技術力を事業に生かす知財活動の推進

知的財産の活用を通じて 幅広い価値を生み出す担い手に

キリングループは、食、ヘルスサイエンス、医にわたる領域において知財活動を推進しています。

各領域で創出された知的財産を経営資産の一つと位置づけ、その知的財産の活用によりお客様価値を創出し、同時に第三者権利の尊重と事業の自由度確保をもって、持続的な成長を実現していきます。

事業・R&D・知的財産が三位一体となり知的財産戦略を強化

キリンホールディングスは、キリングループ2022-2024年中期経営計画(2022年中計)および長期経営構想キリングループ・ピジョン2027(KV2027)の実現に向け、知的財産戦略を推進しています。事業・R&D・知財が一体となり、これまで培ってきた技術を商品・サービスの価値へ変換してお客様に届ける、いわゆる「事業とR&Dをつなぐ価値創出モデル」の実現により持続的な成長を目指します。事業戦略とR&D戦略をシームレスにつなげ、価値の創出を続けていきます。

また、多角的な分析結果に基づいて、KV2027の最終年度である2027年の財務目標の達成に必要となる知的財産を特定し、将来の事業開発や権利獲得に必要なR&Dリソースへの配分につながる活動にも力を入れています。さらに、重要な資産である商品デザインの独創性を高めるために積極的な投資を行い、デザイン性の高い容器包材・飲料サーバーなどの権利も獲得しています。

ヘルスサイエンス領域の特許強化を着実に推進

当社グループにおける特許は、容器・包装、酒類・清涼飲料からなる「食領域」と、抗体、医薬化合物を中心とした「医領域」、さらに「ヘルスサイエンス領域」を加え広く分布しています。特にヘルスサイエンス領域では、2020年よりキリンホールディングスと協和発酵バイオとの間でR&D機能の統合を進め、「免疫」「脳機能」「腸内環境」といった重点領域でのR&D活動を一層強化しています。

また、協和キリン(医領域)や協和発酵バイオ、ファンケル(ヘルスサイエンス領域)などと協働したR&D活動にも取り組んでいます。

当社グループが保有する特許は、既存の「食領域」「医領域」に加え、「ヘルスサイエンス領域」にも着実に拡大しています。今後も新たな価値を創造し、「健康」にまつわる社会課題の解決と、持続的な成長を目指していきます。

  • ▲キリングループ保有特許の変遷(俯瞰図
    ※VALUENEX株式会社の監修に基づき、VALUENEX Radarを用いて作成

  • ▲キリングループ保有特許の変遷(俯瞰図
    ※VALUENEX株式会社の監修に基づき、VALUENEX Radarを用いて作成

知財活用を深化し、健康課題の解決へ

キリングループは約35年前から免疫に関する研究を行っています。2010年には、世界で初めて※1免疫の司令塔であるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかける乳酸菌を発見し、キリンホールディングス・小岩井乳業・協和発酵バイオおよび国内外の大学・研究機関と共同で多くの論文・学会発表をしています※2

こうした研究成果を基にプラズマ乳酸菌を使用した商品は、2020年に日本で初めて※3免疫機能の機能性表示食品として届出公表されました。また用途特許をはじめとする基本特許も取得し、知的財産の資産化を進めています。

現在は、「自社での知財活用」と「外部パートナー企業とコラボレートした知財活用」を両輪で進めています。機能性(免疫)に関する用途特許は、グループ内での商品開発のほか社外にも広く導出しており、より幅広いお客様の健康課題の解決に貢献しています(現在販売中のプラズマ乳酸菌シリーズの商品数※4:国内29商品)。

今後も必要となる知的財産権の確保や適切な維持管理を通じて、国内外でのさらなる「免疫」市場の拡大および財務・非財務目標の達成に貢献していきます。

  1. ヒトでpDCに働きかけることが世界で初めて論文報告された乳酸菌(PubMedおよび医学中央雑誌Webの掲載情報に基づく)
  2. ヒト臨床試験15報を含む30報の学術論文など(2022年3月現在)
  3. 免疫機能の機能性表示食品として届出公表された日本初のブランド
  4. 2022年3月現在。機能性表示食品のアイテム数

「つくりたてのおいしさ」を届けるために 食領域でも知財活用を促進

「キリン ホームタップ」は、工場つくりたてのビールのおいしさをご自宅の専用ビールサーバーで楽しんでいただけるキリンビールの会員制サービスであり、キリンビールの成長エンジンの一つと位置付けています。一番搾り最上位ブランドの「一番搾りプレミアム」や話題の「クラフトビール」など、つくりたての生ビールを専用ペットボトルに充填し、おいしさを保ったままご自宅にお届けしています。

このサービスに使用している専用ビールサーバーは、お客様のご自宅のインテリアに馴染むデザインに拘り、また、専用ペットボトルは高い品質安定性維持のために薄膜技術をはじめとした複数の要素技術を詰め込んでいます。これらを意匠、特許で保護することで、キリン独自のサービス提供につなげています。

今後も、技術開発、および知財活用を推進することで、キリン独自のサービスを構築し、お客様への価値提供に貢献していきます。

  • お客様主語のマーケティングの更なる進化による企業価値向上

医領域での知的財産の取り組み