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キリングループの価値創造基盤マーケティング基盤

持続的な成長を支えるキリングループのマーケティング

キリンが目指すのは、常にお客様起点で企業活動を統合したマーケティングです。“Quality with Surprise”は品質本位のDNAを受け継ぐ価値創造のキーワードで、キリンのマーケティングの基本となる考え方です。これを具現化し、お客様起点でマーケティングを組み立てるプラットフォームがグループ共通のマーケティングフレーム“Kirin Way for (4) Brand Building(KW4BB)”です。
CSVとデジタルマーケティングは、お客様起点でマーケティングを推進するドライバーです。社会にとっての価値をお客様にとっての価値として実現するとともに、最新のデジタルを駆使してマーケティング全体をお客様起点で最適化させ、さらに進化させていきます。
キリンの最大の資産は、長年の歴史の中で育んできたお客様との絆です。これからも徹底してお客様の側に立ってイノベーションを生み続けることで、持続的成長を実現していきます。

  • “Quality with Surprise”は日本綜合飲料事業における価値創造のキーワードで、徹底してお客様のそばに立ち続け、卓越したものづくりでお客様の新しい経験を生み出す(よいモノで、よいコトをつくる)という、キリンのマーケティングの基本となる考え方。
キリン株式会社 執行役員 ブランド戦略部長 坪井 純子

マーケティング基盤におけるキリンの優位性

KW4BBは、グループで蓄積してきた知見をベースに、世界のマーケティング・エクセレント・カンパニーの事例も参考にしながら独自に組み立てました。これを活用し、ライオンや日本綜合飲料事業では各ブランドのターゲットとなるお客様のインサイト※1とプロポジション※2を再構築し、インサイト・ファーストのマーケティングへ転換を図ったほか、海外で展開する「KIRIN ICHIBAN」にも応用しています。「生茶」は発売時のDNAに根差したリニューアルを行い、お客様起点で統合したコミュニケーションでKW4BBを実践し、お客様の大きな支持を得て、ブランド力向上による価値の創出に結び付けました。
CSVをドライバーとするマーケティングでは、お客様と一緒に地域の誇りを応援する盛り上がりを生み出した「47都道府県の一番搾り」などユニークな取り組みを進めています。
またデータによってお客様を深く理解し、ブランド体験を深めるのがデジタルマーケティングです。「キリン 氷結®」はデジタルも駆使した統合コミュニケーションで、ブランドの若返りに成功しました。

当社の資産であるお客様との絆をさらに強固にするためには、これからも事業に携わる全従業員でブランドを構築していく必要があります。今後は、KW4BBへの理解を深めるプログラム等を通じて、全従業員にお客様起点の発想を深く根付かせます。それにより、様々なイノベーションを生み出し、「よいモノで、よいコトをつくる」基盤を強化していきます。

  • ※1お客様が口に出されるとは限らない、心の奥にある本音。
  • ※2インサイトに応えるブランドならではの提案。
グループ共通のマーケティングフレーム KW4BBの全体像

これから強化すべきこと

デジタルマーケティングでは他業界からも注目される成果を出しています。
マス×デジタル×リアルのコミュニケーションを連携させた統合型マーケティングが加速し始め、特に「一番搾り」や「氷結®」、「淡麗グリーンラベル」では若年層も含めて大きな話題を呼ぶことに成功し、ブランドのみならず企業イメージの向上にも寄与しています。また、独自のECサイト「DRINX」はお客様との価値共創のプラットフォームとして特に酒類に関与度の高いお客様との関係構築をはじめ、クラフトビールや日本ワイン、ウイスキーのブランド育成においても新しいマーケティングモデルを築いています。
こうしたマーケティング活動で得られたお客様の行動データを蓄積し、一人ひとりのお客様にパーソナライズした最適なブランド経験を提供することでお客様との持続的な関係を構築していきます。また、デジタルデータを駆使して効果検証を高度化することでマーケティングROI の向上を図るとともに、AIなどの最新技術の積極導入やビッグデータの活用により、マーケティングの革新にも取り組んでいます。
お客様一人ひとりとブランドとの継続的な関係をデジタルで築く時代です。そしてブランドを支え、新たなイノベーションを生み出すのは人の力です。最新の技術を駆使したデジタルマーケティングをドライバーに、マーケティングの組織能力をさらに高めるとともに、一人ひとりのお客様との関係を深め、マーケティングをさらに深化させていきます。

Brewer's Selection

GREEN NAME

事例:「シャトー・メルシャン」を日本ワインの牽引役に

マーケティングとCSVを統合し、社会にとっての価値を、お客様にとっての価値として実現するのが、キリンのマーケティングの強みです。
メルシャンでは、世界で日本ワインへの注目が高まる中、日本ワインの原料となる国産ブドウの品質向上と、ブドウ畑の拡大に長期的な視点で取り組んでいます。長野県にある椀子(マリコ)ヴィンヤードでは、適地適品種を目指したブドウ栽培が、遊休荒廃地の活用につながっています。ワインづくりを通じて日本の農業と地域の活性化に貢献することで、地元に愛され、誇りを持ってもらえるブランドとして育てていきます。さらに、「シャトー・メルシャン」を通じて、日本ワインの品質をより広く伝え、より多くのお客様にお届けすることで、日本ワインの世界的評価を高めることに貢献していきます。