持続可能な水資源の利用製造

水ストレスに応じた節水対応

工場で使用する水の削減は大きな課題です。キリングループでは、必要な時に必要なだけの水を使う取り組みに加えて、水の循環利用などを進めて節水を進めてきました。工場の流域の水ストレスにも着目し、水ストレスレベルに合わせた節水設備の導入・運用を行っています。

用水のカスケード利用

工場で使う水の多くは、設備や配管の洗浄・殺菌工程で使用されます。洗浄できていることを品質面で確認・保証できる体制・仕組みを整えるとともに、無駄な水を使わないように流量・流速を厳密に管理しています。その上で、用途に応じた水の再利用を積極的に推進しています。
例えば、配管や設備などの洗浄工程で使った最後の「すすぎ水」は水の清澄度が比較的高いため、最初に配管を洗う工程で利用することが可能です。このように、洗浄で使った水を水質に応じた用途で繰り返し使うカスケード利用を行っています。回収できる水の量と使用する水の量のバランスやタイミングを合わせるなど、確実に洗浄できていることを保証するためには設備を使いこなすノウハウが必要です。キリングループでは、さまざまなノウハウを共有・蓄積し、高いレベルの節水を実現しています。

冷却水の再利用

2020年に取水制限があったThai Kyowa Biotechnologiesでは、アミノ酸製造のための冷却水のリユースを進めています。
アミノ酸を製造するためには、培養冷却水、製造工程での仕込み水、精製レジン塔の水洗水など多量の水が必要です。用水から製造された冷却水は、一定回数使用した後に排水され、新たに用水が供給される仕組みです。冷却水の使用回数を増やし、冷却に必要な用水を節約しています。

エアーリンス設備

キリンビバレッジ湘南工場の飲料製造ラインでは新たに、PETボトルのリンス工程を水からエアーに変更した無菌充填システムを導入し、2022年1月から初回製造開始しています。製造時の年間節水量は130千m3程度となる見込みです。今後、別の飲料ラインでも同設備を導入し、さらなる節水を進める予定です。

  • 湘南工場で導入したエアーリンス設備

高度用水処理設備

ライオンは醸造所所在地域の水道水の利用を最小化するために、2009年にオーストラリアのクイーンズランド州政府と提携して排水を回収利用するための逆浸透(RO)プラントをCastlemainePerkins Breweryに設置しました。ライオンは水のリサイクルプラントを導入し、醸造に使用する水の半減を目指しています。逆浸透膜で処理された水は洗浄、冷却、低温殺菌など、製品に関連しないプロセスで使用されます。2021年のCastlemaine Perkins Breweryの用水原単位は2.8kL/kLとなり、世界トップクラスに迫る用水原単位を維持しています。この技術はキリングループで共有され、日本ではキリンビール神戸工場で活用されています。水ストレスの高いライオンでは製造量が多い醸造所を対象に、2025年までに水効率を2.4kL/kLにするという目標を、2021年中に設定しました。最も水使用量が多いTooheys Breweryでは、水のリサイクルや再利用に関するさまざまな選択肢が現在検討されており、2022年には効果的なアプローチが策定される予定です。

※ 上記情報は「キリングループ環境報告書2022」の開示内容を転載したものであり2022年6月末現在の情報です。