容器包装の持続可能な循環持続可能なPETボトル

プラスチックポリシー

キリンホールディングスは、2019年2月にプラスチックの持つ課題の解決に向けた方針である「キリングループ プラスチックポリシー」を策定しました。
プラスチックはその利便性からさまざまな製品や容器包装などに使用されています。その種類や用途は多岐にわたり、使用された樹脂の種類によって回収率やリサイクル率が異なり、全てが効率的に循環しているとは言い難い状態です。環境中に捨てられたプラスチックごみが最終的に海に流れ、海洋汚染や生態系に影響を及ぼしている可能性が国際的にも指摘されています。このような課題を解決するためには、PETボトルの資源循環を推進する必要があります。
「キリングループ プラスチックポリシー」では、日本国内のPETボトルにおけるリサイクル樹脂の割合を2027年までに50%に高めること、石油資源からの脱却に向けた非可食性植物由来のPET樹脂の導入の検討も進めていくことを宣言しました。
2020年2月に発表した「キリングループ環境ビジョン2050」の中では、2050年までに「容器包装を持続可能に循環している社会」の実現を目指すことを宣言し、リサイクル材やバイオマスなどを使用した持続可能な容器包装100%化に向けても取り組みを進めることとしています。

  • 図:リサイクル樹脂使用比率目標

再生PET樹脂100%使用の「R100ペットボトル」拡大

キリングループでは、2019年に制定した「プラスチックポリシー」に従って再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」の採用を順次拡大しています。
「R100ペットボトル」では、再生PET素材をPETボトル原料として使用する「メカニカルリサイクル」の技術を採用しています。この手法では、使用済みPETボトルを選別、粉砕、洗浄したあと真空に近い状態の高温下で処理を行うことで、樹脂の内部に留まっている不純物を揮発させながら除去するほか、リサイクル工程中に低下した分子量をボトル成形に適したレベルに回復させることができます。このボトルは、一般的な石油由来PET素材に比べて石油由来樹脂使用量を90%、GHG排出量を50~60%削減することができます。
2014年2月から「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」のパッケージの一部に再生樹脂を使用していました。その後改めて、2019年に再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」を「キリン 生茶デカフェ」に、2021年からは、全国のコンビニエンスストア限定で「キリン 生茶」と「キリン 生茶 ほうじ煎茶」(各600ml)に、2021年10月には「キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト」、2022年4月には「キリン 生茶 カフェインゼロ」に展開し、使用を継続しています。2022年4月より全国で販売を開始した「キリン 生茶」のうち、自動販売機専用商品(555ml)についても「R100ペットボトル」を年内に順次導入する予定です。
「キリン 生茶デカフェ」の「R100ペットボトル」は、「2019 日本パッケージングコンテスト」で「ジャパンスター(日本包装技術協会会長賞)」を、「ワールドスターコンテスト 2020」のビバレッジ部門において「ワールドスター賞」を受賞しています。

  • 図:石油由来樹脂使用量と製造時のGHG排出量

    ※ 商品写真は2022年6月末時点のものです。

  • R100 ペットボトルを採用している商品

ケミカルリサイクルで新たな循環ルートを実現

2020年12月に、キリンは三菱ケミカル株式会社とケミカルリサイクルによるPETボトルの再資源化に向けた技術検討と実用化を目指す共同プロジェクトを開始しました。
現在行っているメカニカルリサイクルではリサイクル樹脂から取り除くことの難しい混在成分があり、繰り返し再生することで樹脂の品質が低下するといわれています。ケミカルリサイクルでは、使用済みPETボトルを選別、粉砕、洗浄して汚れや異物を取り除いた上で、解重合(化学分解処理)を行い、PETの中間原料まで分解、精製したものを再びPETに重合(合成)します。分子レベルまで分解する方法で何度でも新品の素材同様に再生することができ、使用済みPETボトル以外のPET製品もPETボトルとして再生が可能となります。PET製品のサーキュラーエコノミーの確立を目指すとともに、PETボトル以外のPET製品を回収する仕組みも構築していきます。2022年からはファンケルとも協働を進め、PET材料の再利用を促進しています。
2022年1月、キリン中央研究所は、国立大学法人静岡大学および大学共同利用機関法人自然科学研究機構(NINS)と酵素によるPETリサイクル技術の確立に向けた共同研究を開始しました。キリン中央研究所は、ケミカルリサイクル技術を探索する中で、これまで培ってきた発酵技術を活用した「酵素分解法」の確立を目指し、2019年より耐熱性PET分解酵素である「PET2」の研究開発を進めてきました。
静岡大学およびNINSでは、2021年7月に「PET2」を改変することで、熱安定性とPET分解活性が大幅に向上した研究成果を発表しています。三者は、それぞれの知見を持ち合うことで、PET分解酵素の実用化に向けた研究開発を加速し、技術力で社会にポジティブインパクトを創出することを目指します。

  • 図:プラスチックが循環し続ける社会

分別収集・回収の効率化促進

“プラスチックが循環し続ける社会”の実現に向けて、2021年7月から株式会社ローソンと共同し、使用済みPETボトル容器回収の実証実験を開始しました。また2022年6月からはウエルシア薬局株式会社にも実証実験を拡大しています。
ウエルシアでの実証実験は、ウエルシアが店頭に設置した回収ボックスで使用済みPETボトルの回収・分別を行い、一旦ウエルシアの物流拠点へ集められたのち、リサイクラーの遠東石塚グリーンペット株式会社へ搬入されます。
その後、再生PET原料を製造する工場にて粉砕・洗浄などの工程を経て、PETボトルの原料として再原料化されます。埼玉県内のウエルシア約190店舗で実証実験の結果検証を経て、同エリア内のドラッグチェーン業界に対象を広げ、将来的には他の小売業界も含め、業界を問わずに活動の規模を拡大させていく予定です。

  • 図:回収・再資源量化・商品化までの流れ

※ 商品写真は2022年6月末時点のものです。

グローバルなプラスチック問題解決に向けて

2021年3月には、参加企業と共にグローバルな視点で世界を取り巻くプラスチック廃棄物問題の解決に取り組むために、国際的な非営利団体である「Alliance to End Plastic Waste」に参加しました。AEPWに参加するプラスチックバリューチェーンに携わるグローバル企業や組織などのメンバー企業と協力し、4つの戦略的分野「インフラの構築・整備」「イノベーション」「教育と啓発活動」「清掃活動」においてプロジェクトを進めています。

※ 上記情報は「キリングループ環境報告書2022」の開示内容を転載したものであり2022年6月末現在の情報です。