キリングループ人権方針の浸透

キリングループ人権方針の浸透

キリングループは人権の尊重を経営における最重要課題の一つとして位置付け取り組んでいます。グループの人権についてのコミットメントである「キリングループ人権方針」を役員・従業員の一人ひとりに浸透させ、働きやすい職場の実現に向けて、役員向け研修・階層別研修及び全従業員向けの人権啓発研修等を毎年継続して実施しています。

また、グループ会社ごとに人権窓口担当者を配置し相談窓口も整えています。人権窓口担当者は「人権担当者育成講習会」「人権研修研究会」「ハラスメント相談窓口担当者研修」を通しスキルアップを図り、各社における人権意識の向上の推進と、実効性のある相談窓口の運営を行っています。

グループおよび各社の人権取り組みの実効性の確認として、毎年に「人権意識調査」を実施し、調査結果を分析して従業員の意識の変化や解決すべき課題を把握し、その後の取り組みに活かしています。

階層別人権啓発研修

人権尊重の理解と実践に向けて、トップ層・新任経営職・新入社員に対する階層別研修を毎年継続して開催しています。
役員を中心としたトップ層に対しては、人権の今日的な課題を理解するため、外部の専門講師を招いた講演会を行い、経営に反映しています。新任経営職に対しては、改めて多様性の尊重及び差別やハラスメントが無い職場についての気付きと、「ビジネスと人権」では自社の人権だけではなくバリューチェーンや周辺コミュニティの人権課題についても学び、人権を自分ごととしてとらえる機会を提供しています。新入社員は、キリングループが人権に取り組む理由やキリングループの人権方針について学びます。

全従業員向け人権啓発への取り組み

全従業員に対しては、毎春に「ハラスメント撲滅月間」を開催しており、ハラスメントの撲滅に向けてグループ全体の人権推進担当役員が務める人権啓発推進委員長からのトップメッセージの発信に加え、全従業員が「ハラスメント研修」をオンラインで受講します。また、希望する各職場ではグループワークを実施し、職場内でお互いに意見交換を行い、ハラスメントを撲滅する風土を醸成しています。

毎秋には、全従業員が「人権啓発研修」を受講し、こちらも希望の職場ではグループワークを実施しています。
2023年は、2022年に引き続き「ビジネスと人権」をテーマにし、2023年に改定したグループ人権方針の理解浸透を行いました。

また、毎年12月の世界人権デーにちなんだ人権週間に向けて、人権標語コンテストも実施し、全従業員だけでなくその家族も標語コンテストに参加し、2023年はグループ合計で5,300名以上から8,000件近い標語が提出されました。従業員一人一人はもちろんのこと、その家族も一緒に人権について理解を深める機会としています。

トップ層人権啓発研修

特に階層別研修のなかでもユニークな取り組みである「トップ層人権啓発研修」は、国内のグループの社長・役員を対象に毎年開催しています。外部講師を招き、人権問題の今日的課題を理解し、企業経営の基盤に人権尊重の考え方を据えることの重要性について、理解を深め経営に反映させています。

トップ層人権啓発研修 過去テーマと講師一覧(直近5年)
年度 テーマ 講師名(敬称略)
2019年 SDGsを自分事に
 ~誰ひとり取り残さない持続可能な社会を目指して~
国連 広報センター所長 根本かおる
2020年 アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)から考えるダイバーシティ
~アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の影響と対応策~
アパショナータinc. 代表&コンサルタント パク・スックチャ
2021年 バリアバリュー 障害を価値に変える 株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内 俊哉
2022年 改めてダイバーシティ& インクルージョンの意義を考える 元厚生労働事務次官 村木 厚子
2023年 ビジネスと人権~人口急減と米中対立下における企業経営~ ILO駐日代表 高﨑 真一

■2023年トップ層人権啓発研修の様子(左:会場全体写真 右:ILO高﨑氏)

  • ILO高﨑氏の写真

  • 会場全体写真

合弁パートナーへのキリングループ人権方針の説明(フィリピン事業、中国飲料事業※1、ミャンマー事業※2

キリングループは、合弁パートナーとのパートナーシップは、雇用の創出や所得の向上、地域社会の取り組みを通じて、地域社会やその国の経済に持続的な利益をもたらす可能性があると考えています。
これらのパートナーシップは、キリングループ人権方針に対する合弁パートナーの支援を求めていくことを含め、環境、社会およびガバナンス(ESG)に関する
国際的なベストプラクティスを共有する機会として捉えています。
キリングループ人権方針の策定後、フィリピン、ミャンマー、中国における合弁パートナーに対して、キリングループ人権方針に対する理解と支援を得るための説明を行いました。
今後も人権尊重の活動に向けて、勉強会の開催等継続して理解を深める活動を行っていきます。

  1. 中国飲料事業は2022年に合弁会社の持分を売却し関係を解消。
  2. ミャンマー事業は2023年に合弁会社の持ち分を売却し関係を解消。

サプライヤー説明会の開催

キリングループの事業全体にわたる人権尊重を進める上で、サプライチェーン上の人権への取り組みにはサプライヤーとの協働が重要であると我々は考えています。
具体的な活動として、キリングループ人権方針を反映した「キリングループ持続可能なサプライヤー規範」を制定し、サプライヤーへ人権尊重の遵守を依頼しています。また、人権への配慮についてのサプライヤーの理解を深めるため、定期的なサプライヤー説明会を開催しています。

グループCSV委員会での人権に関する意見交換

キリングループでは、CSVを積極的・自主的に推進していくために、原則年3度、キリンホールディングス社長が委員長となり、主要事業会社の社長も委員として出席しグループCSV委員会を開催しています。

2020年度の当委員会では、“サプライチェーンにおける人権への対応”に関して意見交換を行いました。

当日の主な議論
  • ビジネスパートナー・NGO・投資家などのステークホルダーから、サプライチェーンにおける人権への対応が要請され、企業のレピュテーションにも影響を及ぼす。
  • 特に取引先からの要請が高まっており、いずれ消費者の意識も変化していく。
  • サプライチェーンにおける課題は、取引先の経営課題でもあるため、協働して取り組むことが重要となる。
  • 今後の取組みは、業界トップレベルを目標とし、取組み検討のプロジェクトチームを立上げ、組織として取り組んでいく。

キリングループ プライバシーデータ保護ポリシーの制定

人権尊重の実践を進めていく上で「個人情報保護」は重要な取り組みテーマの1つとして捉え、「キリングループ プライバシーデータ保護ポリシー」を制定しており、人権を尊重する経営をより一層推進していく取り組みとして当基本方針に従い実践しています。