2019年の戦略的決定/健康戦略担当役員メッセージ

  • 特集 ヘルスサイエンス領域の成長戦略

2019年の戦略的決定

直面する課題と機会を十分に議論/評価し、持続的な成長を実現すべく、重要な戦略的決定を実施

  • 直面する課題と機会を十分に議論/評価し、持続的な成長を実現すべく、重要な戦略的決定の実施図

健康戦略担当役員メッセージ

ヘルスサイエンス領域の育成をさらに加速させていきます

  • 常務執行役員健康戦略担当 吉村 透留

キリングループは、「2019年中計」のもと持続的な成長を目指して「ヘルスサイエンス領域」の育成を図っています。キリンは創業以来一貫して発酵・バイオテクノロジーをコア技術とし、酒類・飲料事業だけではなく、医薬事業にも強みをもつ、世界でも類を見ない企業グループに進化してきました。この強みである技術力を最大限に活用し、高まる健康ニーズに応えることによって成長を実現していく――これがヘルスサイエンス領域の育成に注力する最も大きな目的です。

食・医・ヘルスサイエンスが一体となった企業グループとして、一般消費ニーズから治療まで、人々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上に貢献するため、イノベーティブな商品・サービスを提供していきます。

また、ヘルスサイエンス領域の育成を通じて、既存事業のさらなる成長にも取り組んでいきます。知見のない分野に打って出るのではなく、発酵・バイオテクノロジーというコアの強みを活用できる領域、すなわちシナジーを発揮できる領域で、環境変化に合わせてビジネスモデルを進化させることで、これまでリーチできていなかった顧客層を獲得し、グループとしての成長を加速していきます。

ヘルスサイエンス領域の育成にあたっては、グループ内に不足している組織能力を積極的に外部から獲得しています。2019年は、応用研究、ブランド、販売チャネルなどで補完関係にあるファンケルがグループの一員となり、進捗は計画以上であると考えています。

2020年はさらにスピードアップを図るために、キリンホールディングスの経営企画部内に「健康事業推進室」を新設しました。健康事業推進室は、飲料であればキリンビバレッジ、サプリメントであれば協和発酵バイオやファンケルというように、各事業会社を見渡し、ヘルスサイエンス領域全体の統括と戦略策定を行うとともに、ファンケルとのシナジー実現、さらなる新事業の立ち上げも担います。

また、協和発酵バイオの事業再生についても、健康事業推進室が主体的に関与していきます。同社の生産技術や保有する素材は、社会にとって必要性の高い資産であると考えています。事業再生を果たし、持続的な供給体制を再整備するとともに、同社が保有する複数の高機能素材のパイプラインを通じて新たな価値を創造することで、経済的価値を創出していきます。

私は醸造部門からキャリアをスタートしました。その後、複数の部門を経て経営企画業務に携わってきています。キリンの発酵・バイオテクノロジーのすばらしさや可能性を理解し、これを最大限に生かしたいという強い想いもあります。グループ全体の現状や経営を取り巻く内外環境を把握する担当役員として、ヘルスサイエンス領域全体の計画達成にコミットしていきます。