より持続可能な生物資源を利用している社会の構築を目指して、「生物資源利用行動計画」を改定して取り組みを始めています。

  • 環境

2022年01月17日

キリングループは、2021年7月に生物資源に関する中長期的行動指針を示した「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」を改訂しました。従来の「紙」「パーム油」「紅茶葉」から対象品目に「コーヒー」と「大豆」を追加し、対象事業地域を拡大して、さらに対応を加速させていきます。

キリングループでは、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を契機として「キリングループ生物多様性保全宣言」を策定し、原材料農産物のリスク評価の上で、2013年に「キリングループ持続可能な生物資源調達ガイドライン」「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」を定めて取り組みを進めてきました。
2017年には、2020年末までにキリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンが使用する紙容器をすべてFSC®認証紙に切り替えることを宣言して「生物資源利用行動計画」を改訂。社会の要請に応じて、今回3度目の改訂を行うものです。

主な取り組みは以下の通りです。

紅茶

「キリン 午後の紅茶」の主要な原料生産地であるスリランカで、紅茶農園がレインフォレスト・アライアンス認証※1を取得する支援を2013年から継続して行っています。
日本が輸入するスリランカ産紅茶葉(全輸入茶葉の約50%※2がスリランカ産)のうち約25%※3が「キリン 午後の紅茶」に使われていたことから、原料依存度が高いスリランカの紅茶農園の持続可能性を向上させる必要があると判断をしました。
この時、キリンには2つの選択肢がありました。1つは、レインフォレスト・アライアンス認証の茶葉だけを調達する、という進め方です。レインフォレスト・アライアンス認証は、自然と作り手を守りながら、より持続可能な農法に取り組み、持続可能性の3要素「環境・社会・経済」をもとにした持続可能な農業基準要件に準拠する農園に対して与えられる認証であり、取り組みの透明性、納得性では問題がないと判断しました。しかし、調べてみますと、認証を取っているのは国際的な巨大農業企業所有の紅茶農園だけであることが分かりました。
実はスリランカは30年近い内戦が終わってまだ数年しか経っておらず、現地の紅茶農園は資金がなく、トレーニングを受けることができない状況であることが分かりました。認証茶葉だけを調達する、という取り組みでは、お金が無くて認証が取れない農園を切り捨てることになってしまいます。
そこで、時間が掛かることは覚悟した上で、2013年から、スリランカの紅茶農園の認証取得を支援することにしたのです。

2020年末で、キリングループの支援により累計93農園が認証を取得しています。これは、スリランカの認証取得済み紅茶大農園の約30%に相当します。2018年からは、小農園の認証取得支援や、紅茶農園内にある水源地の保全活動も行っています。
2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、スリランカも大きな影響を受け、外出禁止令が出るなど活動にも支障が出ています。無理をせず、トレーナーや農園の方々の健康と安全を最優先にしたうえで、より持続可能な農業を目指す紅茶農園に対して、今後も認証取得支援を継続していきます。

2021年8月3日に、スリランカ産レインフォレスト・アライアンス認証茶葉を90%以上使用して認証ラベルを付けた「キリン 午後の紅茶 ストレートティー 250mlLLスリム」紙パックの通年販売を開始しています。今後は、商品を通じて、持続可能な紅茶葉生産のために努力をしている農園の方々の想いと努力をお客様に伝えていきたいと考えています。

  1. 詳細はこちら。
  2. 株式会社食品マーケティング研究所調べ 2020年実績
  3. 日本紅茶協会2011年紅茶統計より

キリングループは、2020年11月にキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンのすべての紙製容器包装でFSC®認証紙使用比率100%を達成しています。
キリングループでは、2013年に「持続可能な生物資源利用行動計画」を策定して持続可能な紙利用を目指して取り組みを進めてきました。当時は、認証紙は極めて限られた用途でしか手に入らず、容器包装にFSC認証紙を使うことは想像できない状況でした。キリングループだけでこの問題を解決することは難しいと判断し、同じ年に紙の利用について先進的な取り組みを行う企業5社とWWFジャパンとで「持続可能な紙使用のためのコンソーシアム」を結成し、認証紙の提供促進を目指してサプライヤーとのダイアログなどを行ってきました。
コンソーシアムでの取り組みがサプライヤーの対応を変えつつあった2017年に「持続可能な生物資源利用行動計画」を改訂し、紙容器へのFSC認証紙使用率100%を目指すことを宣言しました。2019年3月末にはキリンビールのすべての紙容器で、同年11月末にはキリンビバレッジのすべての紙容器でFSC認証紙使用率100%を達成し、2020年11月には、メルシャンの紙容器でFSC認証紙使用率100%を達成しています。
今後は、持続可能な紙を使用していく取り組みをグローバルなグループ企業に広げていきます。

コーヒー

キリングループは、2020年からベトナムのコーヒー農園がレインフォレスト・アライアンス認証を取得する支援を開始しています。2013年からスリランカの紅茶農園に対して行っている認証取得支援の知見を生かして活動をベトナムのコーヒー農園に広げるものです。
2019年にキリングループが輸入したコーヒー豆の約3割がベトナム産であり、「キリン ファイア」などに使用されています。コーヒーは気候変動の影響を最も受ける可能性の高い農産物の一つで、多くの国・地域で生産量が大きく減少する可能性が高いと言われています。
ベトナムのコーヒー農園の大半は小農園であり適切な教育機会がないために、不適切な化学肥料の使用を行っていたり、気候変動による影響を低減する知識もない農家がたくさん存在します。レインフォレスト・アライアンス認証取得支援のトレーニングを受けることで、小農園が持続可能性を高め、将来にわたり良質な原料を安定的に生産できるように支援していきたいと考えています。

ベトナムでも、新型コロナウイルスの影響は甚大です。2020年は、感染状況が改善されて外出禁止令が解除された6月から7月の間で、小農園を指導していくトレーナーたちの研修を行うことができました。研修では、土づくりなどの基本的な農業技術の指導に加えて、剪定や施肥の方法、病害虫やコーヒーの病気の管理方法などについて、講義と農園での実習を組み合わせて行われました。
しかし、2021年になるとコロナウイルスの感染状況は非常に悪くなり、残念ながら殆どトレーニングを行うことができませんでした。ベトナムにおいても、トレーナーや小農園の方々の健康と安全を最優先にしたうえで、より持続可能な農業を目指す小農園に対して、今後も認証取得支援を継続していきます。

参考

※所属(内容)は掲載当時のものになります。

価値創造モデル

私たちキリングループは、新しい価値の創造を通じて社会課題を解決し、
「よろこびがつなぐ世界」を目指しています。

価値創造モデルは、キリングループの社会と価値を共創し持続的に成長するための仕組みであり、
持続的に循環することで事業成長と社会への価値提供が増幅していく構造を示しています。
この循環をより発展させ続けることで、お客様の幸せに貢献したいと考えています。