気候変動の克服RE100・使用電力の再生可能エネルギー比率100%を目指す

RE100への加盟と「追加性」を重視した使用電力の再生可能エネルギー比率100%化

キリンホールディングスは、電力の再生可能エネルギー比率100%を目指す企業で構成される国際的な環境イニアシアチブ「RE100」に加盟し、2040年までに使用電力における再生可能エネルギー比率100%を目指すことを、2020年11月に宣言しました。具体的な取り組みとして、国内のビール2工場での購入電力の再生可能エネルギー比率100%化や、「追加性」を最重視し、国内の全ビール工場での大規模太陽光発電利用などを積極的に進めています。

キリンビール仙台工場・名古屋工場、シャトー・メルシャン全ワイナリーでの購入電力の再生可能エネルギー比率100%化

キリンビール仙台工場は、2022年4月から購入する全ての電力を再生可能エネルギー100%にしています。国内ビール工場では、先行して2021年8月よりキリンビール名古屋工場が再生可能エネルギー100%となっています。国内2工場で使用する全ての電力を再生可能エネルギーに置き換えることで、年間11,900tのGHG排出削減になる予定です。
2022年1月からは、メルシャンの製造する日本ワイン「シャトー・メルシャン」の全てのワイナリー(シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー、シャトー・メルシャン椀子ワイナリー、シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー)で、グリーン電力証書を購入電力に組み合わせることで再生可能エネルギー100%を達成しています。
年間のGHG排出量を約300t削減できる予定です。

  • 勝沼ワイナリー、椀子ワイナリー、桔梗ヶ原ワイナリー

国内ビール全工場での大規模太陽光発電利用

キリングループでは、新たな再生可能エネルギー電源を世の中に創出する「追加性」を重視しています。キリンビールでは、2016年に先行して導入したキリンビール横浜工場に続き、2021年からは仙台工場、名古屋工場、滋賀工場、神戸工場、2022年3月に北海道千歳工場、取手工場、岡山工場、福岡工場へ大規模太陽光発電設備の導入を行いました。全9工場への導入(横浜工場を除く8工場がPPAモデル)によりキリンビール全体の使用電力の再生可能エネルギー比率を従来の約18%から約34%に向上させることになります。

※ PPAは、「Power Purchase Agreement(電力販売契約)モデル」の略称で、電気を利用者に売る電力事業者(PPA事業者)と電力の使用者との間で結ぶ「電力販売契約」のことを示します。キリンビールでは、三菱商事エナジーソリューションズ株式会社の子会社であるMCKBエネルギーサービス株式会社がPPA事業者となり、ビール工場の屋根にメガワット級の太陽光発電設備を設置し、その発電電力をキリンビールが購入・活用することで実現しています。

  • 北海道千歳工場、取手工場、岡山工場、福岡工場、仙台工場、神戸工場、滋賀工場、名古屋工場

オーストラリアでの太陽光発電利用

オーストラリアでは、2019年にCastlemaine Perkins Breweryで太陽光発電設備を設置し、2020年にはビクトリア州にあるLittle Creactures Geelongにおいても太陽光発電を設置しました。2021年は、気候変動への対応をサポートする製造拠点のネットワーク構築に重点を置き、オーストラリアのニューサウスウエルス州で実施している再生可能エネルギーのPPAモデルの他地域への拡大検討やエネルギー効率の高い設備への投資を行いました。
ライオンは、小規模なエネルギー利用者が再生可能エネルギー電力を安価に調達するための支援も行っています。ニューサウスウェールズ州最大のビール醸造所Tooheys Breweryは、エネルギー消費量の少ないオーストラリアホテル協会(AHA)と共同で再生可能エネルギー販売会社とPPA契約を締結しています。共同で大きな電力契約を結ぶことで、AHAはより安価に再生可能エネルギーを導入することができ、ホテルの電力単価を11.5c/kWhから6.9c/kWhに削減することができました。この契約により、ライオンのGHG排出量が約20%削減されることになります。

  • ライオンLittle Creatures Geelong

その他の太陽光発電

キリンビール、キリンビバレッジなどの工場では、見学設備などに太陽光発電設備を設置しています。キリングループロジスティクス、協和発酵バイオ、信州ビバレッジでも、敷地や建物の屋根の一部を大規模太陽光発電設備事業会社に賃貸して、自社資産の有効活用と自然エネルギーの普及促進に貢献しています。

