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価値創造報告CASE2 グローバル医薬品の展開

RESEARCH &
DEVELOPMENT

独自の抗体医薬技術を活かして
画期的な新薬の創製に挑戦。

RESEARCH & DEVELOPMENT 独自の抗体医薬技術を活かして 画期的な新薬の創製に挑戦。

グローバル・スペシャリティファーマを目指して

協和発酵キリングループは、医療用医薬品、バイオケミカルの分野で事業を展開し、世界の人々の健康と豊かさに貢献する高品質な商品を提供しています。
その中核となる協和発酵キリンでは、「日本発のグローバル・スペシャリティファーマ(GSP)」への飛躍を目標に、強みである「抗体技術」を核とした最先端のバイオテクノロジーを駆使して、新薬の研究・開発に注力。腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経を重点カテゴリーに定め、「次世代抗体医薬」「新たな低分子創薬」「核酸医薬」「再生医療」という4大創薬モダリティを展開することで、画期的な新薬の創製に取り組んでいます。

4大創薬モダリティの展開

希少疾患の新たな治療への道を開く「KRN23(ブロスマブ)」

GSPへの飛躍に向けた協和発酵キリンのグローバル戦略品の1つがX染色体遺伝性低リン血症(XLH)の治療薬として開発している「KRN23(ブロスマブ)」です。XLHは血液中のリンやビタミンDが減少し、骨の成長・維持に障害をきたす難病。発症頻度が2万人に1人といわれる希少疾患で、患者さんの多くは成長不全や夜眠れないほどの痛みに苦しんでいます。現在の治療法は、リンやビタミンDを補充する対症療法に限られており、頻回な服薬が必要なだけでなく、腎石灰化という副作用も伴います。
こうした中、協和発酵キリンは、ヒト抗体産生技術を活かしてXLHなどの疾患に関与する因子(FGF23)の作用を抑制する抗体医薬品「KRN23」を創製しました。KRN23は、高い安全性と、血清リン濃度を正常域に上昇・維持させるなどXLHに対する優れた有効性を示しており、新しい治療への道を開く治療薬として注目が集まっています。

「KRN23(ブロスマブ)」イメージ

グループ内外一体でのイノベーションを推進

協和発酵キリンは、KRN23など画期的な新薬を創製するために、社外の情報・知見を積極的に活用するオープンイノベーションを推進しています。また、KRN23に関しては、希少遺伝疾患に特化した商品開発で強みをもつ米国の製薬会社Ultragenyx社と2013年から協業し、事業化に向けた取り組みを加速。2018年には欧米での承認を得て、販売を開始する予定です。さらに今後、日本をはじめアジア・オセアニアでの開発もスピード感をもって進めていきます。
KRN23の事業化を通して、協和発酵キリンでは、グローバル販売体制の整備をはじめGSPへの飛躍に向けた基盤を強化するとともに、グループ内外一体となったイノベーションをさらに推進していきます。今後も社会における様々なニーズを理解し、イノベーションによる画期的な新薬の継続的な創出を目指します。