免疫領域のリーディングカンパニーとして、世界の人々の健康維持に貢献する

  • 健康

2022年07月19日

  • 免疫領域のリーディングカンパニーとして、世界の人々の健康維持に貢献する

  • CSVコミットメント 免疫機能の維持支援 生活習慣病の予防支援 代表的な成果指標と目標値: プラズマ乳酸菌の国内外の継続摂取人数=190万人(2024年)  SDGsターゲット 3.3

  • CSVコミットメント 免疫機能の維持支援 生活習慣病の予防支援 代表的な成果指標と目標値: プラズマ乳酸菌の国内外の継続摂取人数=190万人(2024年)  SDGsターゲット 3.3

キリングループは、長期経営構想キリングループ・ビジョン2027(KV2027)を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指しています。世界の人々の健康維持に貢献するためにヘルスサイエンス事業を強化することを掲げ、35年以上の免疫研究をもとに発見したプラズマ乳酸菌を使用した商品を主力商材と位置付け展開しています。当社グループでは体調管理に資する新生活習慣の一つとして、機能性表示食品の届出が受理されている「iMUSE」ブランドを中心とした「免疫ケア食品」による「食での免疫ケア」を推奨しています。

健康な人の免疫機能の維持をサポートするプラズマ乳酸菌を発見

当社グループでは、祖業であるビール事業の醸造技能を究めると同時に発酵の主役である微生物を深く研究し続けてきました。そして2010年、免疫の司令塔の一つであるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)を直接活性化する乳酸菌を世界で初めて発見しました。これがプラズマ乳酸菌です。

免疫の仕組みはその複雑さから解明されていない点も多く、免疫機能の維持を実証することは難しいとされています。そのような中で私たちは、ヒト試験を含む全30もの膨大なプラズマ乳酸菌に関する論文(※)というエビデンスをこれまでに積み重ねてきました。その実績を生かして、2020年8月にプラズマ乳酸菌を用いた「iMUSE」ブランドにおいて、日本の歴史上で初めて免疫の機能性表示食品の受理を実現しました。これを契機にプラズマ乳酸菌を配合した商品群を機能性表示食品として販売し、売上も右肩上がりで順調に伸長しています。今後も私たちは当社グループのもつさまざまな知見と経験を活用し、プラズマ乳酸菌を通じて多くの人々の健康課題への貢献を目指していきます。

  • 2022年6月時点

啓発活動と認知拡大を両輪で推進

当社の調査では、2020年11月からの1年間において、どの世代においても8割前後の方が免疫に対する関心や意識が「強くなった」「やや強くなった」と回答しています。当たり前ですが人間が本来持つ「免疫機能」はとても重要です。外敵が侵入するとまず、人間の体に元々備わっている免疫システムによって自然免疫が働き、次に獲得免疫が働いて外敵を排除、さらにはメモリー細胞をつくることで、一度かかった病気にかかりにくくなります。こうした免疫機能を高める取り組みが「免疫ケア」です。

社会全体では「免疫」への関心が高まっているにもかかわらず、「免疫」の維持のために実際に行動している人は3割程度と少数派です。こういった背景を受けて、健康な人の免疫機能の維持をサポートするプラズマ乳酸菌という独自素材を持っている当社グループは、より一層免疫ケアの大切さを啓発していくと同時に、プラズマ乳酸菌を手に取りやすい環境を創出することが大切だと考えました。つまり、免疫領域のリーディングカンパニーとして免疫市場そのものを創造すべきだと考えたのです。そのために、プラズマ乳酸菌におけるマーケティングの軸には、「免疫ケアの重要性を啓発すること」と「プラズマ乳酸菌の認知を拡大すること」を両輪で推進することを据えています。

「免疫ケアの重要性の啓発」においては、国や行政との連携や、ワクチン接種会場、学校授業などの場を活用して取り組んでいます。また、「プラズマ乳酸菌の認知拡大」においては、お客様に展開する機能性表示食品の機能や効果を理解いただく広告・広報活動を展開し、信頼を得ることで売上拡大につなげていくことを目指しています。