  • 横浜工場

  • 協和発酵バイオ

排水バイオガス

ビール工場では、排水を浄化するために嫌気処理設備から発生するCO2フリーのバイオガスをガスボイラーやコージェネレーションシステムなどで利用しています。
オーストラリアやニュージーランドのビール工場でも排水処理からのバイオガスの安定利用に向けて取り組んでいます。オーストラリアのTooheys Breweryでは、ユーティリティチームが嫌気排水処理場のバイオリアクターの微生物の個体数の減少とバイオガス生産の質と量のばらつきの改善に注力しました。Castlemaine Perkins Breweryの嫌気処理プラントでは、プラントから採取した健全な微生物をバイオリアクターに補充し、pHレベルの最適化や、処理量の安定化を進めることで、2022年の排水量あたりのバイオガス発生量を前年より30%以上改善することができました。コージェネレーションプラントも追加し、バイオガスの有効利用にも取り組んでいます。

水力発電

2017年4月より、キリンビール取手工場およびキリンビバレッジ湘南工場の購入電力の一部で、水力発電由来のGHGフリー電源の使用を開始しています。東京電力エナジーパートナーが水力発電の電力だけを供給する国内初の電力メニュー「アクアプレミアム」を利用するもので、発電時にGHGを排出しない水力発電の利用により、地球温暖化対策に貢献していくものです。これは、日本の食品・飲料業界のみならず工場としても初めての採用事例です。
2020年1月からは、協和キリン高崎工場、2022年1月からは、富士リサーチパークおよびCMC研究センターでも利用を開始しており、協和キリングループの年間消費電力量約72,400千kWhのうち約45,400千kWhが水力発電由来に切り替わり、同グループのGHG排出量の約39%が削減される見通しです。
水力発電由来の電力利用は日本の医薬品製造業で初めての事例です。

  • 協和キリン高崎工場 購入電力のうち水力発電由来電力の割合(2021年)79%

  • キリンビバレッジ湘南工場 購入電力のうち水力発電由来電力の割合(2021年)37%

風力発電

三菱商事エナジーソリューションズ株式会社、株式会社ウェンティ・ジャパン、株式会社シーテック、三菱商事株式会社は、三菱商事エナジーソリューションズ株式会社を代表企業とするコンソーシアム(以下“本コンソーシアム”)を通じて、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖における発電事業者として選定されました。キリンホールディングスは、本コンソーシアムの協力企業です。本事業は、一般海域における国内初の着床式洋上風力発電事業であり、日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの主力電源化に大きく貢献する国内最大級の電源となります。3事業の最大発電出力は約169万kWで、約121万世帯の電力需要を補える規模です。
今後、本コンソーシアムでの活動を通して、新規の再生エネルギーの創出で社会の脱炭素化に向けてポジティブインパクトを生み出すとともに、地域との協調・共生を実現します。
横浜市が進める「グリーン電力証書システム」を活用した横浜市風力発電事業には、2007年からハマウィングサポーターとして協賛し、自然エネルギー利用の促進を支援しています。この事業で発電された電力はこれまで、「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」、WWF主催「アースアワー」などで利用されています。

  • 横浜市風力発電所(ハマウィング)

再生可能エネルギー証書

協和発酵バイオは、2021年からThai Kyowa Biotechnologies に、「再生可能エネルギー証書(I-REC)」を導入しました。タイの医薬品・食品業界での導入は初の事例であり、工場で使用する電力の一部を再生可能エネルギー由来にすることにより、GHG排出量を年間10,200t削減する予定です。粉ミルク向けのヒトミルクオリゴ糖(HMO)の世界的な需要拡大を見据え、ラヨーン工場に製造設備を新設して2022年夏ごろに稼働させる予定であり、この再生可能エネルギー証書を導入することで、事業の成長と環境負荷の低減の両立を図っています。2022年から上海協和アミノ酸でも再生可能エネルギー証書の導入を開始しています。
協和キリンの東京リサーチパークでは、東京都環境確保条例における「特定地球温暖化対策事業所」として第一計画期間および第二計画期間の義務削減量を超え達成した大幅な排出削減量(3,736t-CO2)を「東京2020大会カーボンオフセット」のクレジットとして提供し、「東京ゼロカーボン4デイズ in 2020」の実現に協力しています。

  • Thai Kyowa Biotechnologies

オーストラリアとニュージーランドでのカーボンニュートラル

ライオンは、2020年5月にオーストラリア発の大規模なカーボンニュートラル認証取得醸造会社になりました。
オーストラリアでClimate Active※1認証を取得するためには、年次報告書の中で当該年の総排出量を相殺するためのカーボンクレジットの開示義務があり、ライオンはこれに対応しています。この認証基準はオーストラリアのカーボンニュートラル認証の新しいスタンダードになっています。
ニュージーランドでも、2021年からToitū※2のカーボンゼロ認証を取得しています。

※1 オーストラリアのNGOが設立した第三者認証機関
※2 ニュージーランド政府が設立した第三者認証機関

  • Climate Active Carbon Neutral ORGANISATION, TOITU NET CARBON ZERO ISO 14064-1 ORGANISATION

※ 上記情報は「キリングループ環境報告書2022」の開示内容を転載したものであり2022年6月末現在の情報です。