目指し取り組んでいきます。」

今後は、本行動計画を各事業会社で目標化し、持続可能な生物資源を利用している社会の構築を目指して、取り組みを進めていきます。

今後もキリングループは、豊かな地球の恵みを将来にわたって享受し引き継ぎたいという思いを、バリューチェーンにかかわる すべての人々と共につないでいくために、さまざまな社会課題に対する取り組みを積極的に進めていきます。

<参考>
キリングループ環境ビジョン2050

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