さらに、2022年中計の非財務指標の中には「プラズマ乳酸菌の機能認知率」や「プラズマ乳酸菌の国内外の継続摂取人数」を掲げ、この指標はキリンホールディングスの役員報酬とも連動しています。プラズマ乳酸菌をはじめとしたヘルスサイエンス事業の育成にグループの総力を注ぎ、社会課題の解決を通じて自社の経済的価値の最大化を目指していきます。

国内外で広がる商品ラインアップ

「免疫ケア」という市場を創出して拡大するためには、免疫ケアの大切さをお客様にご理解いただくための啓発活動を続けながら、より手に取りやすい商品を開発し、また日常の習慣として続けやすいものにする必要があります。

プラズマ乳酸菌関連商品は、2020年11月に日本初の「免疫」を表示した機能性表示食品として発売しました。その後キリンビバレッジが、お客様認知の高い「生茶」や「午後の紅茶」ブランドのプラズマ乳酸菌入り飲料や、キリンとして初めての100mlの小容量ペットボトル商品を発売しました。さらに「iMUSE」ブランドとして、サプリメントや、小岩井乳業からヨーグルトを販売しています。またパートナー企業ともコラボレーションし、お菓子やプロテインなど幅広い商品ラインアップにプラズマ乳酸菌を配合することで、より多くのお客様に手軽にプラズマ乳酸菌が摂取できる環境を整えました。その結果、2022年5月時点で、プラズマ乳酸菌の機能性表示食品は計28品まで拡大しています。

  • プラズマ乳酸菌シリーズ「iMUSE」

海外でも、ベトナムや米国などでの商品拡大が進んでいます。ベトナムで飲料製造・販売をしているインターフードでは2019年から「キリン iMUSE」の販売を始め、2022年より販売エリアを拡大しました。ブランドの顧客接点が拡大したこと、ベトナムにおける免疫に対するリテラシーが向上したことなどから好調に推移し、2022年3月末時点で既に2021年の年間販売数量を突破しています。今後もベトナムにおけるプラズマ乳酸菌の認知拡大と健康意識向上へ向けて、政府の取り組みなどへ積極的に参画していく方針です。米国でも、2022年5月時点でプラズマ乳酸菌を配合した商品7社9商品が購入可能になるなど、海外でもプラズマ乳酸菌が広がっています。

2021年度の国内外におけるプラズマ乳酸菌関連事業の年間販売金額は前年比約166%を記録しており、機能性表示食品の届出受理を機に直近2年で順調に成長しています。「世界のCSV先進企業」に向けたヘルスサイエンス事業のさらなる成長を目指し、当社グループでは、事業会社を跨ぎヘルスサイエンス領域の戦略・事業連携を統括する「ヘルスサイエンス事業本部」を新たに設置しました。これにより、グループ内のシナジー創出に向けたガバナンス体制の強化、戦略の浸透・実行のスピード向上を図ります。

また、日本の食品メーカーでは初めてソーシャルボンドの発行を決めました。さらなる健康課題の解決へ向けて、生産設備の増強や研究活動に投資を行う予定です。今後も、戦略の実行度を高めることで持続的に成長し、KV2027および2022年中計の目標達成を目指します。

プロフィール

勢村 祐美

キリンホールディングス株式会社
ヘルスサイエンス事業本部
ヘルスサイエンス事業部
マーケティンググループ 主査
2017年からキリンビバレッジにて「iMUSE」のブランドマネージャーを担当。現在はキリンホールディングスにてヘルスサイエンス事業全体(免疫、脳・活力領域)のプロジェクトリーダーを務める。

※所属(内容)は掲載当時のものになります。

価値創造モデル

私たちキリングループは、新しい価値の創造を通じて社会課題を解決し、
「よろこびがつなぐ世界」を目指しています。

価値創造モデルは、キリングループの社会と価値を共創し持続的に成長するための仕組みであり、
持続的に循環することで事業成長と社会への価値提供が増幅していく構造を示しています。
この循環をより発展させ続けることで、お客様の幸せに貢献したいと考えています。