気候変動の克服物流

モーダルシフト

キリングループでは、400~500km以上の長距離輸送においてGHG排出量の少ない貨物鉄道輸送や船舶を積極的に使うモーダルシフトに取り組んでいます。トラック輸送は、比較的短い距離であれば多品種の飲料をお取引先様の倉庫に効率的に運べますが、長距離の場合は、鉄道輸送の方がよりGHG排出量を減らすことができます。長距離鉄道輸送でも擦れにくい特殊カートン(実用新案取得済)を開発するなど、多くの工夫を積み重ねながら、GHG排出量の削減と輸送品質の維持・向上の両立に努めています。

  • 北陸地方への共同配送

共同配送

キリングループでは物流分野を非競争分野として位置付け、積極的に他社との協働を進めています。
2017年から石川県金沢市に同業他社と共同配送センターを開設し、関西エリアの工場からの鉄道コンテナによる共同輸送を開始しています。どちらの会社も日本海側には工場を持っておらず、太平洋側の工場から200kmを超える長距離をトラック輸送していましたが、効率が悪く、運転手にも大きな負担をかけていました。鉄道コンテナを使った共同輸送によりGHG排出量を大幅に削減できるだけではなく、工場とターミナル、ターミナルと輸送先の距離が短くなり、トラック運転手の負担も大幅に削減し、トラック運転手不足という社会課題の解決にもつながっています。この取り組みにより、年間1万台相当の長距離トラック輸送を鉄道コンテナにモーダルシフトし、GHG排出量が年間約2,700t削減できると試算しています。
2017年9月からは、北海道の道東エリアでも共同配送を開始しています。この取り組みにより鉄道コンテナが活用され、トラックの積載効率の向上による物流が効率化し、年間約330t※のGHG排出量削減に貢献していると試算しています。
協和キリングループでも物流拠点間の製品輸送において、共同輸送を実施しています。2020年から、宇部工場は原料調達において、鉄道コンテナ輸送を開始しています。

※ 一般社団法人 日本経済団体連合会「グローバル・バリューチェーンを通じた削減貢献第3版」

  • 北海道での共同配送

ビールパレットの共同回収

ビール大手4社での取り組みは、ビールパレット(以下、Pパレ)の共同回収にも広げています。
2018年11月より東北エリアで開始し、2019年7月以降、首都圏、東海、九州エリアに拡大し、2019年11月以降は全国で展開しています。本取り組みにより、回収車両の積載率向上、回収距離の短縮などを通してビール大手4社合計で、年間5,158tのGHG排出量(従来比約37%)が削減※できたと試算されています。

積載効率向上

キリングループは、個々のトラックの正確な積載可能量をマスター化した配車システムにより、最も効率的なトラックと積載商品の組み合わせを選択して輸送するようにしています。
キリンビバレッジは、積載効率を高めるボトル形状を採用し、1パレット当たりの積み付け数を向上させています。炭酸大型容器(1.5L)の容量減少分を肩部形状の変更で確保することで、PETボトルの“胴径”を直径92.5mmから直径89.5mmに変更し、1パレット当たりの積載箱数を40箱(10個×4段)から60箱(15個×4段)として積載効率を1.5倍※にしました。
2022年4月からは「キリン 生茶」「キリン 生茶ほうじ煎茶」(525ml・600ml)について角形PETボトルを新たに採用し、中型PETボトルへも活動を拡大しています。形状を角型にすることで、525mlボトルの1パレット当たりの積載箱数が58ケース(8面×6段)から60ケース(10面×6段)となり積載効率が1.25倍、600mlボトルは48ケース(8面×6段)から50ケース(10面×5段)となり積載効率は1.04倍となりました。

  • 積載効率向上

    ※ 商品写真は2022年6月末時点のものです。

製造拠点の見直し

キリングループロジスティクスとキリンビールは、輸送に伴うGHG排出量削減の主要な施策として、製造拠点の見直しを進めています。
2022年から、キリンビール仙台工場でRTDの製造を開始し、運送距離を削減することでGHG排出量を年間約3,000t削減できる見込みです。その他の製造拠点においても生産・物流全体での製造拠点の最適化を進めていきます。

門前倉庫

キリンビバレッジが製造・販売する清涼飲料は、日本各地の工場で製造されており、紅茶飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料、スポーツドリンクなど多岐にわたっています。製品の製造工場に対し、原材料の製造工場や倉庫は著しく拠点が少ないため、長距離の輸送が多くなっています。製品の製造工場の計画に合わせて、使いたいときに使いたい量の原材料を輸送するため、少ない量の原材料でも長距離輸送するという非効率も常態化していました。
トラックが確保できないことによる運べないリスクの軽減と輸送効率の最適化を目指し、2019年10月より、キリンビバレッジ自社工場である湘南工場、滋賀工場に近接した原料倉庫(門前倉庫)を活用した原材料調達物流の試験運用を開始しました。門前倉庫の設定により、原材料サプライヤーは運びたい量を運びたいときに輸送し、最大限の効率化を図ることができます。急な製造計画の変更にも対処しやすくなり、製造工場の対応力が格段に向上しました。
その結果を受け、2020年4月には委託工場を含む全国20工場にて、対象原材料を200種類以上に増やし、原料倉庫(門前倉庫)が本格稼働しています。
本格稼働後はGHG排出量が年間1,000t以上(削減率約80%)、長距離※1輸送トラック台数も4,000台以上(削減率約63%)削減できると試算しています※2。

※ 上記情報は「キリングループ環境報告書2022」の開示内容を転載したものであり2022年6月末現在の情報です。