「責任ある飲酒」と「イノベーション」を推進する

  • 酒類メーカーとしての責任

2023年06月05日

  • 「責任ある飲酒」と「イノベーション」を推進する

  • 関連する持続的成長のための経営諸課題 ・アルコール関連問題への対応 SDGsゴール 3

  • 関連する持続的成長のための経営諸課題 ・アルコール関連問題への対応 SDGsゴール 3

ライオンはお客様に責任ある飲酒に関する情報を提供し、ご自身の目的に合った選択をしていただけるよう、酒類メーカーの先頭に立ち、アルコールの有害摂取の根絶に向けて、「酒類事業の持続性」と「イノベーション」「業界団体やコミュニティとの協働」に取り組んでいます。

責任ある飲酒への取り組み

当社は、未成年者※1への酒類製品のマーケティング、広告、販売の根絶は非常に重要だと考えています。その実現に向けて、世界の主要酒類メーカーが参画する国際 NPO組織「IARD(International Alliance for Responsible Drinking)」と連携するとともに、自社の酒類製品に未成年の飲酒禁止を伝えるメッセージを自主的に表示しています。

また当社は、ニュージーランドの消費者の目的に合った選択と責任ある飲酒を推進するために、アルコールの心身に及ぼす影響について専門的な知見を提供する啓発プログラム「Alcohol&Me」を10年前から実施しています。「Alcohol&Me」はオンラインモジュール※2や職場でのワークショップで実施でき、動画での講義、クイズ形式、対話型デモンストレーション、自身の飲酒習慣の振り返りなどの多彩な素材を提供しています。

2013年4月に社内ワークショップとして開始した同プログラムは、これまでニュージーランドの成人40万人以上(飲酒可能年齢である18歳以上の人口の10%、1日当たり平均100人相当)に受講いただき、責任ある飲酒を啓発してきました。受講者からは総じて高い評価を得ており、受講後のアンケートでは89%の受講者から「受講後に飲酒習慣が変わった」、95%の受講者から「プログラムを他の人に勧めたい」とのご回答をいただいています。さらに、「従業員にとって非常に有益でインタラクティブなワークショップになった」「飲酒に対する誤った認識を正す強力なツールになると思う」といったコメントが数多く寄せられました。当社はニュージーランドでの好評を受けて、オーストラリアでも同プログラムをスタートさせました。今後も受講者を継続的に増やすことで、不適切な飲酒によるさまざまな問題の防止に努めていきます。

加えて、当社のビジョンと考えが一致する業界やコミュニティとも連携しています。オーストラリアでは2005年以来、適正飲酒の推進に取り組む独立した非営利団体「DrinkWise Australia」のメンバーとして活動する一方、ニュージーランドでは演劇形式で未成年の飲酒リスクを伝える「SMASHED Program」を支援する業界団体「Tomorrow Project」と連携しています。「SMASHED Program」では学校の教員や生徒を対象に、未成年者の飲酒の危険性や、未成年飲酒を助長する仲間からの誘惑への対策、過剰飲酒のリスクなどを伝える啓発活動を実施しています。

  1. オーストラリア、ニュージーランドの飲酒可能年齢は18歳以上です。
  2. それぞれのテーマやトピックごとに学習資料や教材を独立して分けたもの。オンラインでアクセスし、自分のペースで学習することができます。

ノンアルコール・低アルコール商品の販売を拡大する

当社は酒類を製造・販売する企業として、お客様に目的に合った選択をしていただけるよう、イノベーションに注力しています。昨年にはオーストラリアで初となるカーボンニュートラルのノンアルコールビールテイスト飲料「XXXX Zero (フォーエックス・ゼロ)」を発売し、ノンアルコールビールテイスト飲料市場に革新をもたらしました。私たちはこれまでもアルコール度数3.5%の「XXXX Gold(フォーエックス・ゴールド)」を発売し、4〜5%前後のアルコール度数の商品が多かった既存ビール市場に加え低アルコール市場を創造し、お客様の嗜好にいち早く対応してきました。新商品「XXXX Zero(フォーエックス・ゼロ)」もオーストラリアでの節度ある飲酒への流れを反映しています。

当社はアルコールの有害接種によるリスクを認識し、節度ある飲酒文化の醸成に取り組んでいます。酒類を扱う企業として、私たちは不適切な飲酒による健康リスクをはじめとしたさまざまな問題の防止に向けた活動を実施する社会的責任を認識しており、ノンアルコール・低アルコール商品の販売拡大はこうした取り組みの中核を成すものです。現在は成長分野であるノンアルコールビールテイスト飲料商品の開発に注力しており、「James Squire Zero」「Steinlager Zero」「Speights Summit Zero」「XXXX Zero」といった商品群の拡充を図るべく、サウスウェールズ州のTooheys Breweryの脱アルコール設備に600万豪ドルを投資しました。

適量で節度をもって楽しんでいただく限り、私たちの製品は充実した人生に不可欠な、社会的なつながりを生み出す一要素になり得ます。酒類メーカーとして、飲酒リスクの啓発と責任ある飲酒を促進することに加え、お客様のニーズに合った革新的な商品を提供することで、適量で節度ある飲酒社会の構築を目指します。

プロフィール

ジャスティン・メレル

ライオン
サステナビリティ・ディレクター
ライオンのサプライチェーンチームに所属し、サステナビリティ・ディレクターとして当社のサステナビリティ課題の策定に携わる。現職までに、環境ディレクターとして環境戦略の立案やコンプライアンス分野の統括を歴任。

※所属(内容)は掲載当時のものになります。

価値創造モデル

私たちキリングループは、新しい価値の創造を通じて社会課題を解決し、
「よろこびがつなぐ世界」を目指しています。

価値創造モデルは、キリングループの社会と価値を共創し持続的に成長するための仕組みであり、
持続的に循環することで事業成長と社会への価値提供が増幅していく構造を示しています。
この循環をより発展させ続けることで、お客様の幸せに貢献したいと考えています。